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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

やっぱりな

2014年12月05日 | プロ野球

今日のスポーツ紙で一斉に、
『中島オリックスが獲得』
の記事が載りました。

マイナーリーガー・中島裕之が、
オリックスと4年総額15億円で契約を結んだというもの。

巷では阪神・西武の争奪戦ということになっていましたが、
ボラスを代理人に立てたところで『西武(という線)はまずないな』と思っていましたので、
残念だという気持ちは全くありません。

それよりも、
あの何でも欲しがる、
そして”メジャー帰り”には特に目がない阪神が負けたというのは、
いささか驚きました。

日本の球界にはなじみがない(よく知らない)であろう、ボラスという代理人を立てているのですから、
要するに最初から『条件闘争』以外には球団決定の要因はないということが内外に示されていた、
ということです。

『情緒』の入り込む余地なんか、
最初からこれっぽっちもなかったというわけですよ、実際。
そんな時代なんですよ。

何だか今回の争奪戦、
ワタシは横から見ていて、
最初から『ばかげている』としか思いませんでした。

松坂の件にしてもそうですし、
中島の件にしてもそう。

両者が元西武のOBということを差し引いて考えても、
『なぜ彼らにこんな高額なオファーをするのだろう』
というのがずっと疑問でした。

『日本で実績がある』
『日本に帰れば、日本時代のようなパフォーマンスが望める』
『どうなるかわからない外国人と契約するよりも、ずっと安全で確実』

まあ、球団の考え方としては、
そんなところですかね。


しかし・・・・・
時は流れています。

中島にしてもそうですし、
松坂なんかは特に、
そのプレーなどを映像で見ていると、
『旬が過ぎた下り坂の選手』
にしか見えません。

その選手たちに、
オークションよろしく『条件のつり上げ合戦』をさせられて、
日本にいた時のピークの金額よりも高い条件で契約する・・・・。

ばかげているとしか思えないんですよね、実際。

中島だと、
比較対象になるのは楽天の松井稼だと思います。

彼は『メジャーからの出戻り』組としては珍しく、
戻ってきてからもしっかりと活躍してくれています。

しかし、
メジャーに行った時点、言い換えれば【日本での実績のピーク】の時の松井の成績を3年間さかのぼると、

01年 140試合(全試合) .308 24本 76点 
02年 140試合(全試合) .332 36本 87点
03年 140試合(全試合) .305 33本 84点

そして帰国してからの成績は以下の通り。

11年 139試合 .260 9本 48点 
12年 106試合 .266 9本 43点
13年 125試合 .248 11本 58点


どうでしょうか。
松井選手は、楽天の主力としては実によくやっていると思います。
が、日本で選手生活のピークを迎えていた時と比べると、
帰国後のそのパフォーマンスは明らかに落ちていると思います。

【最も成功している】
と思われる選手ですらこうですから、
2年間メジャーはおろか、マイナーでもほとんど活躍することのなかった中島の来季の成績が、
ピーク時を上回るなんていうこと、
あるんでしょうかね?

オリックスは小谷野も獲得しましたし、
ショートには安達、セカンドには平野という守備のいい選手がいますが、
中島の定評のある”あの守備”で、
いったいどこを守らせるのでしょうかね?


それと、オリックスはさすがに、
交渉術にたけているという印象が強いですね。

これまでとこのオフ、
このチームが大きく変わったのは、
オーナーをはじめとして、
今季の好成績を受けて、
『本気で優勝する』
という気になっているということでしょう。

金子への交渉過程を見ても、
小谷野を獲った経緯を見ても、
このチームの『本気度』は分かるというものです。

来年はSBに強力に対抗するチームになるのでは、
という気もしますね。
楽しみです。
というよりも、
『やっと本気になったかあ』という思いですね。


それに引き換え、
今年は狙っていた小谷野を逃し、
松坂には相手にされず、
『彼だけは・・・』なんて言っていた中島にもするりと逃げられた西武、
やっぱりしょ~もないですね。

かつての【黄金時代】という残り香にあぐらをかいて、
最も時代に即した改革が出来なかったこのチーム。

セでは横浜、パでは西武が完全に時代遅れと思っていましたが、
横浜はDeNAに親会社が変わって、
変革を遂げようとしています。

残りは西武だけかあ・・・・・・・
という感じですかね。


そもそも堤オーナーがオーナーを下りた時点で、
西武というチームは全く過去とは別のチームに変わったというのは、
明白です。

堤オーナーは、
『何としてもプロ野球の盟主という座を、巨人から奪え』
というのが球団を持った時の理念(?)でしたから、
『チームを強くするためなら何でもやれ』
ということが徹底していました。

『おカネも必要なだけ使え。人脈、血脈、地域のコネ・・・・・何でも使え。獲りたい選手は、全部獲れ。そして現場は、最高級の指導者に指揮を任せろ。』
そんな感じだったと思います。

『その代わり、必ず結果を出せ!』
そこも徹底していました。

そして”世界一の大金持ち”のオーナーのもと、
組織(西武鉄道グループ)をあげて『盟主の座を奪う』ことにまい進し、
黄金時代という果実をもぎ取ることが出来ました。

そしてファンも、
その夢と猪突猛進する姿に自分の夢を乗せ、
応援してきたんだと思います。

その当時のことは、
最近その当時の球団社長であった坂井氏の著作や、
『巨人・西武、ドラフト10年戦争』
などの本に詳しいのですが、
何しろ”現場の親分”であった根本球団管理部長が、
粉骨砕身してこの強い組織を作り上げていったこと、
その血のにじむような努力の跡が、
ファンであるワタシのココロにドシーンと響き渡っています。


