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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

高校日本代表 無念! あと1点届かず

2015年09月07日 | 高校野球

≪U-18野球ワールドカップ≫ ~甲子園~

【決勝】

アメリカ 2-1 日本

(アメリカは3大会連続優勝)


米国 002 000 000 - 2
日本 000 001 000 - 1


無念でした。

素晴らしい戦いとなったU-18野球ワールドカップ決勝。
高校日本代表は、
実によく戦ったと思いますが、
細かいいくつかのミスが響き、
アメリカを最後あと一歩とらえきれませんでした。

悔しいけど、
見事な準優勝でした。

疲れの残る中素晴らしい戦いを行った日本代表のメンバーに、
惜しみない拍手を送りたいと思います。


試合は雨で開始が20分遅れ。
しかしあの雨の中、
わずか20分遅れで試合が行われるところに、
日本の誇る【野球への取り組み】の素晴らしさがあると思います。

『日本一の球場整備』
を誇る甲子園球場の、阪神園芸。

いつも高校野球の時は、
短時間でピカピカにグラウンドを仕上げる技術に感嘆していますが、
彼らの『プロの技』は昨日もいかんなく発揮されました。

ワタシもこの雨を見て、
7月のユニバーシアード大会の大学日本代表に続いて、
『決勝中止による、2チーム同時優勝』
ということになるんじゃないかと思ったりしていましたが、
やっぱり阪神園芸さんですね!
何事もなかったかのように、
グラウンド状態を仕上げてくれました。


ということで始まった試合。

しかしこの日の立ち上がりは、
何とも重いものになりました。

先発はエースの佐藤世。
初回のピンチは、
オコエの夏の甲子園さながらの”ザ・キャッチ2”が飛び出して抑え、
2回もしっかりと三者三振にとって、
先日の予選ラウンドにおけるアメリカ戦の好投の再現かと思われました。

しかし相手先発の、
何とも言えないうちにくそうな球に、
日本の打者は全くと言っていいほどタイミングが合わず、
『これは完全にロースコアゲームだな』
という感じの立ち上がりでした。

こういう重苦しいゲームでは、
なんとしても先取点が取りたいところでしたが、
3回にまさかのエラーが出て先取点を奪われると、
その後にすぐタイムリーを打たれて追加点。

重い、実に重い2点を奪われて、
日本チームは後手を踏まざるを得ない苦しい試合展開となってしまいました。

2点目のタイムリーも、
ひょっとして船曳をライトに入れていたら捕れていた打球のような気がして、
『今日はちょっと、試合がいい回転で回っていないような気がする』
と感じるような嫌な展開となりました。

しかしその”嫌な流れ”をビシッと切って日本に流れを持ってきてくれたのは、
この大会実にいいピッチングを続けている上野投手。

5回からマウンドに上がると、
内外角をビシビシつく得意の小気味いいピッチングを披露して、
アメリカ打線を翻弄しました。

5イニングをほとんど心配なく投げ切ったピッチング、
実に”あっぱれ”なものでした。

しかし2点差を追わなければならない日本チーム。
どうしても焦りが出てしまいましたね。

5回はオコエがヒットで出塁するものの、
『日本だったら絶対にボーク』
という牽制に誘い出されてアウト。

そして6回は、
1死2・3塁のチャンスで、
3塁ランナーの篠原が、
キャッチャーが少しボールを横にそらしたところで果敢にホームを突くものの憤死。

『最も期待できる』
津田・勝俣につながっていく打線だったので、
痛恨の憤死となってしまいました。

その後すぐに津田にタイムリー、
そして勝俣にもヒットが出たので、
余計にそう思ってしまいましたね。

その6回は清宮も激走で内野安打を奪い取って2死満塁。

そして日本で『最も走者を還してくれる男』平沢が登場。
カウントも3-0まで行って、
球場は興奮の坩堝と化しました。

しかし平沢の『とらえた』打球は1塁手の正面に飛び、
懸命のヘッドスライディングも及ばずアウト。

このチャンスを逃し、
後はアメリカに『凄い投手リレー』をされて、
最後まで1点が重く、
残念ながら準優勝に終わりました。


終わった時はしばしワタシも放心状態。
負けを受け入れられない状態が、
しばらく続いてしまいました。

昨日は、
やっぱり『日本に風が吹かなかった』
そうとしか言いようがありません。

敗因・・・・・?


