アメコミに関する情報を紹介します。
アメコミくえすと・ブログ
バットマン・テイルズ 翻訳メモ
※言葉遊びの別訳案などを紹介します。
※以下のメモはShoProの認可を受けたものではありません。
資料:
ピノッキオの冒険
ピノッキオの冒険(動画)
ジンジャーブレッドマン(動画)
エンドウ豆の上に寝たお姫さま
エンドウ豆の上に寝たお姫さま(動画)
ゴルディロックスと3匹のくま(動画)
不思議の国のアリス
ふしぎの国のアリス(動画)
雪の女王
雪の女王(動画)
『不思議の国のアリス』研究--日本語訳の比較
Pun翻訳の比較検討:「不思議の国のアリス」の場合
【PAGE 14】
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(最終稿)
実を言うと、別の次元から来た
魔法の小鬼だけど、オイラがいれば、
どうにかこおにかなるのさ!
(別訳案)
魔法のインプさ。オイラがいれば、
何でもできる! これが本当の
ミッション・インプッシブル!
【PAGE 27】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/a7/0f5237156164c7782059b6b3a4ff75ce.jpg)
(最終稿)
ボクの足はダンス中……だけど拳は顔に命中!
(別訳案)
敵に囲まれ大ピンチ、拳を握ってパンチ!
(最終稿)
自由の翼で羽ばたけ、もうボクは首ったけ
(別訳案)
翼があれば自由の身、後は楽しく生きるのみ
翼の生えたインプ、彼の助けでジャンプ
悪党だらけのこのヤバさ、それを脱するこのツバサ
敵に包囲されたらば、さっさとオサラバ
敵に囲まれ超ヤバイ、翼を使ってバイバイ
背中の翼で空へフライ、欲しいものはミライ
自由を求めてフライ、飛び立つ先はミライ
翼を広げてフライ、飛び立つのさスカイ
ボクの翼を見ておくれ、でも少し時代遅れ
【PAGE 32】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/e2/26f9e7ab9ac40181ff85f6e359866228.jpg)
(最終稿)
というか、パクリデスよ
(別訳案)
というか、失楽園よ
楽園じゃなく、落園よ
【PAGE 45】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/d9/adcc6a53e7c911aacc06a40e8253c996.jpg)
(最終稿)
たとえ翼がなくとも、両手に持ったこの木刀、
群れをなす悪党ども、いざ勝負、このボクと
(別訳案)
ボクの背中に翼はない、両手に持ったこの木刀、
向かうところ敵はない、いざ勝負、このボクと
ボクには翼はない、だけど両手はフリー、
情けなんか必要ない、この心はハングリー
【PAGE 80】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/58/f11ec13077d0dd49c5ad610c012c4c03.jpg)
(最終稿)
人さらい/皿洗いもあるだろ
(別訳案)
誘拐罪/愉快罪もあるだろ
※「Kidnap」(誘拐する)と「Kid Nap」(子供が昼寝する)の言葉遊び。NapはNab(取り押さえる)が変化したもので、Dognap(犬さらい)やCatnap(猫さらい)という派生語もある。
【PAGE 91】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/a9/93f3e5a15654f9a72d369adb62704be9.jpg)
(最終稿)
汚れ品で。
(別訳案)
泥棒価格で。
訳あり品で。
傷あり品で。
ジャンク品で。
(最終稿)
おだまり/ヒマワリって言った?
(別訳案)
うるさい/ウルシって言った?
知るかバカ/白樺って言った?
笑えない/藁がないって言った?
【PAGE 114】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/f7/ddc9e03be6c13ce60c7be70c309be538.jpg)
※原書では、アルフレッドとフラミンゴの台詞が入れ替わっている(このままでも通じないことはないが、そう考えたほうが自然である)。日本語版では、吹き出しの形に合わせて少し改変してある。
左:自分は仕方なくここにいるけれど、どうして君は(翼があるのに)飛んで逃げないの?←アルフレッドの台詞?
