arena8order Δ慧會隴

亂鷓鸚 吁咤 帝頭 Long-Shout Woo-t.a. Earof.

1.舞台は奴隷制が残る1860年代のアメリカ南部・ジョージア州。南北戦争の頃である。

2012-10-05 14:08:23 | 日記

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『風と共に去りぬ』(かぜとともにさりぬ、)は、マーガレット・ミッチェルの時代長編小説。

題名は南北戦争という「風」と共に、当時絶頂にあったアメリカ南部の貴族的白人文化社会が消え「去った」ことを意味する。



1. 概説

南北戦争下のジョージア州アトランタ市を背景に、アイルランド系移民の父とアメリカ南部の名家出身の母を持つ気性の激しい南部の女、スカーレット・オハラの半生を、彼女を取り巻く人々ともども壮大に描いた作品である。

10年近い歳月を費やして執筆され、1936年6月30日に出版、翌年ピューリッツァー賞を受賞した。

日本語版は大久保康雄訳で新潮文庫全5巻。


当時の大ベストセラーとなったが、ミッチェルは本作を書いたのみで、他に著述はしなかった。

続編の希望は生前からあったが、ミッチェルが病弱であったため、本作の執筆と完成だけでも膨大な年月を要し、また海賊版に対する対応にも追われ、これ以降創作意欲を喪失してしまったためである。

1939年に公開された映画『風と共に去りぬ』は、当時としては画期的な長編テクニカラー映画であったことも手伝って、世界的なヒット作となり、アカデミー賞を9部門受賞した。

あくまで南部の白人の視点からのみ描かれたこの小説は、黒人からは「奴隷制度を正当化し、(オハラのような)白人農園主を美化している」として根強い批判と抗議を受け続けている。

特に黒人奴隷の描写に関しては非常に強く批判されており、また白人至上主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)を肯定している点なども強い批判を受けている(主人公スカーレットの周囲にいる白人男性たちは、レット・バトラー以外のほぼ全員がクランのメンバーである)青木冨貴子『「風と共に去りぬ」のアメリカ ―南部と人種問題―』岩波新書。


この小説に対抗して、『風と共に去りぬ』の黒人奴隷たちを主観に据えた黒人からの批判的パロディー小説、『風なんぞもう来ねえ』(The Wind Done GoneThe Wind Done Gone)が黒人女性作家Alice Randallアリス・ランデルによって2001年に著されている。

この『風なんぞもう来ねえ』は、ミッチェル財団から「著作権違反」として提訴された。

これに対し、連邦地裁が下した出版差し止め命令が、2001年5月25日、アトランタの連邦高裁によって「著作権違反に当たらず」として却下されている。



2. ストーリー

舞台は奴隷制が残る1860年代のアメリカ南部・ジョージア州。南北戦争の頃である。

アイルランド系移民で一代で成功した農園主の娘、美しいスカーレット・オハラは、自分と同じ上流階級の長身の美青年アシュレー・ウィルクスに恋をしていた。

だがアシュレーは、アシュレーの従姉妹メラニーと婚約していた。「12本の樫木屋敷」でのバーベキューパーティーで、2人の結婚を知って愕然としたスカーレットは、癇癪を起こしてアシュレーの屋敷の家具のつぼを投げつけて壊す。

これを見ていたレット・バトラーは、彼女の躍動的な精神に恋をしてしまう。


スカーレットは軽蔑する友人たちの陰口を聞き、メラニーへのあてつけのために彼女の兄(チャールズ・ハミルトン)が自分に求婚をするように仕向けた。

何も知らないチャールズは、スカーレットの思惑通り、南北戦争の開戦のニューズに沸き立つ中で彼女に求婚、スカーレットは後悔しながらも結局結婚してしまう。

しかしチャールズは結婚後まもなく戦場に赴き病死。スカーレットは17歳にしてチャールズとの間にできた長男ウェードを出産して、未亡人となる。


ウェードを連れてアトランタに赴き、ピティパット・ハミルトンとメラニーとの新生活を始めたスカーレットの前に、かつて無頼な行為で社交界から締め出されたレットが、彼女が未亡人になったことを聞いて現れる。

スカーレットに、自分と似たものを感じるレットは、スカーレットがかぶる淑女の仮面を取り去り、彼女本来の姿を露にしようとする。またスカーレットも、喪服姿でダンスパーティに参加するなど破天荒な行為で周囲の評判を落とす。