ありませんよ、そんなもの。

彼らの真摯なプレー、
見事な技術力、
そして気迫。

すべてが素晴らしかった。

毎回≪高校日本代表≫は素晴らしいチームだと思うのですが、
今年は特に素晴らしかったですね。


特に、
投手陣では佐藤世と上野の両投手。
この決勝までのすべての試合で、
気迫のこもった投球を続けてくれました。

野手陣では、
なんといっても津田選手。
彼のプレー、素晴らしかった。

彼のような選手が、
大学、プロと経験を積んで、
日本の野球界を引っ張っていってくれる存在になると、
素晴らしいなあと思いましたね。

元ヤクルトの宮本選手を、
彷彿とさせるプレーぶりでした。

そしてオコエ選手。
彼の能力、
夏の甲子園に続いて、
『素晴らしい』
と感じさせてくれました。

特に木のバットへの対応力などを見ると、
『彼はドラ1』
で間違いないような気がしますね。
大いに株をあげた、
この大会だったと思います。

そして大会を通じて輝きを放ったのは、
船曳選手や杉崎選手などのキレのあるプレーでしたね。

ショートの平沢選手は、
高校時代の坂本選手(巨人)や山田選手(ヤクルト)などの今をときめく選手と比較しても、
現時点では明らかに上なのではないかな?

素晴らしいショートですね。
プロの世界で、勝負してほしい選手です。

勝俣も、
予選からだいぶ間の空いてしまった中での参戦でしたが、
見事に彼の持っているポテンシャルの高さを見せつけてくれました。
やっぱり彼は、
『打者』ですね。

捕手陣も、
目立たないながら実によく頑張ってくれて、
チームの軸にがっちりと座りました。

キャプテンの篠原は、
その責任感の強さからか、
日に日に表情が険しくなっていっている気がしましたが、
本当に重責のなかよくやったと思います。

全員が、
『日本高校野球の誇り』
をプレーで、そして気迫で表現してくれて、
ワタシは敗れたとはいえ、
『やっぱり日本の高校野球が世界一』
というのを改めて感じることが出来て、
幸せな2週間でした。

ありがとう!!!



さて、
最後にこの大会を見て思ったこと。

まず第一に、
『木のバットの野球も、いいなあ』
ということです。

もちろんプロも大学野球も木のバットを使っていますから、
そんなことは百も承知なのですが、
高校野球はあの”金属音”が『夏の季語』になるぐらい浸透していますから、
”高校野球と金属バットはセット”
という認識がワタシの中ではありました。

金属バットでの華々しい打撃戦も、
近年の高校野球の醍醐味のひとつです。

しかしながら、
この大会を見ていて、
『木のバットは、やはり選手の能力を如実に表す』
ということがつまびらかになったように感じます。

夏の甲子園と同じ甲子園球場で今大会が行われたというのが、
大きかったようです。

直近の夏の甲子園で見た『あの選手』の『あの捕らえた打球』が、
外野のフェンスのはるか手前で落ちる様を、
何度も見せられると、
『やっぱり金属バットは、バットの性能で飛んでるんだなあ』
ということがよくわかります。

そして打球の速さや鋭さも、
金属と木では、
全く違いますね。

そんなことが、
『同じ選手が、同じコンディションの中、同じ球場で本気の試合をやった』
からこそ実感としてわかりました。

しかしながら、
その『飛びすぎる金属バット』という側面だけではなく、
”木のバットを使った高校野球”には、
何とも言えない味わいもあるんだなあということが、
よくわかりました。

