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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

夏の甲子園2024  準決勝 しびれる1点差の凌ぎ合い。

2024年08月22日 | 高校野球

第106回全国高校野球選手権大会

【準決勝】
第1試合 関東一(東東京)2-1神村学園(鹿児島)

神村学園 000 100 000 ー 1
関東一  000 000 20 ✕ ー 2


準決勝第一試合は、堅守の関東一と強打の神村学園の対決。
 
試合の入りがポイントになると思われましたが、関東一の先発はなんと今大会初登板の大後。
この大後、東京の大会を見ている者にとっては、なかなかの好投手だということは分かっていますが、
何せ今大会は一度も使われていなかったので、
「大丈夫か?」
というのがさきに立ってしまいましたね。
 
そして立ち上がりの最初のバッターに四球。
正直ワタシ、
「あゝ、これは神村の速攻にやられるかもなあ」
という思いが頭をよぎりました。
 
しかしここをなんとか抑えると、
その後は140キロに達する質のいいストレートがなかなかよく決まるいいピッチングになってきました。
 
先制点は与えたものの、
5イニングをわずか1失点に凌いで、
米沢監督のゲームプラン通りの試合に持ってきた功績は、
本当に大きかったです。
 
しかしながら、
関東一、誤算もありました。
 
あまりにも相手エース、今村を打てなかったこと。
なんと6回まで無安打。
連続四球でもらった6回の1死2.3塁のチャンスにも中軸にタイムリーは出ず無得点。
 
ここまで打たないとは、
思っていなかったことでしょう。
なんとなく球場の雰囲気も、
「このままかな?」
という空気に変わってきていました。
 
しかし6回からマウンドに上がった守護神・坂井のピッチングが、
チームに勇気と気迫をもたらします。
 
迎えた7回裏。
今大会当たっている越後が初ヒットを打ってベンチの重い空気を取り払うと、
1死2塁から女房役の熊谷が一塁線へ歓喜の同点タイムリー。
 
3塁に進んだ熊谷、
続く市川のセカンドゴロを名手・増田のまさかの後逸で逆転のホームイン。
 
この回イッキの攻めで、
関東一は逆転に成功しました。
 
この終盤でのリードを守り切るのが今大会の関東一の野球。
マウンドには坂井。
誰もが願ったシチュエーションです。

坂井はこの日もスイスイと気持ちよさそうに投げ、
1点差を守って9回1死までやってきました。

しかしここから神村が魂の反撃。
岩下、上川床の当たっている5・6番が連打で1・2塁。
2死となって、
この土壇場で神村は、
代打にこの大会、地方予選からまだ1打席も立っていない玉城を代打に送ってきました。

まったくどんな打者かわからないこの代打。
しかしこの土壇場で起用されるからには、
何かがあるはずだ?

そんな予感をはらんでの打席。
1,2球を簡単に見逃し追い込まれますが、
ここから1球ファールを放って落ち着きを取り戻した模様。

そして最後の球。

坂井渾身の速球が中に入ってきたところを、
玉城のバットが一閃。
打球は糸を引くようにセンター前へ!!

「同点だっ!」

両ベンチが身を乗り出す中、
岩下は3塁を回る。

ここで関東一のセンター飛田、
前にダッシュして打球を捕ると、
ホームへ矢のようなノーバウンド送球。

送球はキャッチャー熊谷のミットに吸い込まれ、
ランナー岩下は本塁寸前、
無念のタッチアウト。

最後の最後も関東一の堅い守備からビッグプレーが飛び出し、
1点差を逃げ切り、決勝に進出しました。


まさに野球でず~っと言われていた、
「打ちも打ったり、捕りも捕ったり」
という究極の場面でしたね。

野球の面白さが、
ギュッと凝縮したような一瞬でした。

逃げ切った関東一も、
惜しくもあと一歩届かなかった神村学園も、
素晴らしい戦いでした。

勝負を分けるのは、
ほんの一瞬なんだということ、
思い知らされたような準決勝の第1試合でした。


第2試合 京都国際(京都)3-2 青森山田(青森)