右:そんなに簡単ならいいんだけど。←フラミンゴの台詞?
【PAGE 130】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/b9/da0c508940152824b88a3700dfdf3da9.jpg)
(最終稿)
女王様がオカンムリだぜ。
※「Crown」は「頭に冠を乗せる」「頭を殴る」という意味。言葉遊びであるにもかかわらず、原文と訳文のシンクロ率が比較的高い例。
【PAGE 131】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/94/a17dbf9f441f7bfc2e99911fd20eea75.jpg)
(最終稿)
もう…通れない/“とても勝てない”でしょ?
(別訳案)
もう…帰れない/“もう勝てない”でしょ?
もう…くぐれない/“ググレない”って言った?
普通の鏡ですね/“袋の鼠”って言ったの?
不幸の極みですね/“袋の鼠”って言ったの?
通過…できない/“つーか、勝てない”?
行き止まり…ですね/“息が止まる”って言ったの?
置き去りにされました/“大きい猿”って言った?
とおせんぼ…ですね/かくれんぼはここまでよ
これ以上は行けません/あたしはイケイケよ
ああ…手遅れです/お手上げって言ったの?
ああ、もう行けない/ほんま、いけずやわぁ
※この表現は小説からの引用ではなく、ディズニーアニメ版の冒頭に登場する扉の取っ手とアリスの会話であり、以下のように訳されている。アスコム版がもっとも忠実な翻訳なのだが、台詞としてはどうしても不自然になってしまう。いろいろ考えたのだが、ベターな訳文を思いつけなかった。悔いが残る箇所である。
字幕:体が大きすぎて無理だよ/意地悪
吹き替え:とても通れやせんよ/意地悪ね
ノベライズ:体が大きすぎてむりだよぉ~/意地悪!
アスコム版:絶対に不可通だ/不可能ね
【PAGE 132-133】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/31/2e95dcd8acab08403676d27bbd44ae5f.jpg)
(最終稿)
あれまあ、これまあ!
(別訳案)
ありゃまた、こりゃまた
びっくり、どっきり
奇妙奇天烈、奇々怪々
不思議千万、奇々怪々
奇々怪々、摩訶不思議
驚天動地の摩訶不思議
面妖至極にございます
あっと驚くアルフレッド
バット驚くタメゴロー
※「Curiouser and curiouser!」というフレーズは、多くの翻訳者を悩ませてきた難問の一つ。「比較級である」「同じ単語を繰り返している」「文法的には間違っているが、発言者の意図はすぐにわかる」という条件を満たしつつ、正確に日本語に訳すのは至難の業である。過去の翻訳者もそれぞれに知恵を絞って、さまざまな訳文を考案している(以下を参照)。この表現が出てくるのは、私家本「地下の国のアリス」(1864年)と「不思議の国のアリス」(1865年)であり、幼児向けの「子供部屋のアリス」(1890年)では割愛されている。本書では、発言者はアリス(少女)ではなくアルフレッド(高齢の男性)なので、彼のキャラも考慮に入れた上で訳文を作っている。
1) いよいよ(ますます)奇妙な(新英和中辞典)
2) いよいよ出でていよいよ奇なり(リーダーズ英和中辞典)
3) ※おどけた決まり表現(スーパー・アンカー英和辞典)
4) もっと、もっと奇妙きてれつ!(ルビ訳)
5) 変ちきりん、変ちきりん。(芥川龍之介・菊池寛)
6) へんこてりんすぎ!(芦田川祐子)
7) へんちきりんだなあ。ますますへんちくりんだぞ。(飯島淳秀)
8) ヘンテコリンのコンテコリン!(石井睦美)
9) いよいよもって奇妙てけれつかま不思議(石川澄子)
10) へんてこ、へんてこ、へんてこてーん!(石崎洋司)
11) 愈々益々奇妙きてれつだわ!(岩崎民平)
