こんにちは。
株式会社ANヘアサロンの広報スタッフです。
前回の記事でも「日本サステナブルサロン協会(JSSA)」の認証を受けたヘアサロンをご紹介しましたが、国・民間組織を合わせると非常に多くの認証制度があります。
その中でも、全国の理容師と大学生がタッグを組み立ち上げられた認定事業があります。
それがSDGs Barbersです。
始まりは今から2年前。
2020年に世界的に感染症が広まり、たくさんのお店が休業を迫られる状況下で、少しでも前を向けるようにと、全国各地の理容師と近畿大学生が手を取り合い、今だからこそできることを、と2021年に「SDGsを考えるプロジェクト」が立ち上がりました。
プロジェクト発足当初は、理容室内でのSDGsへの取り組みは浸透していない現状がありました。というのも、理容師は剃刀を使うなど国家資格が必要になる職業のため、美容師に比べ若手で理容室に勤務する人が少なかったり、店舗数が増加傾向にある美容室と比較して理容室の店舗数は年々減少し美容室の半分以下になっていたりすることもあり、世の中で流行っている取り組みをタイムリーに導入することが難しい状況が要因として挙げられます。
参照:厚生労働省「令和4年度衛生行政報告例の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/22/
そこで、全国の理容師と学生たちで考えたのが「理容室でできるSDGs目標の仕組みづくり」です。業界内になかなか浸透していないSDGsに関する取り組みをチェック項目にして、一つでも多くクリアを目指すというルールをつくることによって、目標が見えてきて達成しやすい流れをつくることに成功しました。
そんな29のチェック項目のうちの一部を紹介します。
SDGs目標③:すべての人に健康と福祉を
・子供110番のステッカーを店のドアに貼る
・顧客の健康チェック
SDGs目標④:質の高い教育をみんなに
・教育支援活動のために売り上げの一部を募金にあてる
SDGs目標⑤:ジェンダー平等を実現しよう
・ユニセックスのお店であることを発信(女性の顔剃りをアピールするなど)
SDGs目標⑥:安全な水とトイレを世界中に
・ケアル(SDGs Barbersが開発した頭皮用化粧水)を使うことによって、朝のシャンプーとの機会が減りスタイリングを楽にして水を節約
SDGs目標⑦:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
・電気をできるだけLED化する
SDGs目標⑧:働きがいも経済成長も
・育児をしながら働ける場所をつくる
・一度現役を引退した理容師を再雇用する
SDGs目標⑨:産業と技術革新の基盤をつくろう
・新たな商品の開発を続ける
SDGs目標⑩:人や国の不平等をなくそう
・多言語の接客マニュアルを準備する
SDGs目標⑪:済み続けられるまちづくりを
・誰もが安心、快適に通えるサービスの提供を続ける
SDGs目標⑫:つくる責任 使う責任
・ヘアカラー材のアルミチューブをリサイクルする
SDGs目標⑬:気候変動に具体的な対策を
・水の消費量を減らす(シャンプーをトリートメント成分含有のものに変更するなど)
SDGs目標⑭:海の豊かさを守ろう
・プラスチックごみを減らす
・詰め替え用のシャンプーや商材を積極的に使う
SDGs目標⑮:陸の豊かさも守ろう
・店の外に髪の毛がでないように工夫(鳥の足に髪の毛が絡まるのを防ぐため)
SDGs目標⑯:平和と公正をすべての人に
・新人でも意見が言いやすい風通しの良い職場をつくる
SDGs目標⑰:パートナーシップで目標を達成しよう
・大学とのパートナーシップ
上記チェックリストを踏まえ、顧客への健康に対する意識の啓発活動や、大学生と理容師による産学連携規格の推進、カラーチューブリサイクルなど多くの取り組みが実際に行われ始めました。
プロジェクト発足から1年の2022年現在、SDGs Barbersの認定店は西日本を中心に18店舗にまで広がっています。
他にも多くの認証精度がある中で、地域に密着している理容室という業界は、個人店も多くそういった取り組みに着手できていないところが多い現状です。その状況を少しでも解決すべく、理容室にターゲットを絞って、理容室独自の仕組みづくりを考案したのは、大学生ならではの柔軟な発想ゆえかもしれません。
「最初の『輪』は小さいかもしれないが、それでも地域に根付き、暮らしに密着した仕事である理容業を通して『SDGs Barbers』の取り組みが広がって、いつか大きな 『輪』になれる事を目指している。
これが、SDGs Barbers発足当初の想いです。
この想いは、目標を掲げチャレンジする人とのコラボレートにより相乗効果を発揮することを目指す、株式会社ANの理念にも通ずるものがあるように思います。
人との繋がりを通し、世の中に個人ではなしえない新たな価値を提供すること。
そして事業という、人や社会への貢献を通じて自己を磨き、学び、さらに成長していくこと。
私たちも事業を通して、人や社会の新たな可能性を生み出し続けていきます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
また次回もお楽しみに。