京都国際 000 003 000 ー 3
青森山田 200 000 000 ー 2


準決勝は、
第2試合も大熱戦になりましたね。

選抜の再戦となった青森山田と京都国際の対決。
その時は青森山田がサヨナラ勝ちを収めていますが、
この試合は逆の結果となりました。

試合は青森山田の先制パンチで始まりました。
まずは先発の下山がしっかりと初回を抑えた裏の攻撃。

京都国際の中崎の調子が上がらず、
1・3番に四球を出しての1死1・2塁から、
主砲・原田にタイムリーが飛び出し先制。

さらに吉川の犠牲フライとたたみかけて2点を先制しました。

3回も青森山田は、
相手ミスから無死3塁のチャンスを迎え、
ここでクリーンアップを迎えますが、
ここでクリーンアップ3人が倒れて追加点はならず。

試合を振り返ってみると、
ここで得点できなかったことが、
青森山田にとっては本当に痛かった。

もし3点目が入っていたら、
試合は青森山田が楽に逃げ切っていたであろうと思われてなりません。

京都国際は、
好調の打線が下山のキレのある速球と変化球のコンビネーションを全く捕らえられず、
散発でヒットは出るもののそこまで。

5回を終わりクーリングタイムに入るとき、
試合の流れは一方的に青森山田に傾いていました。

しかしその流れとは逆に、
得点は初回の2点のみ、
得点差はわずか2点。

試合の流れがちょっとでも変われば、
一気にひっくり返る点差で、
いろいろな予感をはらんで京都国際の6回の攻撃が始まりました。

6回の表の攻撃は、
いわば「試合で2回目の、立ち上がりのようなもの」で、
各監督さんが一番気を付けるのもこの6回の表。

そんな中、
青森山田は満を持して大エース・関をマウンドへ。

席は1番金本を三振に打ち取り「いい立ち上がり」に見えましたが、
続く2番、3番に連続ヒットを浴び、
さらに4番に死球を与えてあっという間に満塁。

「まだしっくりいっていない立ち上がり」
を鋭く狙われてピンチを迎えます。

ここで今大会当たっている長谷川が登場。
長谷川は低めをうまく拾ってライトへのタイムリー。
あっという間に京都国際が同点に追いつき、
さらに1死1・3塁から、
打者の放ったピッチャー強襲のゴロで3塁ランナーが還りついに逆転。

関にとっては、
何をやっているのかわからないスキに、
あっという間に逆転されたというところでしょうか。

京都国際の「機を見て敏」な攻撃は見事のひとこと。

そして逆転すると、
2番手の西村の左腕が、
冴える冴える。

青森山田にほとんど反撃のスキを与えず、
スイスイと9回まで投げ切って、
京都国際が初の決勝進出を決めました。

春負けた悔しさから、
「打倒関」
を合言葉に、
全国の好投手を打つ練習を重ねてきたという京都国際。

まさかの「リアル関」からこの大逆転勝利。
痛快無比の勝利でしょうね。

やってきたことが、
これほど目に見える形で成果につながるなんてこと、
なかなかないと思いますが、
それをやってのけて、
この勢い、ちょっと止めようもないほど加速しています。


それにしても、
2試合とも、
最後の最後まで分からない素晴らしい試合でした。

この戦国大会を象徴するように、
決勝に残ったのはお互い夏初めての決勝進出である、
関東一と京都国際。

決勝はどんなゲームになるのか、
ホントわかりません。

両チームともに分厚い層の投手陣を持ち、
守備はこれ以上ないぐらい固く、
足を使った攻撃を得意とします。

決勝もこれまで同様、
試合の主導権を握った方が、
有利に展開していくと思われます。

さあ、
どうなるのでしょうか。


それにしても。。。。

平日なのが惜しい。

土日なら、
満員で立錐の余地もないほど、
観客が押しかけそうなのにね。



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