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記録から振り返る高校野球  ~過去36年の戦績による、近年の傾向~ ≪まとめ1≫

2015年09月22日 | 高校野球名勝負

さて、9回にわたってお送りした、
記録から振り返る高校野球。

昨年、今年の大会を見て、
単純に『高校野球の傾向、変わったのかな?!』と思ったのがきっかけで、
勝敗の記録をひもとくことによってその傾向を考察しました。

最後は、そのまとめです。


≪記録から振り返る高校野球≫

1.各年代における勝率ランキング

<colgroup> <col width="85" /> <col width="65" /> <col width="25" /> <col width="93" /> <col width="72" /> <col width="21" /> <col width="104" /> <col width="72" /></colgroup>
2010年代ランク            
【春勝率】     【夏勝率】     【春夏合計勝率】  
1.北海道 0.600   1.関東 0.619   1.関東 0.599
2.東海 0.595   2.東北 0.576   2.東北 0.537
3.関東 0.566   3.近畿 0.541   3.近畿 0.520
4.北信越 0.522   4.北信越 0.492   4.北信越 0.500
5.近畿 0.500   5.九州 0.472   5.東海 0.473
6.四国 0.471   6.四国 0.368   6.九州 0.464
7.九州 0.449   7.東海 0.351   7.四国 0.417
8.東北 0.444   8.中国 0.348   8.北海道 0.412
9.中国 0.217   9.北海道 0.167   9.中国 0.304
               
2000年代ランク            
【春勝率】     【夏勝率】     【春夏合計勝率】  
1.東海 0.557   1.近畿 0.580   1.近畿 0.556
2.四国 0.547   2.関東 0.548   2.四国 0.544
3.近畿 0.530   3.四国 0.541   3.関東 0.526
4.関東 0.492   4.東海 0.494   4.東海 0.521
5.東北 0.491   5.北海道 0.486   5.九州 0.483
6.九州 0.488   6.九州 0.480   6.東北 0.473
7.中国 0.475   7.東北 0.464   7.中国 0.449
8.北信越 0.410   8.中国 0.432   8.北海道 0.423
9.北海道 0.294   9.北信越 0.375   9.北信越 0.387
               
1990年代ランク            
【春勝率】     【夏勝率】     【春夏合計勝率】  
1.近畿 0.568   1.近畿 0.586   1.近畿 0.576
2.関東 0.553   2.関東 0.563   2.関東 0.559
3.四国 0.517   3.四国 0.547   3.四国 0.534
4.中国 0.500   3.九州 0.547   4.九州 0.528
5.九州 0.487   5.北信越 0.432   5.中国 0.445
6.東海 0.444   6.東海 0.431   6.東海 0.437
7.北信越 0.429   7.中国 0.405   7.北信越 0.421
8.北海道 0.294   8.東北 0.341   8.北海道 0.319
9.東北 0.160   9.北海道 0.333   9.東北 0.302
               
1980年代ランク            
【春勝率】     【夏勝率】     【春夏合計勝率】  
1.四国 0.617   1.近畿 0.626   1.四国 0.583
2.関東 0.551   2.関東 0.554   2.近畿 0.566
3.東海 0.508   3.四国 0.552   3.関東 0.553
4.北信越 0.500   4.九州 0.540   4.東海 0.500
4.近畿 0.500   5.東海 0.494   5.九州 0.496
6.東北 0.487   6.中国 0.473   6.中国 0.471
7.中国 0.475   7.東北 0.362   7.東北 0.398
8.北海道 0.381   8.北海道 0.231   8.北信越 0.327
9.九州 0.371   8.北信越 0.231   9・北海道 0.298
               

 

まず、過去36年間での、9地区における勝率の動向から。

80~00年代までの30年間においては、
関東、近畿、四国の3地区がダントツの安定感を誇っており、この3地区が『高校野球3強』と言える。
この3地区で30年間1~3位を独占しており、いずれの地区のいずれの年代でも、
.500を大きく超える実績を残しているのはさすがだと言える。

関東は80年代の3位から始まり、2位、3位、そして1位と、確実な戦績を残した。
近畿は80年代にKKのPLなどの活躍で2位、それ以降1位、1位、3位と推移して来ている。
どの年代にも『核になるチーム』の存在があり、大きく勝ち数を伸ばして来た。
四国は70年代以降『野球どころ』としての地位をガッチリと固め、池田の大活躍が特筆される80年代に1位、90年代3位、00年代も2位と着実に歩みを進めてきた。優勝回数も、4県しかない地区ながらとても多い。しかし10年代に入り、この6年では初めて勝率5割を大きく割り込む.417で9地区中7位と低迷。東北・北信越をはじめとした他地区との対戦の中で、かつてのような優位性を出せなくなってきている。

”3強”以外では、
東海が4位→6位→4位→5位と確実な戦績だ。しかも、どの年代でも確実に5割近い勝率を残し、安定感という点では特筆される。
九州は優勝回数がかなり多いが、県によるばらつきも大きく、5位→4位→5位→6位と推移して来ている。常に5割前後の実績だが、優勝回数も多い沖縄をはじめとした『勝てる県』と『低迷する県』の勝率の差が大きいのが特徴だ。

ここのところ実力をあげてきた東北は7位→9位→6位→2位と飛躍的にその実績をアップさせている。勝率は、80年代、90年代は3割台だったものが、00年代で.473に大幅アップ。そしてこの6年間、なんと.537で関東に続き2位の実績を残し、イメージだけではなく、数字上からもキッチリと『強豪地区』の仲間入りを果たしたことが実証されている。
北信越は東北ほど顕著ではないが、8位→7位→9位→4位となってきており、10年代からの6年間では、初めて勝率が5割を超えた。東北に遅れること10年ほど、いよいよ北信越も、今後の大飛躍への足掛かりをつかんだということが言えそうだ。
北海道は9位→8位→8位→8位と『低値安定』にとどまっているが、00年代の駒大苫小牧の連覇、そして3年連続決勝進出や、15年春の東海大四の選抜準優勝など、時折キラリとした光を見せてくれる。課題は何と言っても初戦突破率。鬼門の初戦突破に向けて、北海道全体で何か対策を打つべきだ。
最後は中国。常に4割台中盤の勝率を残してはいるが、6位→5位→7位→9位と低迷を抜け出すどころか、やや深みにはまっている感がある。特に広島を除いた4県の勝率低迷は深刻で、ここらで強化策を打ち出さないと、追い上げ急な東北、北信越勢の後塵を、常に拝することにつながっていくかもしれない。


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