先日、我が家の娘たちは無事に小学校を卒業いたしました。長かったような、短かったような6年間。いろいろありましたが、娘たちの成長を振り返って感慨深いものがありました。
そして来月には中学校へと進学します。長女は特別支援学校へ、次女は地域の公立中学校へと進みます。不安もイロイロとありますが、実りある学校生活になることを祈るばかりです。
その中学校進学なのですが。
実は遡ること2ヶ月前、次女は中高一貫の私立学校を受験いたしました。日頃の成績を考えれば合格の可能性はほぼ0%で期待はしていなかったのですが、社会見学になるであろうと考えて受けさせました。そして予想通り、不合格となりました。
娘がどう感じたかは不明なところも多いのですが、私にとってはこの経験は勉強になりました。学校説明会やプレテストの際に、自分が生きているのとは別の社会階層の方々について僅かながらでも知る機会があったのはよかったです。
上述した「プレテスト」とは、秋に行われた受験の予行演習のようなテストです。本番の受験会場と同様の雰囲気を体験できますし、参加者の中での成績順位も教えてもらえて実力の程度がわかるので、進学を希望される方の多くが来られていたようです。
そのプレテストに付き添っていったとき、子どもたちがテストを受けている間に受験担当の先生から伺ったお話が印象に残っています。
入試問題について、
「満点を取る生徒はいません。
取れないように問題を作ってあります。」
先生はハッキリとそう仰いました。
満点が取れてしまうような設計の問題ですと、満点を取った生徒が複数いた場合に序列がつけられないからです。
例えば、下のグラフ。
テストが100点満点だとして、彼らの得点力がもし上の図の様な状態だったとしたら。本当は100点以上取れるほどの学力があるDさん、Eくん、Fさんは全員、このテストで「100点」までしか取れず頭打ちになるんですね。そしてこの3人の得点力の差異が測れなくなります。
ですから、「誰も満点が取れない難度及び配点設定のテスト」でもって、全員の得点に差が現れるようにするんですね。
「なるほど~」と納得しました。納得したんだけど、これは我が家の娘たちとは全く別世界のお子さん方のお話。私の暮らしの中で、役に立つこともなさそうだなとそのときは思いました。
さて、ここからが本題です。
先週、フィギュアスケートの世界選手権が催されました。
女子シングルの部門では、1年8ヶ月の休養から復帰した韓国のキム・ヨナ選手が驚愕の高得点でぶっちぎりの優勝という離れ業をやってのけました。
準優勝はイタリアのカロリーナ・コストナー選手、3位に吾等が日本代表の浅田真央選手という結果でした。
真央、ヨナ、コストナー、3人の嬉しい「カムバック」 世界フィギュア・女子FS 【スポーツナビ】
優勝者のキム・ヨナ選手は、フリースケーティングの演技構成点において「演技力」で2人、「振り付け」で1人、「曲の解釈」で3人から満点である10.00点の評価を受けていました。今の採点システムになってから女子シングルの演技構成点で満点をつけるジャッジが現れたのは初めてです。それどころか男子でも、ペアでも、アイスダンスでも、まだ満点をつけられたことのある選手はいません。私の記憶違いでなければですが(全ての競技会、全ての選手をチェックしてませんから見落としがないとも言えず)。
(3月23日に訂正:10点満点はペアとアイスダンスで既に出ていたようです。失礼しました。)
私個人の感想としては、キムヨナ選手の演技が満点がつくほどのものだったとは思えなかったのですけれど。
「演技力」「振り付け」「曲の解釈」ですから、ジャッジと私とで芸術に対する理解度が違うのだと言われれば「あーそーですか」ってなもんですね。芸術への評価を言葉で説明してくれと求めても、「野暮」のひと言で蹴られるだけでしょうし。この溝は埋めようがなさそうです。
ま、彼女の演技に対する今回のジャッジの評価が妥当かどうかは私ごときに論ぜられるものでないとして。
最初に説明した入試問題と同様の理由で、満点が出てしまった以上は評価基準を設計し直す必要があるのではないでしょうか。来季になって、もしキム・ヨナ選手が今季以上の素晴らしい演技を披露したとき、「10点なんかじゃ足りない!この演技は11点、いや12点に値する」とジャッジが感じてもその点数がつけられないじゃないですか。
国際スケート連盟(ISU)はどのように対応するのでしょうかね。
天井の改築工事をして、12点満点とか15点満点に改める?
あるいはデノミの要領で1点の価値を上げて、8点とか9点が今までの10点と同価値ってことにする?