12) ますます以て奇妙だわ!(井上秀子)
13) てんへこりん、てんへこりん!(大久保ゆう)
14) 変すぎ、すぎるわよ!(大西小生)
15) ますますだんだん不思議!(尾上政次)
16) へんてこりんがどんどこりん!(河合祥一郎)
17) どんどんおかしくなってるわ!(神林サリー)
18) てこへん、へんてこ!(北村太郎)
19) やあね、妙ちきりんりんだわ!(きったかゆみえ)
20) 全然へんやーー!(木下信一)
21) まあ、ふぎし!(楠悦郎)
22) きみょうね、きみょうね!(楠本君恵)
(↑風変わりな表現ではなく、風変わりなアクセントとして表現している。コロンブスの卵のような発想の転換である。)
23) へんちきりんだわ。へんちきりんだわ。(楠山正雄)
24) なんこれはなの、なんこれはなの!(久美里美)
25) 妙竹林、妙竹林(みょうちくりん)(酒寄進一)
26) へんな気がすると、へんなことが起こっちゃう!(さくまゆみこ)
27) ぜんぜんびっくり!(佐野真奈美)
28) へんてこ凛々、ったら、へんてこ凛々!(島本薫)
29) ますます変てこりんになってくわ!(生野幸吉)
30) うっひゃあ! 最超におどろいた!(杉田七重)
31) ますますへんてこりんのへんこてりんよ!(すぎもとえみ)
32) てこへんだわ。ほんとにてこりんへん。(芹生一)
33) だんだん、へんちきりんになっていくわ!(高杉一郎)
34) 変てこだわ!変てこだわ!(高橋宏/地下)
35) ますます、妙だわ、ちきりんよ!(高橋康也・迪)
36) あれえっれれれっ!(高山宏)
37) ふぎしったら、ふぎし!(高山宏/新注)
38) チョーヘン、チョーヘン!(高山宏/詳注)
39) いよいよもって奇妙きてれつだわ!(多田幸蔵)
40) まあ、へんてこれんな!(田中俊夫)
41) 奇妙きてれつ!(足沢良子)
42) まあ、まあ、まあまあまあ、まあ!(辻真先)
43) おろろいた。おろろいた。(長澤才助)
(↑個人的には、この訳が気に入っている。7歳の少女が驚きのあまり、舌っ足らずになる感じがよく表現されていると思う。)
44) おどろき、モモの木、サンショの木!(中村妙子)
45) ますます、へえーんだわ!(原昌)
46) ふしぎふしぎ……ふしぎふしぎ……(平塚武二)
(↑主人公の名前が「アリスちゃん」と表記されている。)
47) あらあら、へんちくりんだわ、へんちくりんだわ!(蕗沢忠枝)
48) 変てこりんなの、おかしいの!(福島正美)
49) あら、へえんなの?(藤原一生)
50) いよいよ、ふしぎ。(本多顕彰)
51) あらやだ、どんどん変てこになってくわ!(まだらめ三保)
52) 変なの、おかしいの!(松浦茂夫)
53) 奇妙々々(きめうきめう)!(丸山英観)
(↑主人公の名前が「アリス」ではなく、「愛ちゃん」に改変されている。)
54) これは おかしな きもちだわ。(三島由紀夫)
55) てんてこりんだわ、てんてこりん!(宗方 あゆむ)
56) おや、なんだか みょうな きもちが するわ。(村岡花子)
57) 何これ、どんどんヘンテコりょん!(村山由佳)
58) へんてこんて、へんてこんてえ!(矢川澄子)
59) なんだか、へんだわ。へんな気もち!(矢崎節夫)
60) へんこてりん! へんこてりん!(安井泉/地下&対訳・注解)
61) 奇妙れてきつ、奇妙れてきつ!(柳瀬尚紀)
62) チョーへん!(山形浩生)
63) 変てらりんだよお!(山崎直美)
64) おや まあ へんてこだわ!(横谷輝)
65) おかしいみたいなようで、たまらないわ(吉田健一)
66) まあ、へんてこてんだわ!(脇明子)
67) ますます変だわ(ディズニーアニメ/字幕)
68) ますます不思議だわ(ディズニーアニメ/吹き替え)
69) こんなのはじめてだわ(ディズニーアニメ [パブリックドメイン版]/字幕)