それを踏まえたうえで今の西武のやり方を振り返ってみると・・・。
ため息しか出ないですね。

今般も、現鈴木球団本部長が獲得を狙う選手との交渉に当たったようですが、
『条件交渉』では他球団に勝てるはずのない”金を出さない”チームであることが明白なのに条件闘争をぶち上げて、
そうかと思えば『中島はワタシが直接電話して意向を聞いて・・・・・』
なんて『情緒に訴えかける戦術』みたいなこともしていました。

この時点で、
『はあ~~~。もう西武の目は絶対にないな』
と思っていましたが、
案の定相手にもされていなかったみたいですね。

根本管理部長が”本当に獲りたい”選手との交渉を行っていた時は、
本人はもとより、
両親、関係者、所属校、元所属チームに至るまで、
それはそれは丁寧に時間をかけながら、
じっくりと、そしてしっかりと関係を構築していったようでした。

そういった『見えない、たゆまぬ努力』あってこそ、
最後に『情緒』に訴えかけた時、
効いてくるってもんですよ。

鈴木氏のように、
『元は西武にいた選手なんだから』
なんて言ってそれにあぐらをかいてみたところで、
『それ、いつの話?』
って一蹴されるのが関の山。

ならば条件闘争で・・・・・・
といったところで、
現在の球団の状況の中で、
他球団と本気で張り合って勝てるわけもありません。

そういえば小谷野選手獲得交渉に関しては、
小谷野選手が最後にオリックスに決めた背景には、
『中島がプライオリティーNo1で、小谷野はNo2』
ということが見え隠れしたからではないかと、
ワタシは思ったりしているのですけどね。

『中島が獲得できたら、彼がサードのレギュラー』
的な感じが見え隠れするのに、
なぜ同じポジションにかぶってしまう小谷野が、
西武に『Yes』を出すのでしょうか?

昔このあたりに住んでいて、
西武ファンだったこともあるから、
そして奥さんと子供も東京に住んでいるから・・・・・。

そんな甘っちょろいことで、
小谷野がウンと言ってくれると思ったんでしょうかね。

私見ではありますが、
もし根本氏が今回の交渉をするのであれば、
まずは奥さんと娘さんの意識を『西武』に固めるという作業から行ったんじゃないか・・・・・
そんな気がしてなりません。

ワタシは今オフについては、
中島は端っから『帰ってきてくれなくても・・・・・』と思っていましたが、
小谷野を逃したのはまさに『痛恨』でしたね。

打てるだけではなくて『守れる』小谷野選手が、
西武に来てほしかったと、
心から思います。

逆にオリックスは、
ポジションがかぶるかもしれない中島の獲得に乗り出すということは、
小谷野との交渉の際にはおくびにも出さなかったのでしょう。

中島の交渉は代理人と、
【最高の条件】を出しさえすれば逆転できると踏んでいたでしょうからね。

そういう点で、
『本気になったオリックス』は、
交渉術という面でも”素人に近い”西武の面々よりは、
一枚も二枚も上だったということでしょうね。

『西武のファン』にとってみれば、
涌井、片岡という2人のFA選手に退団された昨オフに続いて、
2年連続で『叫びだしたい』ほど悔しいオフとなってしまったことでしょう。


ということで、
遅きに失した感はありますが、
西武はここらで大きな方向転換をすべき時期だと思いますね。
この中途半端なチーム作り、哲学などをもってしては、
早番横浜のように『身売り』を余儀なくされてしまうかもしれませんね。

だいぶ熱は冷めてはいますけど、
ワタシ『ライオンズ』のファンですから、
別に西武という企業が球団を手放しても、
球団がこの地域(関東)に残り、
同じように『ライオンズ』を名乗ってさえくれれば、
な~んにも変わるところなく応援しますけどね。
そうしてくれた方が、すっきりする気もしますがね。


オークランドA'sのように、
そして今年青木が活躍したKCロイヤルズのように、
『根本からチーム哲学を変える』時期ですね。

『金のない球団がどのようにしたら勝てるのか?』

海の向こうの球団に、
学んでますか~?

海の向こうと言えば、
NFLなんかは、
学びの種はいっぱい転がっていますよ。

『ただカネをかける球団だけが覇権を握るわけではない』

その事を実証する球団になったら、
西武ファンだけではないファン層の広がりも期待できるってもんです。

海の向こうに行くのが嫌なら、
『日ハム型・広島型のチーム作り』
をしてくれてもいいですよ。

いずれにしても、
『出戻る選手』
に現選手が誰ももらっていないような大枚をはたいて呼び戻すことに血眼になるなんて、
そんなバカげた話は、
これっきりにしてもらいたいもんです。

ほら、
若手にもっといい選手、
いっぱいいるじゃないですか。

彼らをどう鍛えていっぱしにしていくか、
考えたらどうかな?

昔は秋山をはじめとして有望な若手は、
『長期の海外武者修行』
に行かせて鍛え上げていたもんですよ。

今の30日か40日か知らんけど、
身にもならん”オーストラリア旅行”に若手を派遣するような愚は、
もう止めにしたらどうかな?

英語の習得と同じで、
本当に『習得』させるつもりなら、
長期で苦労させなきゃ絶対に無理。

短期の場合は、
『モチベーションを上げる』以上のことはありませんから、
それは『修行』とは呼びません。


鍛えに鍛え上げた若手がどんどんデビューを果たし、
チームの中心となって輝くA'sの野球、
見た事ありますか?西武のフロントの方々。

あ~いう流れを作り出さなければ、
生き残ることは出来ませんよ。


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