SPORTS! SPORTS! 寝てもさめても

16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第92回全国高校野球 先行逃げ切りの極意

2010年08月15日 | 高校野球
1週間のご無沙汰でした。
その間、
夏の甲子園が熱狂の渦を巻き起こしている中、
ブログで書きたい記事が山ほどあるのに・・・・
旅行に行っておりました。

しかし、
前半の4日間は"甲子園"に出没。
現場の雰囲気をかみ締めながら、
試合を堪能していました。

観戦した試合の"アーカイブ"はまたおいおい書いて行こうと思います。


さて、
昨日注目されたのは、
伝統校対決である早稲田実vs中京大中京
でした。

両校ともに全国にたくさんのファンを持つ伝統校。
今大会は、
早稲田実が28回目、中京大中京が26回目。
いずれも春・夏に優勝経験を持ちます。

そして、
記憶に新しいところでは、
中京大中京の昨年の全国制覇。
早稲田実は4年前の斎藤投手での全国制覇。

隆盛を誇った昭和の時代を経て、
やや低迷期に入っていた平成時代から、
近年鮮やかな復活を遂げた、
と言っていい両チームです。


中京大中京といえば、
ワタシは思い出すのが昭和53年のPLに大逆転負けを食らったチームと、
昭和57・78年に豪腕・野中投手を擁して池田の猛打に食らいついたチームの二つです。

中京のイメージといえば、
大柄な選手をそろえた大型チーム。
投手は右の豪腕で、
パワフルに相手を打ち砕いていく、
というものです。

去年のチームは、
まさに”ザ・中京”といえるような豪快さを持ったチームでした。

今年はそのポスト年ということで、
チーム自体の力はやや小粒という感じもしましたが、
昨年の"残像"が相手チームに残るため、
有利な戦いぶりが出来ていたように感じました。

昨日の戦いでは、
やはり森本投手が本調子でなかったのが響いたと思います。
初回の7点は、
やはりダメージが大きすぎましたね。


早稲田実は、
私が最初に見たのが昭和50年に、
15年ぶりに甲子園に登場したチームでした。

そのチームから名門は和田監督の元復活し、
日大勢に押されていた流れは一変、
東京の高校野球の盟主となっていきます。

ここから昭和55年までは、
早実は完全に打撃のチーム。
予選では昭和53年の決勝で、
今でも語り草となっているような大逆転勝利を挙げています。(vs帝京)

打撃が活発な割には投手陣が持たず、
甲子園では悔しい負け方が続いたのもこのころです。

この流れを一変させたのが、
荒木大輔が登場した昭和55年。

1年生ながら無類のコントロールとやや動く速球(1年生なので、球に伸びが無く打者の手元でツーシームのように少しだけ沈む、というのが好投の秘訣だといわれました。2・3年になり球に力が出てくるとその特徴が無くなり、"ストレート"になったため、捕らえられることが多くなった、といわれていました。)、何よりその落ち着いたマウンドさばきで1回戦から決勝まで無失点。
決勝では横浜に打ち込まれましたが、見事に早実初の夏の大旗に近づきました。

このチームから早実は、
従来の【強打のチーム】から【守りのチーム】へと変貌を遂げました。

打線は長打よりもコツコツとした速いゴロ・ライナーを打っていく打撃にかわり、
小技を絡めて点を奪っていくタイプ。
そして、その点をしっかりとした投手を含めた守りで守っていくという、
【先行逃げ切り型】に華麗なる変貌を遂げました。

もちろん"荒木大輔"という稀有な存在あったればこそでしたが、
何か都会的でスマートなチームカラーになり、
何より崩れにくく、戦い方に安定感が出てきました。
それがあったればこその5季連続甲子園出場だったのです。

その流れは、
斎藤祐樹投手のチームに見事に引き継がれ、
念願の夏の全国制覇を成し遂げたのは、
記憶に新しいところです。

その間約20年間、
台頭した帝京や日大三、関東一などの猛打のチームの壁をなかなか破れずに悔しい予選敗退を繰り返していましたが、
ようやくここ5年ほどで安定したチームが出来上がるようになって来ました。


昨日の戦いはまさに早実野球の真骨頂。
見事な先制攻撃で相手の機先を制し、
単打の連打でつないでいく姿は、
『今年のチームは強いな』
と思わせるものでした。

さて、
中京大中京と早稲田実。
伝統校同士ですが、
対戦は第17回大会の1回戦にまでさかのぼります。(昭和6年8月13日)
そのときは4-3で中京大中京(当時は中京商)が勝利。
そのまま波に乗り、
初出場初優勝を成し遂げています。(その後3連覇も達成)

早実にとっては、
79年ぶりの【リベンジ】を達成したことになります。

中京大中京にとっては、
20年以上にわたり指揮を取った大藤監督の最後の試合でもありました。
夏の全国制覇、春の準優勝など、
数々の輝かしい実績を残して、
この名門の指揮棒を置くことになりました。
お疲れ様でした。

90年代後半に、
『中京もかつてと違い、進学にも力を入れるようになって、今までのようなわけにはいかないのですよ。野球部とはいえ、特別ではないのです』
と苦しい胸のうちを雑誌に語っていたのが、
思い出されます。

苦しい時期の中京を支えた名指揮官でした。


さあ、
早実は3回戦で、
同じ東京の関東一と対戦することになりました。

東京勢同士の夏の対戦は、
第59回2回戦   早実vs桜美林
第77回準々決勝 帝京vs創価
に続き、
3度目になります。

59回大会では、
前年度に全国制覇した桜美林と名門・早実という、
東京中が対戦に熱狂したことが思い出されます。

それ以上の熱狂になるのか?
ならないとは思いますが、
好ゲームが期待されます。

関東一の打線が早実の鈴木投手をどう捕らえるのかが、
注目されるところです。


いずれにしても、
中京vs早実、
天理、報徳、鹿実、広陵、福井商・・・・・・
なんていう名門校同士が戦うと、
『かつてはどんな・・・・・』
という興味がムラムラと盛り上がってきますね。

これぞ高校野球の醍醐味だな~。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第92回全国高校野球 第6... | トップ | 第92回全国高校野球第9日... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

高校野球」カテゴリの最新記事