敦賀気比の初優勝で閉幕した選抜から3週間弱。
各地で高校野球の春季大会が続々開幕。
夏への前哨戦として各チームともにこの大会を戦い、
聖地への道を確かなものにしようと頑張っています。
既に九州では、
各県の大会は終了して、
九州大会が開始されています。
四国でも各県大会、
そしてチャレンジマッチ(選抜に代表を送った県の大会で、春季大会優勝校と選抜出場校が戦う試合のこと)も週末に終了。
いよいよ四国大会が開始です。
その他の各県は、
まだまだ都道府県大会の序盤~中盤戦といったところ。
ひと冬を超えてどれだけ各地区の勢力図に変化があったか、
それを肌で感じる『春の陣』です。
東京では、
先週末で4強が出そろいました。
準決勝には、
選抜出場校の東海大菅生、
近年の東西の東京の盟主である関東一、日大三に、
力をつけてきた佼成学園が進出してきました。
清宮のデビューでわいた早実、
選抜出場の二松学舎、
復活を狙う帝京などは8強で敗れ去りました。
このところ東京勢は、
突出した力を持つチームが出ない代わりに、
東西どちらも10チーム以上の有力校がひしめき合うという【戦国】の様相を呈しており、
今年もこの春から夏にかけて、
どこがぐ~んと力を挙げてくるのか、
全くわからない状況となっています。
見ている方はとても面白い大会となるのですが、
甲子園での活躍があまりないのも事実。
2010年、2011年の日大三や、
2006年の早稲田実のような甲子園での大活躍を見たいなあというのが、
ファンとしての本音だったりもします。
お隣の神奈川は、
3回戦までが終了。
16強が出そろって、
夏のシードの16校が決まりました。
その中に、
横浜高校の名前はありません。
3回戦で、
桐蔭学園との【名門対決】に敗れ、
久しぶりの『ノーシード爆弾』として夏の大会に臨むことになりました。
神奈川は長く続いた『横浜1強』の時代は終焉を迎え、
こちらも群雄割拠の戦国時代を迎えたと言えるでしょう。
今のところ実績や選手の質から、
東海大相模が『新・神奈川の盟主』の最も近い位置にいますが、
桐光学園、桐蔭学園といった実力校に、
近年グングン実力を伸ばす横浜隼人・平塚学園らが肉薄。
横浜・慶応らの名門や、
日大藤沢・横浜創学館ら、
ざっと挙げただけでも両手では足りないぐらいの学校名が上がるほどの、
相変わらずの激戦区です。
しかし、
その激戦区を勝ち抜いたからと言って、
他の地区よりも格段にレベルが上なのかというと、
近年はそうとも言い切れません。
関東の中でも、
過去5年間、
春秋の関東大会で、
神奈川代表が優勝したことはありません。
決勝に残ったのもわずかに2度。
実績でも内容的にも、
圧倒的に他県に押され続けているという現状があります。
今関東で最も充実した戦いをしているのは、
浦和学院、健大高崎、常総学院、作新学院らでしょう。
いずれも北関東のチームです。
神奈川勢はそれら他県の強豪チームと当たった時、
特に過去3年ぐらいにおいては、
『明らかに力で押されているなあ』
と感じることも多くなりました。
一昨年の松井を擁した桐光学園、
昨年の”強い”と言われた横浜・東海大相模にしても、
あっさりと他県のチームの軍門に下りました。
『神奈川高校野球好き』
のワタシとしては寂しさを禁じ得ないのですが、
既に時代は『北高南低』の状況を呈して来ており、
関東の中では大きな地殻変動が起きていると見ていいでしょう。
もはや、
かつて感じていた『神奈川の野球のレベルの高さは別物。』なんていうことは、
幻想にすぎなくなってきているのかもしれません。
『夏の激戦・神奈川』を勝ち抜いたチームについては、
マスコミなどでは『実力の3割増し』ぐらいの報道がなされ、
常に【優勝候補】に祭り上げられてしまって、
それが彼らに無用なプレッシャーを与えているんじゃないか・・・・
なんてことも考えてしまいますがね。
*実際、夏の神奈川県大会の激戦を見ていると、『実力がむちゃくちゃ高い』という風に見えてしまうんですよね。そこを勝ち抜いたチームについては、『どう考えても簡単に負けるチームじゃない』と思っちゃいますね。そこが『神奈川マジック』なのかもしれません。
浦和学院のどっしりとした戦いぶりや、
健大高崎、作新学院の鋭さ。
常総学院の安定感。
前橋育英や佐野日大のように、
超絶な選手が登場することも多く、
ワタシの『関東大会を見ている目』も、
大きく様変わりしてきました。
そして春季大会は、
この関東の精鋭に東京のチームも加わるので、
かなり興味深い大会となります。
今年はどんな感じになるのでしょうかね。
少し前までは、
春季大会はあくまで春季大会で、
『いろいろと戦力や戦術などを試す場所』
と明らかに位置づけられていたというきらいもあったのですが、
(特に四国が4チームしか出場しなかった03年までは、ほとんどこの大会は夏の参考にはならなかったという記憶がありますね。)
最近は『やはり春にしっかり戦えるチームは夏も強い』という、
当たり前のことが語られるようになってきた気がします。
その証拠ということでもありませんが、
08年、12年、14年と、
大阪桐蔭は春季近畿大会でしっかりとした戦いが出来ていた年(近畿大会08年準優勝、12年優勝、14年優勝)は、
必ずその夏の甲子園で優勝を飾っています。
やはり今の高校野球界を代表するチームがこういった実績を残しているということは、
各校ともに参考にすべきところなのではないでしょうか。
そんなことを思いながら、
各地の春季大会を巡ってみたいなあと考えているところです。
1年生のスーパー球児の活躍も楽しみにしながら、
3年生の最後の年にかける情熱のほとばしりを、
肌で感じてみたい春です。
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