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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

両国は燃えているか?!

2018年03月02日 | ボクシング

≪ワールドプレミアムボクシング27≫ ~両国国技館~ 

◇WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦

 前チャンピオン               同級1位  
 ルイス・ネリ(メキシコ) 〇  TKO  ●  山中慎介(帝拳)
              2R 1分3秒
*ルイスネリは、体重超過につきタイトルは剥奪。


◇IBF世界Sバンタム級タイトルマッチ12回戦

 チャンピオン                   同級13位
 岩佐亮佑(セレス) 〇 12R判定  ● エルネスト・サウロン(フィリピン)

 


山中慎介のリベンジマッチであるWBC世界バンタム級タイトルマッチが両国国技館で行われ、
山中は体重超過でタイトルを剥奪されたルイス・ネリに2RでTKO負けを喫しました。

一方的にボコボコにされ、
山中は試合後引退を表明。

なんとも悔しく悲しい、
そんな結末となってしまいました。

言いたいことは1つや2つではありません。
ルイス・ネリは『ボクサーの風上にも置けない野郎』だということは、
試合前と全く変わっていません。

しかし結果として、
その『クソ野郎』に、
日本が誇る名ボクサーの山中が、
キャリアを終わらせられた。

この重い事実だけが残り、
なんとも後味の悪い結果となりました。

前回の負け同様、
今回の衝撃のKO負けは、
『山中慎介』というボクサーを思い出すたび、
ワタシの脳裏に浮かんでくることでしょう。
多分多くのボクシングファンも、
そうなんじゃないかな。

それが本当に、
ワタシにとっては嫌なこと。

山中ほどの素晴らしいボクサーを思い出すとき、
昨日の試合がまず浮かぶなんて。。。。。。
あり得ない。


でもボクサーって、
ほとんどの選手が「負けてそのキャリアを終える」のだから、
その最後の試合の映像が強く印象付けられるのって、
ある意味宿命なのかな。


それにしても、
因縁の試合となった昨日の試合。

試合前の会場の雰囲気は、
なかなかのものでした。

ぎっしり満員に埋まった両国国技館。
見に来ているすべての人が、
もちろん前日に起こった「ネリの体重超過による失格。王座剥奪」
という事実を知っていたことでしょう。

あり得ないようなリミットの2.3キロ増という『2階級上の体』で公式計量に現れたネリ。
それを見て「この試合のみにすべてをかける」と宣言してきた山中は、
「ふざけんな・・・・」とものすごい形相でネリをにらみ、
その後涙を浮かべて控室に引き上げてしまいました。

そもそも前回の対戦でドーピングが発覚したネリは、
今回もまた山中を、そして日本のファンをあざ笑うような行状を起こし、
それでもリングに上がってきたのでした。
重い体重とともに。

巷間言われていることとしては、
今回のネリは完全に確信犯だということ。

まあ、
前回のドーピングだって、
確信犯を疑う余地はないのですが、
今回は最初から体重超過を受け入れながらの試合だったということですよ。

まあ、
もうバンタム級のリミットまで落とすのは、
かなりしんどかったということでしょう。

そして勝ってもその後王座を返上して階級を上げるということを考えていたとしたら、
今回「体重超過」で失格、剥奪になったとしても、
ネリにとっては痛くもかゆくもない。

しかも失格によって、
ファイトマネーまで剥奪されることはないんですから。。。。

要は日本まで、
チャンピオンベルトを防衛しに来たんじゃなくて、
金を稼ぎに来ただけってことですよ、実際。

そして目論見通り、
しっかり稼いで帰っていきましたよ。
重~い体重の「ハンディキャップマッチ」で、
山中をボコボコにしてね。


本当に、
この試合に関して言えば、
胸糞の悪さだけしか残っていませんね。


それにしても昨日の両国、
山中への大歓声とともに、
ネリに対しては大ブーイングでした。

タイトルマッチどうのこうのではなく、
『日本人の琴線に触れる』
ボクシングの試合だったからに他ならないでしょう。


好き放題にやりやがる悪漢に対して、
われらのヒーローが傷ついた体をおして立ち上がってくれた!!!


なんてわかりやすい、
勧善懲悪の物語なんでしょうか。


これがフィクションの世界ならば、
最初はボコボコにやられていながらも、
最後の最後にはヒーローが立ち上がり、
悪をボコボコにして……
ということなんですが、
まあ「事実は小説より奇なり」とでも言いましょうか、「THE REAL」とでも言いましょうか。。。。。

御覧の通りになってしまったわけです。


しかしながら、
他国でのボクシング興行などにも何度か足を運んだことがある身として言えば、
「やっぱり日本人は優しいなあ」
という感想を持ちました、ね。

ブーイングされていたとしても、
ネリが身の危険を感じることとか、
まったくなかったでしょうね。
余裕かましてました。
こいつに『日本人は甘いから、なんてことね~よ』とでも思われていたとすれば、
本当に腹の立つ話ですが。。。。。

大相撲のときみたいに、
座布団投げてやりゃあよかったかな??

そんなことを悔しさに紛れて、
帰りの道すがら考えたりしていました。
「これが日本の、やり方だ~」ってね。


でも山中選手。

本当に素晴らしいボクサーでした。

あの岩佐選手との激闘から山中選手の試合を見ていますが、
あれからまる7年。

いくつもの素晴らしい戦い、
【神の左】での鮮烈なノックアウト勝ち。
たくさん見せてもらって、
本当に楽しい時間を過ごさせてもらいました。

岩佐選手との激闘のときのブログ
https://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/47a984f58f4b6ed2748ea38d4acab497


岩佐選手との試合、そして世界タイトルを戴冠した時の試合も良かったですが、
タイトルを防衛するたびに強さをどんどん身にまとい、
神々しいオーラをも身にまとった山中チャンプの試合を見るの、
本当に楽しみでした。


その素晴らしい戦いの数々、業績は、
決して色あせることなく、
日本のボクシング史にいつまでも燦然と輝くものでしょう。

今はただゆっくりと休み、
これからは日本のボクシング界のために、
また力を尽くしてほしいと思っています。


サヨウナラ


そんな言葉は全く似合わない。

またいろいろなシーンでお目にかかることを、
楽しみにしています。


神の左


誰にも真似できない、
山中慎介の【必殺技】でした。


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