あるいは・・・
「キム・ヨナ選手は不世出の天才スケーターですから、彼女に並ぶ選手などこの先もまず現れる心配はありません。だからこのままでいいでしょう。」
ってことで、そのまんま放置しちゃう?
いやはや、どうなるんでしょう。
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トップの画像は「2000ピクセル以上のフリー写真素材集」さんからお借りしました。
スペインはバルセロナにあるサグラダ・ファミリアの写真です。
お子様たちの御卒業おめでとうございます。
不安や心配が尽きないですが、
楽しく明るい中学校生活が送れるといいですね。
テスト、凄いですね。
満点はありえない?って言い切ってしまいますか。
満点取ったらどうするんでしょう?。
最初は満点をとると満足して
更なる向上が無くなるからかな?と思ったのですが
そうではないんですね。
優劣の評価を明確にするためですか......。
その事自体はわかりますが、
なんか教育方針というか、考えがバラバラで付いて行けません。
ゆとり教育で優劣をなくそうとか?(違いましたか?)。
今、また考え方を変えようとしていますよね。
週6日制に戻そうという話も出ているようですし。
実際問題、社会に出ると競争社会なのだから
今の温室で育てるような教育は、
私自身は理解できないのですがね.......。
難易度を持って成績を測る(そのテストの話)。
小学校の成績のつけ方って今はどうなんですかね?。
今でも成績の1~5は%で振り分け?。
私の時代はそうでした。
変な話、全員が100点満点を取っても成績を1~5に振り分けられてしまう成績のつけ方。
色々とちぐはぐで一貫性が無いなぁ~と思ってしまうのです。
スケートのことはまったくわかりません(笑)。
でも、確か減点方式で評価ですよね。
その評価方法にのっとったところでミスが無ければ
満点なのでは?。
ありえないですけれど、
変な話、減点されなければ演技がどうであれ満点。
まぁ~、ありえない話ですがそういうことですよね。
そのうちに採点方法も変わるのではないでしょうか?。
今の採点方法も何年か前に変わったんですよね?。
技術やレベルが上がってきているのだから
そのうちにルールの改正されますよ。
昔なんて、4回転ジャンプなんてありえなかったのですから......。
だから放置はありえないですよ!(笑)。
でも、訳の分からんルール改正でいつも困るのは選手ですがね......。
ルール改正で消えていく選手の多いこと.......。
結局、何でも現場ありきではなくて
勝手に偉い人の思いつきで決めているだけのこと。
先ほどの教育に関しても。
大阪の体罰による、受験中止とか.....etc....etc...。
わが娘たちもいよいよ、中学生です。思春期を迎える娘の成長と向き合う時が来ましたわ。
頑張っていくとします。
ところで、説明に不足があったようで申し訳ない。私立中学の「満点が取れないテスト」は、「入学試験」に限った話だと思います。
平常の中間テストや期末テストでは、そこまで念の入った問題作りをしていないかと。
入学試験には毎年行っていることでデータの蓄積があり、進学塾の模擬試験などの資料も参照しているようなので、100点が取れないように作ることは難しくないと思います。
ゆとり教育は優劣をなくすために取り組まれたわけではなく、「詰め込み教育」と呼ばれた指導要領への批判から発生したものと私は捉えております。そのゆとり教育の狙い自体は評価出来る点もあると思っていますが、結果を見るに失敗でしたね。
現在の日本社会が競争社会であると言うのは事実ですが。より正確に言うなら、「競争させられる階層」と「競争を仕組む階層」に分かれているかと。競争をけしかけることで、より多くの労働力を搾り取っているというのが現状でしょう。
競争は適正なルールの下で行われるべきです。「サービス残業を拒否したら、会社からいびり出される」というような労働市場など許すべきではありません。
フィギュアスケートの採点方式は現在かなり複雑になっていて、とてもじゃありませんがここで説明しきれません。しかしながら減点方式でないことだけは申し上げられます。
「加点」「減点」はありますが、これは「演技力」や「振り付け」「曲の解釈」といった項目の採点においては関係がないのです。
実行された技の「ジャンプ」や「スピン」などのひとつひとつの出来栄えを評価する際に行われます。ジャンプならキレイに回って降りた後もスーッと流れていれば「加点」、今にも転びそうだったり転んじゃったりすれば「減点」という具合に。
私の不勉強で、ペアやアイスダンスで既に10点満点が出ていたことを後になって知りました。しかしそうなるといよいよもって、ルール改定が必要だと思うわけです。
ホント、何とかしてもらいたいです。