そんな中、南軍は北軍に対して苦戦を強いられ、ついにアトランタの陥落も目前となったが、出産を目前に控えたメラニーの看護をしていたスカーレットは、脱出の機会を失ってしまう。

進撃する北軍の砲声の中、産後間もないメラニーとその赤ん坊やウェードを抱えて脱出の機会を失い途方に暮れた彼女は、大嫌いなレットに助けを求める。

タラへの帰還を望む彼女を、レットは炎上するアトランタからやせ馬の馬車で脱出させる。

危険地帯を通り抜けた後、レットは自分は軍隊に入るのでこの先は一人で帰るようにとスカーレットに告げる。

冗談だと思い笑うスカーレットに情熱的な口づけを残して、彼は南軍の守る前線へと赴く。


置き去りにされて怒り心頭に発したスカーレットだが、ようやく故郷・タラへと到着した。

しかしタラは北軍の駐屯で荒廃し、頼りにしていた母・エレンも腸チフスで病死していた。

一夜にしてオハラ家の主となった彼女の意識は、飢えを凌ぐことと故郷を守ることだけに集中する。

税金の工面に窮したスカーレットは、妹の恋人であり、商店を営んでいた、フランク・ケネディを奪って第二の結婚をしたが、やがてフランクの商才のなさから自ら商売を始める。

その間にフランクとの女児(エラ)ももうけるが、当時女性が男性を差し置いて主体的に経営を行うことはタブーに近かったことや、北軍の移住者と友人になったりしたことから周囲からの評判は下降し、メラニーを始めとするウィルクス家の人々とレットを除き彼女の周囲から古い友人は続々と離れていく。

また彼女の不用心な行動が難民から襲われるという事件を引き起こし、制裁を加えようとしたフランクは銃弾に倒れてしまう。


スカーレットは、レットと第三の結婚をする。

しばらくしてスカーレットはレットとの娘ボニーを生み、レットは初めての娘を溺愛する。

スカーレットが、自分を愛する者に対して無慈悲であることを知るレットは、以前からスカーレットを愛していたことをひた隠しにする。

またスカーレット自身も次第にレットを愛するようになっていたにもかかわらず、自分は相変わらずアシュレーを想い続けていると信じ込み、それを自覚することが出来ずにいた。

ある時酔ったレットがスカーレットを強引にベッドにつれていき、スカーレットは初めて肉体的な喜びを知る。

しかし、レットは自らその行為を恥じる。

一方レットの情熱的な訪れを待つスカーレットは、訪れることのないレットに対して自分が単になぶりものにされたと思い2人の気持ちはその日からさらにすれ違い、夫婦仲は日増しに険悪になっていく。

再び懐妊したスカーレットにレットが暴言を吐いたことがきっかけでスカーレットが階段から転落、流産して生死を彷徨う。

レットはメラニーにスカーレットがもし死んでしまったなら耐えられないとスカーレットへの激しい愛を吐露する。

しかしこの流産は二人の間に深い溝を作ることになり、レットはボニーに全ての愛情を注ぐが、ボニーは彼がプレゼントしたポニーの「バトラーさん」から落馬し、スカーレットの目の前で死んでしまった。

これを機にスカーレットとレットの最後の絆が断たれてしまい、レットは家によりつかなくなる。

娘を失ったショックから抜けきらないうちに、スカーレットに最後まで友愛を示し続けたメラニーまでが流産により命を落とす。

スカーレットは、この時初めてアシュレーを奪った恋敵として憎んでいたはずのメラニーを、実は心から愛し頼りにしていたことに気づき、また、死の床のメラニーに指摘されて初めて自分が愛しているのはアシュレーではなくレットだということを自覚する。

スカーレットは彼女の悪夢の中で何かを探していた自分の「その何か」がようやく見つかった思いで急いで帰宅し、レットに愛を打ち明ければレットとの関係がすぐ回復すると思うが、レットはすでにスカーレットを追うことに疲れきっていた。

これまで隠してきた心の内の変遷と結論としてもうスカーレットを愛してはいないことを説明し、故郷に帰ってしまう。

自分を支え続けてくれたレットとメラニーを同時に失い、ついに孤独となったスカーレットだが、彼女はやがて明日に希望を託し、絶望の中から一歩踏み出す。

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