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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

選抜出場校 こんなこと思い出しました2018 その6

2018年03月06日 | 高校野球

思いつくまま、気の向くままの連載記事。
最終回は『九州+21世紀枠編』です。
21世紀枠の各校については、思い出は皆無なのでその周辺にまつわる思い出を。


≪選抜出場校の思い出6≫


九州代表  創成館(長崎)       3度目(4年ぶり)
                            夏1度出場  甲子園通算1勝3敗

近年ぐっと力を伸ばしてきた創成館。現在の稙田監督就任後、ずっと強豪として県内上位の常連となりました。創成館と聞いてまず思い浮かぶのは、九州大会で何度も選抜に手をかけながら、その都度逃してきたという悔しい歴史とリンクして・・・ですね。その創成館が歓喜の初めての甲子園の土を踏んだのは2013年の選抜。そして翌14年も連続出場して、確固たる足跡を残してきました。夏も15年に初出場し、ついには初勝利を挙げることができました。つまりは、3年間連続で各年代のチームが甲子園までたどり着いたということです。昨年は春夏とも県大会で敗れ、4年ぶりに悔しい年を過ごしましたが、その悔しさを持った現在のチームが秋季大会で県大会、九州大会を相次いで制し、勢いに乗って明治神宮大会ではあの大阪桐蔭をも倒すという大金星。ひょっとしたら、この大阪桐蔭のチームに土をつけた「唯一の存在」になる可能性もあります。(大阪桐蔭がこの後無敗ならば)
今までの3回出場のチーム、残念ながらほとんどその戦いぶりがワタシの脳裏に浮かんでくることはありません。良くも悪くも、アクのないチームのような気がします。言葉を換えれば、印象の薄いチームです。しかし今年のチーム、昨秋の段階では「これがあの創成館なのか」と驚くようなしっかりとした野球をやっていました。投手陣もそろっているし、打線の破壊力は抜群。これまでの創成館の歴史をガラッと変える、強力なチームだと思います。関係者の期待は、いかばかりでしょうか。楽しみな春となります。


九州代表   富 島(宮崎)        初出場
                             夏出場なし   

昨秋、富島高校が九州大会で快進撃を続け準優勝。選抜を確定させたと聞いて、ワタシは「富島?どこの学校?」と思ってしまいました。高校野球おやじを自負しているワタシも、まったくノーマークの存在、それが富島高校でした。しかしそれこそが高校野球の面白さ。『どこの学校?』と思われたチームが甲子園で伸び伸びと戦い、甲子園の歴史にしっかりとその名前を刻んだ例は、枚挙に暇がありません。特にかつての四国では、まったくの初顔が快進撃を起こすこと、よくありました。”イレブン”池田は初登場ではありませんでしたが、”24の瞳”中村や川之江、そして初登場で優勝をさらった伊野商や観音寺中央など、かつては本当にこういった例が多かったですね。最近ではなかなかそういう例も少なくなりましたが、この富島高校、甲子園のファンが大好きな「公立の無印良品」のにおいが、プンプンしますね。率いるのは宮崎商を率い甲子園で指揮を執ったこともある浜田監督。いったいどんな戦いをしてくれるのか、楽しみです。



九州代表   延岡学園(宮崎)     3度目(12年ぶり)
                                夏7度出場 甲子園通算 6勝9敗 準優勝1回     

