12月もあと5日となりました。
既に年末休みに入った人もいるのではないでしょうか。
ワタシはまだ2日ほど仕事を残していますが、
気分は非常にあわただしいですね。
さて、年末といえば、
ボクシング好きには、まさに”書き入れ時”です。
K-1や総合格闘技がかつての勢いを失って以来、
ボクシングが『年末の風物詩』として定着してきました。
毎年たくさんの世界タイトルマッチが、
これでもか、これでもかと開催されるわけですが、
今年も7つの世界タイトルマッチが30・31日の2日間で行われます。
はっきり言うと、
”乱立”というようなこの状態、
『何とかならんものか』と思っているのが本音。
それだけ世界タイトルマッチの権威も落ちてきて、
『世界戦が一挙に組める』ということが如実に表れていることの証拠ですね。
80年前半までだったら、
ボクシングの世界タイトルマッチといえばまさに『一大イベント』で、
ボクシングファンのみならず【大注目】されたものでした。
それが80年代中盤から90年代にかけての『暗黒期』には、
日本のボクシングの実力がぐっと落ち込んで、
世界チャンピオンが一人もいないなんていう時も珍しくなく、
人気も少しずつ落ちて行ったという感じがします。
00年代に入って少しずつ人気を回復してきたかと思いきや、
今度は『階級の細分化と団体の乱立による世界チャンピオンの乱造』と、
『スポーツというよりも、ストーリーを見せるバラエティに近いもの』となったあたりからはもう、
ボクシングというのはかつてのプロレスに近い存在みたいな感じで世間から認知され、
現在に至っていると感じます。
かつての力道山から馬場・猪木の時代のプロレスには、
”真剣勝負とショーのはざま”という、
緊張感と楽しみがないまぜとなった独特の高揚感を感じることができましたが、
一部の『ボクシングショー』と化した現在のボクシングの”タイトルマッチ”は、
なんだかテレビ局のバラエティー班が作るB級モノの匂いがプンプンして、
それがボクシング離れと世間の無関心を生んでいる気がしてなりません。
しかしそんな中で、
かたくなに【本物】を追求してくれているボクサーが存在しているのもまた事実。
そして彼らの戦いが、
どれだけワタシなどのボクシングファンに、
感動と興奮をもたらしてくれているのか。。。。。
そんなまさに『温故知新』のボクシング界にあって、
今年は長谷川、山中が素晴らしい心に残る激闘を見せてくれ、
井上尚弥、村田も着々と『リアルに世界で戦う』準備を整えてくれました。
八重樫はいつものように激闘を繰り広げて『男ども』を熱狂させ、
”日本のエース”に君臨し続けた内山はまさかのKO負けを喫したものの、
大みそかに再起を誓ってくれました。
田口が大きく成長した姿を見せてくれたのも、
心に残っています。
今はまさに、
ボクシングとは『何階級制覇したとか、何回連続防衛したとかではファンは熱狂しない。誰を相手に、どんな激闘を見せてくれたのかということだけに、価値がある』ということが極まってきたような、変化を感じる世界となってきました。
もう決して、
作られたバラエティのような世界戦では、
世間の興味を引いてはもらえません。
ファンからもそっぽを向かれてしまいます。
まさに『ザ・リアル』が求められる中で、
今年の年末の7試合は以下の通りです。
≪ボクシング 世界タイトルマッチ予定≫
12・30
~東京・有明コロシアム~
▼WBO世界Sフライ級タイトルマッチ 12回戦
チャンピオン 同級6位
井上尚弥(大橋) 河野公平(ワタナベ)
▼IBF世界Lフライ級タイトルマッチ 12回戦
チャンピオン 同級8位
八重樫東(大橋) サマートレック・ゴーキャットジム(タイ)
12・31
~東京・大田区総合体育館~
▼WBA世界Sフェザー級スーパータイトルマッチ 12回戦
チャンピオン 同級3位
ジェスレル・コラレス(パナマ) 内山高志(ワタナベ)
▼WBA世界Lフライ級タイトルマッチ 12回戦
チャンピオン 同級3位
田口良一(ワタナベ) カルロス・カニサレス(ベネズエラ)
12・31
~岐阜メモリアルセンター~
▼WBO世界Lフライ級王座決定戦 12回戦
同級2位 同級1位
田中恒成(畑中) モイセス・フエンテス(メキシコ)
12・31
~京都・島津アリーナ~
▼WBA世界フライ級王座統一戦 12回戦
正規王者 暫定王者
井岡一翔(井岡) スタンプ・クラティンデーンジム(タイ)
▼IBF世界Sバンタム級タイトルマッチ 12回戦
チャンピオン 同級5位
ジョナタン・グスマン(ドミニカ) 小國以載(角海老宝石)
なんといっても、期待と注目が集まっているのがWBOスーパーフライ級の井上尚弥と河野の戦いでしょう。
河野は昨年の秋に亀田興毅を破りWBAの同級タイトルを死守したものの、今年陥落してこの試合は引退をかけた再起戦。
しつこく攻めてくる河野に対して、井上がどうさばくのかに注目が集まっています。
ここ数戦、試合の中で拳や腰の痛みを発症して、自分らしい戦いができていない井上尚弥。
来るべきロマゴン戦に向けて、しぶとい河野との対戦はいい試金石になるところでしょう。
八重樫、田口はしっかりと勝って新年を迎えてもらいたいところです。
一方春にタイトルを奪われた相手にリベンジマッチを挑むのは内山。
普通にやれば負ける相手ではないと思いたいのですが、果たしてどうなるのでしょうか。
内山のバズーカ炸裂をなんとしても見たいと思っています。
さあ、
今年もボクシングでしっかりと年を締めてもらいましょう。
いい戦い、記憶に残る戦いを、
各選手には期待しています。
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