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[編集] 細胞小器官
詳細は「細胞小器官」を参照
典型的な動物細胞の模式図:(1)核小体(仁)、(2)細胞核、(3)リボソーム、(4)小胞、(5)粗面小胞体、(6)ゴルジ体、(7)微小管、(8)滑面小胞体、(9)ミトコンドリア、(10)液胞、(11)細胞質基質、(12)リソソーム、(13)中心体
典型的な植物細胞の模式図: 動物細胞との違いは、濃い緑色で描かれている細胞壁(Cell wall)、紺色で示されている液胞(vacuole)、筋の入った緑色の紡錘形に見える葉緑体(Chloroplast) 、核の左横に描かれた小さな球体である白色体(Leukoplast)のほか、細胞質分裂の後にも細胞壁の表面に残り、隣接する細胞と原形質を連絡する通路となる原形質連絡(Plasmodesmata)などである。
真核細胞の内部には、細胞小器官(細胞器官、オルガネラ)と呼ばれる膜に包まれた[27]構造体がある。これらはそれぞれ特有の機能を持ち[27]、まるで生命個体の器官のように働くため、このような名称がつけられた。
例えば酸素を吸収し二酸化炭素を排出する面から見た呼吸の役割は、ミトコンドリアと比される。
消化を高分子を取り入れて加水分解することとすれば、口はピノソーム、消化管はリソソームに相当する[33]。
他に、 マイクロフィラメント(アクチンフィラメント)
中間径フィラメント(中間フィラメントあるいは10nmフィラメント)
デスモソーム(接着斑)
ギャップ結合(間隙結合あるいはネクサス)
タイト結合(タイトジャンクションあるいは密着結合、閉鎖帯)
エンドソーム
ペルオキシソーム
分泌顆粒(分泌小胞)
なども存在する。
微小管、中間系フィラメントおよびアクチンフィラメントをまとめて、細胞骨格と呼ぶ。
[編集] そのあり方
実際には、すべての生物で細胞がこの様な構造が見られるわけではない。
原生生物は多細胞生物の細胞と同様に核構造を持ち真核生物に分類されるが、変形菌の変形体やミズカビ・ケカビなどでは大きな体が細胞に分かれておらず、しかも多数の核を含む。
これは細胞の成長と核分裂が起きても細胞質分裂が起きないためで、多数の細胞に当たる内容が単一の細胞容器に含まれる。
この様な生物は多核体と呼ばれる。
同様に多数の細胞に当たる内容が単一の細胞の輪郭に含まれるものは多細胞生物にもあり、例えば横紋筋などがそうであるが、これはむしろ多数の細胞が融合したものと見なし、これを合胞体という。
多細胞生物では、逆に細胞として不可欠なはずの内容を欠く例もある。
例えば我々ほ乳類の赤血球には核がない。
これはむしろ多細胞生物に見られる細胞の役割分担の中で、なくてもその機能が果たせる場合にはそれが退化することもある、ということであろう。
[編集] 原核生物から多細胞生物へ
45億年前と言われる地球誕生後、最初の細胞は40億年前頃に原核生物として誕生した。
真核背細胞への進化はその15億年後に成されたが、当初は単細胞生物であった。
多細胞生物が誕生するには更に10億年の期間を待たなければならなかった[34]。
原核細胞と真核細胞の大きな差異である核や細胞小器官は、それぞれが膜に包まれ、内容物を閉じ込めている。
核では傷つきやすいDNAであり、葉緑体やミトコンドリアはエネルギー転移系、小胞体やゴルジ体は膜合成系と分泌器官系、細胞にとって危険な過酸化水素をつくる酵素ベルオキシダーを閉じ込めるミクロボディや、リソソームはやはり危険を伴う酵素や異物の消化を行う[27]。
このような小器官は複数の発生段階を踏んだと考えられている[35]。
葉緑体やミトコンドリアはそれぞれの機能を持つ原核生物を、初期の真核生物が食作用で細胞内に取り込み共生し、現在の姿になったと考えられる。
この根拠として、両者は2重以上の単位膜に覆われ、独自のDNAを持ち、原核生物と同じ70Sのリボソームを持ち、また2重以上の単位膜に覆われる点が挙げられる。
特に複数の膜は、内側が原核生物時代の細胞膜、外側が真核生物の食作用時につくった窪み部分の細胞膜をそれぞれ由来とすると思われる[35]。
機械的に脆いDNAを守る核も2重の単位膜を持つ。
この由来はよく分かっていないが[36]、原核細胞で見られるDNAが付着する細胞膜部分の周囲がへこみ、2重に折りたたまれた単位膜がDNAを覆った球状器官が細胞内部に入ったという意見がある[37]。
小胞体やゴルジ体は1重の単位膜で構成される。
タンパク質の合成と分泌に関わるこれら小器官に相当する機能を原核細胞では細胞膜と付着するリボソームで行っている。
真核細胞は進化の過程でリボソームを持つ細胞膜の一部を内部に凹ませ、細胞内でのタンパク質合成とゴルジ体そして液胞を使った分泌のメカニズムを獲得したという説がある[37]。
同様に1重単位膜のリソソームも、食作用のため細胞膜の一部を異物を取り囲むように腔を作った部分の変化とも考えられる[37]。
多細胞生物は生命活動の役割を細胞単位で分担しているという特徴がある。
しかし、このように違う各細胞のDNAは基本的に変わらない。
これは、ひとつはDNAの発現部分の選択や後成的な仕組みによってコントロールされる。
これらはエピジェネティックと呼ばれる[38]。
[編集] 細胞の大きさ
地球生物で細胞の大きさを競えるものは卵細胞であり、ヒトが持ちうる最大の細胞も卵子と例外ではない。
特に鳥類が産む大きな卵の黄身は1つの卵細胞に当たり、最大と言われるダチョウでは7,500,000,000,000,000μm3にもなる。
ヒトの卵子は1,400,000μm3に過ぎない[39]。
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