延岡学園といえば、なかなか甲子園でドラマを起こすチームというイメージです。なんといっても2013年の快進撃が印象深いですね。エースを県大会前に失いながら、残った3人の投手が「3本の矢」を形成してがっちりとマウンドを守り、それを打線が鋭く援護する好チームでした。特に準々決勝の富山第一戦は忘れられないですね。カクテル光線の中、ピンチの9回、ゲッツーで切り抜けたと思いきや、プレーの前に外野線審からタイムがかかっておりそのプレーは無効。そんな大ピンチにも、マウンド上の奈須投手が気迫の投球を見せて切り抜け、今度は相手のゲッツー崩れのエラーでサヨナラ勝ち。劇的な試合でした。その選手たちを盛り上げたのが、あまちゃんのテーマに乗せてノリノリの応援を繰り広げたアルプスの応援団。あのノリのいい応援、今でも耳に残っています。その2013年に、県勢初の決勝進出という大ブレークを果たした延岡学園ですが、その前から何度か甲子園で印象に残るゲームを繰り広げています。2010年には初戦で大分工と激突。相手のプロ注目の好投手である田中投手を打ち崩してサヨナラ勝ち、2回戦では強豪の仙台育英に対して序盤からものすごい打撃戦を展開。最後は屈しましたが、ワタシは13年も10年も、甲子園で延岡学園のゲームを見る機会に恵まれましたので、「このチームは本当に、激闘を生むすごいチームだな」という刷り込みを、すっかりされてしまいました。延岡学園は、この10年の初戦で勝つまで、甲子園では初出場の78年に勝ったきりの8連敗を喫していましたが、この10年のサヨナラ勝ちがチームの重苦しい雰囲気を取り去ってくれたのだろうと思います。78年から10年までは「甲子園で連敗」を喫していましたが、その中でもいろいろな選手が甲子園で躍動していたという歴史もあります。有名なのは元ロッテの”ジョニー”黒木投手。彼は94年の試合で2番手で登場。のちに黒木が大投手になった後に、「実は高校時代は甲子園で投げていて・・・・」とこの試合が紹介されたりしていましたが、ワタシは全く彼のこと、思い出せませんでしたね。(ということは、高校卒業後に、ものすごく投手として成長したということですね。) 一方00年には、その後ドラフトされる左腕エースの神内を擁して、東海大浦安とものすごくしびれる投手戦を展開しました。そんな中で、ワタシが妙に覚えているのは、初出場の78年夏、延岡学園が初出場初勝利を挙げた初戦の石動戦ですかね。「高校野球どっぷり」のワタシにとって、この相手校である富山県の石動高校の名前が読めずに、それゆえに妙に気になっていました。「いするぎ」と読むのだと知ったのは、甲子園を決めた日のNHKニュース映像とともに。その石動、1年生の下手投げエース・広沢投手がマウンドに君臨。実はこの大会、横浜の愛甲も”1年生エース”として登場していて、この広沢投手も注目されていました。ピッチング内容は「いかにも1年生投手」という感じでしたが、延岡学園はこの下手投げの技巧派にタイミングが全く合わず、8回までゼロ行進でしたね。ワタシはワクワクしながら、「もしかして石動、勝っちゃうかも!」と試合を見ていた思い出があります。結局8回に延岡学園が逆転するのですが、この試合、今から考えると、良くも悪くも「昭和の高校野球」そのもので、今のレベルの上がった各チームの戦いからは想像できないこじんまりとした戦いだったのですが、この試合を昔よく言われた表現で形容するならば、「実に高校生らしい好ゲーム」といったところでしょうか。延岡学園に絡めて、そんなことも思い出してくれました。40年前に、意識が飛んじゃいました。



九州代表   東 筑(福岡)     3度目(20年ぶり)
                                夏6度出場  甲子園通算 3勝8敗 

昨夏21年ぶりに夏の選手権出場を果たした東筑。古くは仰木監督を生んだ学校として、そして福岡屈指の進学校として、小倉と並んで文武両道の強豪校として福岡県の高校野球界を引っ張ってきた存在の学校です。東筑というと、いろいろ甲子園に足跡を残してきた学校ですね。前回夏の甲子園に出場した96年、確かこの大会で、東筑の女子マネの娘が甲子園でベンチ入りしたんですっけ。(うろ覚え)その前、85年の選抜には、その年ドラ1でプロに進んだ桧山投手を擁して期待されました。この桧山投手はバリバリの右腕本格派でしたが、東筑というと何か、横手投げだか下手投げの好投手という印象もあったりしますね。昨夏、今年のエースである石田投手もそうですね。96年夏に1勝を挙げた石田投手も、確か横手(?)投げだったような。87年夏に習志野に延長で敗れた時のピッチャーはどうだったかな?相手の習志野のエース綿貫投手は、確か横手投げ。78年夏の2回戦、日大二に延長13回サヨナラ勝ちし、13イニングを完封した石田投手も、下手投げだったなあ。。。。そういえば、あれも石田、これも石田。。。。3世代にわたって横手(下手)投げのエース、石田投手で甲子園をつかんでいるんですね。面白い系譜です。福岡というと、昔から野球どころでもあり、私学の全国的な強豪が数多存在する地区です。そんな中で、この東筑や小倉などの質実剛健、文武両道の骨太の学校が時折出場したりすることが、実にいいスパイスを効かせてくれている気がしますね。「公立伝統校の力」しっかりと甲子園で発揮して、昨夏なしえなかった甲子園1勝を、つかみ取ってほしいものです。