木のバットを使っていると、
やっぱり『正真正銘の芯を食った打球』
しか外野の間、いや、頭を超えていく打球はでないんだなということが、
よくわかりますね。

『下位打線でも、バンバンホームラン』
という今の高校野球の形は、
木のバットを使うと、
全く違ったものになるということですね。

見たところ、
金属バットと木のバットでは、
同じ芯を食った打球においては、
20mかそれ以上ぐらい、
飛距離が違うような気がしますね。

そして点を取るためには、
より走塁や小技、
そして打撃でも球をとらえる技術など、
様々なことが要求されるのだと思います。

よく高校野球から大学野球に移り、
そのあたりにアジャストできない選手を見かけますが、
高校年代から木のバットを試合で使って、
技術を磨いていくということが、
いいのではないかなあ・・・・・なんて思ったりしました。

味わい深い試合が多くなるような気がしますし、
何より『過度の投手への負担』を強いている高校野球の現状を打開するためには、
特効薬だと思いますがね。

世界的にも、
ある年代以上は、
金属バットを使った大会はほとんどないわけですし。

まあ、
金属バットが導入された40年前の主目的は、
『木のバットを使うことによる、用具代など経済的な側面』
の負担を減らすということだったので、
そう簡単には行かないと思いますがね。


そして二つ目。

本当にこのU-18ワールドカップを勝つつもりなら、
夏の甲子園組以外の選手を15~20人編成して8月に合宿を行い、
そこに夏の甲子園組を加えて直前合宿を行ってセレクションをし、
最終選考をするという様な事を考える必要があると思います。

本気の本気で、
勝ちに行くんならね。

コンディションのいい選手、悪い選手の見極めなど、
絶対に必要だと思います。

6月ごろに1週間ほど、
2次選考のための事前合宿なども必要かもしれません。

『夏の大会の前の大事な時期だ』とか、
『学校行事やテストなどもあり、難しい』とか、
そんなことは100も承知のうえで言っています。

要は、
協会が『本気で絶対に勝ちに行くのか、どうなのか』
ということだけです。

今のような、
『夏の甲子園に活躍した選手を選ぶ』
という基本姿勢を変えなければ、
最後はここ3大会のような結果に終わる公算が強い・・・・・
ということです。

なにごとも、
怠りない準備と本気でやるのかやらないのか・・・・
どういう位置づけの大会なのか・・・・

そんなことが問われていると思います。

世界に『日本の高校野球』を発信するのであれば、
思い切ったこと、
やってほしい気はしますがね。


今回の西谷監督とスタッフ。

与えられた条件の中では、
実にすばらしいチーム作りをしたと思います。

しかしその『限界』も見えていたのではないかと思いますね。
現場を預かるスタッフとして。

主に使われた選手、
大会中盤からは定まってきていました。

多分スタッフは、
選手のコンディションやモチベーション、
特に『この大会に賭ける』気持ちの強い選手が、
主に選ばれていたような感じはします。

その中で清宮選手は、
ほとんどの試合で4番を外されることはありませんでした。

正直に言うと、
ワタシはこの大会での清宮クン、
コンディションもあまり良くはなかったと思いますし、
何よりも技術的にやや厳しい面が露呈したような気もしています。

しかしながら、
首脳陣は4番を外さなかった。

それはとりもなおさず、
彼が将来、
高校野球というカテゴリーを超えて、
清原や松井秀喜のように、
『日本の野球界を支えていく存在』
になるからということで、
じっと我慢して経験を積ませていたのだと思います。

西谷監督をはじめとして、
今回の首脳陣、
『凄いな』
とワタシは感じていました。

多分世間が邪推する、
『清宮を4番に据えておけば、世間が喜ぶ(注目度が増す)』
みたいなことは後回しだったと思います。

清宮クンは、
そのあたりのことも斟酌し、
この経験を活かして、
ますます『凄いバッター』になるように研鑽を積んでほしいと、
心から思います。


そんなことを感じながら、
今年のこのワールドカップが幕を閉じました。

今年の3年生の選手達とは、
後は国体の試合を見るくらいしかありませんが、
新たなる道での大活躍、
楽しみにしています。

『お~あの時のあいつか~』

がたくさんあればあるほど、
高校野球オヤジの気持ちは、
豊かになっていくんですから。


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