妖精のつぶやき

きたのじゅんこ先生絵の世界の魅力をお伝えするページです

水星~伝令神メルクリウスとの邂逅~

2015-01-17 20:57:16 | 天文

マーキュリー(Mercury)・水星です。二つ写っていますが小さい方。大きい方は金星。

(内側二つが一緒に見えている状態。出典:NASA)

太陽系第1惑星。が、太陽に最も近い=太陽を追ってすぐ沈むor上ってきてもすぐに太陽も昇る。となり、なかなか良い条件で見ることが出来ません。見えるにしても地平線・水平線に近いので、とりわけ都会では建物や街明かりに邪魔されて尚見づらいわけです。そこで、折角大都会名古屋(?)で写真まで撮れた、ということでご紹介の次第。ちなみに地動説への言及で知られるコペルニクス(1473-1543)も、終生水星だけは見ることが出来なかったとか。この2015年1月は、水星の位置、明るさ、そして日本における日の入り後の明るさの変化、更に金星のすぐソバで目印になるという様々な好条件が重なり、見やすく・見つけやすくなっているのです。

さてこの水星、ギリシャ神話では伝令神ヘルメスとして知られています。彼の特徴は「足の速さ」そして「夜明け前に生まれた」。このことは水星の見え方や挙動を良く反映していると考えるのが妥当でしょう。見えたと思ったら沈む。昇ってきたと思ったら太陽に隠される。のみならず、公転周期が88日…すなわち、夕空に見えていたのが1ヶ月ちょっとで朝空に、また夕空に、と「ちょこまか」動く。惑星が星座の間を移動することは知られていましたが、この変化の速さは当然傑出していると言えます。特徴がキャラクタに反映されのは当然の帰結と言えましょう。しかしそこから作り出された神話のスケールの大きさたるや。作り出した昔の人々の想像力がうらやましいですね。

コメント
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