21世紀枠  由利工(東北・秋田)     初出場
                               夏出場なし  

今年の21世紀枠の一校目は、秋田の由利工。今年は秋季大会で秋田3位の実績を残し、東北大会に出場。そこでも1勝を挙げ、選抜をつかみ取りました。由利工と聞いて、ワタシもいろいろと思い出してみたり、記録を紐解いたりしましたが、本当に全くこれまで、触れたことのない学校でした。したがって思い出と呼べるものはありません。しかしそんな、まったく知らない学校が登場するのを楽しく待てるのも、甲子園の良さですね。昨年の選抜では、部員が少ない岩手の不来方が出場し、なかなかのゲームをやってファンを沸かせてくれました。由利工にも、どうかそんな「一生に1回の場所」で、伸び伸びと試合を楽しんでほしいと思っています。人生の宝物の瞬間を、胸に刻み付けてほしいですね。





21世紀枠   伊万里(九州・佐賀)      初出場
                               夏出場なし

この伊万里高校も、ほとんど知らないチームです。地域への貢献度が高いということで、21世紀枠を射止めたようです。監督さんのプロフィールを見ると、北方投手を擁して夏の甲子園に出場した唐津商で、指揮を執っていたということ。甲子園経験もあるということですね。今年は同じ九州から、富島高校も出場します。この伊万里高校も、富島と同様に「経験豊富ないい監督に恵まれ、力を伸ばしてきたチーム」という感じがあり、今後も躍進できる素地がありますね。頑張ってほしいチームです。




21世紀枠   膳所(近畿・滋賀)    4回目(59年ぶり)
                             夏2回出場  甲子園成績 0勝5敗 

21世紀枠3校。そのうち2校は、これまで聞いたこともない初めて触れる学校でした。しかし、残った一つの高校が膳所と聞いて、昨年の中村や桐蔭、土佐などが出場した時と同じような胸の高鳴りを感じます。かつてこの膳所高校、3度の選抜出場がありますが、その3度については、年代的に全くと言っていいほど覚えてはいません。しかしながら、夏に登場した2度については、鮮烈な思い出として心に深く刻み込まれています。まずは72年。この時は広陵に0-9の大敗。当たる相手が悪かったなあと思いながら、純白のユニフォームで胸にZのマーク、これが強烈な思い出として残っています。はっきり言うと、試合内容なんて、さっぱり覚えちゃいません。とにかく、胸のZ。これがかっこよかった。そしてその次に登場した78年も、試合は”東の横綱”と言われた桐生にまったく勝負にならずに0-18の大敗。この時もワタシは、「お~またあのZのチーム、出てきたのか~」なんて、妙に興奮していました。試合内容なんて、どうでもいいっちゃあいい、そんな感想でした。あのZの純白のユニ、大敗の中でも、甲子園の緑の芝生に、きらりと映えていました。そのことだけは、頭に刻み込まれています。それ以来の登場。滋賀県内有数の進学校だけに、野球の力を落としても「仕方ないなあ」と思っていたのですが、あのZのユニをまた甲子園で見られるなんて、こんなに幸せなことはありません。いろんな学校が甲子園という聖地に登場するのですが、その印象は本当に様々で、ただすごいチームだから印象に残っている高校もあったり、好投手や強打者が印象に残っていたり。ある大会でのあり得ないような快進撃がいつまでも印象として残っているチームもあれば、そのキビキビとした戦いぶりが脳裏から離れないチームもあります。そんな中で、ユニフォームで語るチームというのもまた、甲子園に強烈な印象を残すチームといえますね。様々な学校が集うこの甲子園ならではの、楽しい時間です。どの学校にも、頑張ってほしいです。膳所には今大会で、とりあえず”1点”を挙げてほしい。勝敗は、それから。また鮮烈な印象を残してほしい、そう強く願っています。



ということで、今年も6回にわたって、
あ~だこ~だと言ってきた連載、終わりにします。
今年もまた、書いちゃいました。

今年は平昌五輪があったので、
これは書くのをやめようと思っていたのですが、
3月の声を聴いて、やっぱり書きたくなってしまいましたね。

選抜まで1か月を切りました。
もう各出場校も「冬トレ」の時期は終わり、
いよいよ実戦モードに入ってきているころだと思います。


今年は果たしてどんな大会になるのか。
巷間言われているように、
大阪桐蔭が圧勝で選抜連覇を達成するのか。

こんな「鉄板の優勝候補」がいる大会は、
KKコンビのPL学園の時代か、
それとも松坂で「1年間公式戦無敗」だった横浜の時代ぐらいしか、
記憶にありません。

ああ、また野球の季節が今年も、
始まるのですね。

しばらくしたら、今年も選抜の予想も書きますので、
また見てください。それでは。

(おわり)

 


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