【AFCチャンピオンシップゲーム】 ~カンサスシティ~
第2シード 第4シード
カンサスシティ・チーフス ● 24-27 ○ シンシナティ・ベンガルス
オーバータイム
AFCのチャンピオンシップゲームは、
手に汗握る接戦になりました。
4年連続この舞台を踏むスターQBのマホームズは、
前半まさに絶好調。
次々にパスを成功させ、
最初の3回の攻撃をすべてTDに結びつけ、
21-3と大量のリード。
しかしフットボールというのはわかりません。
ベンガルズが1TD還して21-10から、
前半最後のシリーズでチーフスは、
敵陣5ヤード、1stダウンという絶好の得点機を得ました。
チーフスとしては、
ここまでのマホームズの好調ぶりを見れば、
問題なくここはTDを奪い、
前半終了で28-10というリードを奪うシナリオだったと思います。
もしだめでも3点を加えて24-10とすれば2TD差の大きなリードでした。
しかしここでベンガルズの守備陣が、
ものすごい頑張りを見せ、
1点もやらずに前半を終えることに成功しました。
ここまでベンガルズの守備陣、特にラインは、
全くと言っていいほどマホームズにプレッシャーをかけることができず、
さらにセカンダリーもワイドオープンを頻繁に作るという感じで、
まさにチーフスにいいように攻撃されていました。
しかしこのプレーから、
この試合、完全に流れは変わりましたね。
ここが試合のポイントになった訳ですが、
4thダウンでFGを選択せずにギャンブルに行ったチーフスの作戦にも、
少しだけ疑問符が付きました。
ここを無得点に抑え、
11点差で後半を迎えたことで息を吹き返したベンガルズ。
本当にフットボールという競技は、
ひとつのドライブ、一つのプレーで流れがガラッと変わってしまう怖さがありますね。
大量のリードをしているように見えても、
あっという間に相手が1TDを返したりすると差がどんどん詰まっていきますね。
そうなったときに、
相手にいいQBなどがいる場合、
まさにあっという間にリードが吹き飛ぶというようなこと、
大事なゲームほど何度も体験したりするものです。
そこがゲームとしての面白さなわけですがね。
後半はチーフスのリターンから始まりましたから、
ここで得点を加えていたら試合の趨勢は決まりのような感じだったのですが、
マホームズ率いるチーフスは得点をあげられず。
ベンガルズが守備の陣形を変えたか、
後半はマホームズのパスが見事なまでに通らなくなりました。
その間隙を縫って、
ベンガルズが反撃に転じ、FG,TD,そして2ポイントコンバージョンまで決め、
第3QTR終わりについに21-21と同点に追いつき、
試合は全く分からなくなりました。
その後は一進一退。
残り6分でベンガルズがFGを決め3点をリードしましたが、
相手は「最後に逆転を決める男」マホームズですから、
ベンガルズとしては勝った気持ちは全くなかったでしょう。
案の定マホームズは「最後の攻撃」で残り1分30秒を残し、
ベンガルズ陣5ヤードまで迫りました。
「ああ、この試合もマホームズが逆転TDを決めて”サヨナラ勝ち”かな」
ワタシもそんなことを思いました。
舞台は完全に整った!!!! って感じのシチュエーションでしたね。
しかしこの日の、特に後半のマホームズ。
いつものパス、スクランブルの冴えはどこへやら。
ここから連続でサックを食らって、
最後は蹴って同点に持ち込むしかなくなり、
FGで同点に追いついただけ。
「サヨナラの好機」は逃して延長に突入しました。
そしてここでも、
攻撃権を得たのはチーフス。
「今度こそTDで決めてやる!」
とのファンの思いは届かず、
あろうことか相手にインターセプトを食らってしまいました。
本当にどうしちゃったのか・・・・・マホームズ。
ベンガルズはこの好機を生かし、
最後はチーフス陣10ヤードまでボールを進め、
「得点請負人」のキッカー・マックファーソンが楽々とFGを決めてジ・エンド。
3年連続でスーパーボウルに進出することを阻まれたチーフス。
まさに痛恨の敗戦となってしまいました。
前回2018年シーズンもこのAFCチャンピオンシップで延長での敗退を経験していますから、
それ以来の傷心の試合となってしまいました。
しかし今シーズンは、
本当に何が起こっても不思議ではないというようなシーズンになっています。
これまで4thQTRで逆転を演出してきた伝説のQB達が、
今シーズンはこのプレーオフで、
まさかの負けを喫して次々と敗れ去っていくという事態になっています。
第1シードの両チームが敗れたのを皮切りに、
昨年スーパーボウルで相対した当代No1,2のQBであるブレイディ、マホームズが相次いで敗れ、
AFCからスーパーボウルに進出したのは、
なんと2年目のジョー・ボローになりました。
2021年のドラフトでいの一番に指名された、
スーパースターになることを宿命づけられたQBですが、
ファンもまさか2年目にしてスーパーボウルまで導いてくれるとは思っていなかったことでしょう。
何しろ2年前の2020シーズン、
2勝14敗で、NFLで最もひどいチームだったんですから。
5年連続の負け越しから今年、
見事に復活してのスーパーボウル進出。
何か昨年の日本のプロ野球、
ヤクルトとかオリックスが、
長年の低迷を打破して日本シリーズに進出してきたのと同じような感じですね。
それにしても大量リードで意気揚々だったチーフスのファンは、
信じられないような試合展開だったでしょうね。
いつも自分たちがやっていることを、
相手にやられてしまったような感じですね。
それだけベンガルズの、
この試合にかける気持ちの強さと集中力が、
上回っていたという事でしょう。
スーパーボウルの舞台までついに上り詰めたベンガルズ。
ボローがこのスーパーボウルを、
スーパースターへの第1歩とするのか。
楽しみになってきました。
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