70) ヘンテコリンのヘンテコリン(ディズニーアニメ [パブリックドメイン版]/吹き替え)
71) ましまし変だわ!(ディズニーアニメ [アスコムDVD版])
72) ヘンテコな事ばかりが続く(「アリス 不思議の国の大冒険」 1972年)
73) ヘンよ。何なの。(「不思議の国のアリス」 1985年版/字幕)
74) ヘンだわ。何よこれ。(「不思議の国のアリス」 1985年版/吹き替え)
75) ますます変なの(「不思議の国のアリス」 1999年版/字幕)
76) へえ、何かしら、おもしろいわ(「不思議の国のアリス」 1999年版/吹き替え)
77) ヘンテコな所ね(アリス・イン・ワンダーランド/字幕)
78) ヘンテコリンのポンポコリン(アリス・イン・ワンダーランド/吹き替え)
79) ますますへんてこだわ。(アリス・イン・ワンダーランド小説版/渋谷正子)
80) どんだんおかしくなっていくわ(アリス・イン・ワンダーランド小説版/入間眞)
(↑“どんどん”と“だんだん”を混ぜた表現。この翻訳も上手い。)
81) 変てこてこりん!(「不思議の国のアリス」 ドラマCD)
(↑男性の声優がアリスを演じているという不思議な作品。)
82) ずいぶん変ったところにいるのね(ジェフリー・アーチャー『ロスノフスキ家の娘』第23章/永井淳)
83) いよいよ出でていよいよ奇なり、だな(ジェフリー・アーチャー『剣より強し』第36章/戸田裕之)
84) どんどん好奇心が湧いてくる。(ナンシー・アサートン『ディミティおばさま現わる』第2章/鎌田三平)
85) いよいよ出でて、いよいよ奇なり、だわ(ミネット・ウォルターズ『女彫刻家』第9章/成川裕子)
86) やっぱり何かがおかしかった。(ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q -Pからのメッセージ-』第13章/吉田薫・福原美穂子)
87) ますますびっくり、びっくりだ(クライブ・カッスラー『気象兵器の嵐を打ち払え』第21章/土屋晃)
88) ますます妙だ。(アリサ・クレイグ『潮の騒ぐ家』第18章/浅羽莢子)
89) これはいよいよ奇妙だな(クレオ・コイル『名探偵のコーヒーのいれ方』第22章/小川敏子)
90) 興味は深まる一方よ(サンドラ・ブラウン『殺意の試写状』第21章/林啓恵)
91) いよいよ出でていよいよ奇なりというわけかな。(ロバート・マキャモン『少年時代』第3部第3章/二宮磬)
92) いよいよもってけったいな。(ピーター・ロビンスン『渇いた季節』第10章/野の水生)
93) 村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』第4章に、「どう考えてもプロのホテルマンの声だ。」という文章が出てくる。アルフレッド・バーンバウムによる英訳版では、この直後に「Curiouser and curiouser.」という文章が続く。原文にはないのだが、語り手の心情をわかりやすく表現するために追加されたのだろう。
94) 好奇心旺盛で好奇心旺盛(Google)
95) 好奇心旺盛(DeepL)
付記1:Henri Buéによるフランス語版(1865年)では「De plus très-curieux en plus très-curieux!」と訳されている。この文章をGoogle翻訳で英語に変換すると「More very curious and more very curious」となり、日本語に変換すると「より非常に好奇心が強く、より非常に好奇心が強い」となる。
付記2:「Curiouser and curiouser.」というフレーズが出てくる映像作品リスト
※以下のメモはShoProの認可を受けたものではありません。
資料:
ピノッキオの冒険
ピノッキオの冒険(動画)
ジンジャーブレッドマン(動画)
エンドウ豆の上に寝たお姫さま
エンドウ豆の上に寝たお姫さま(動画)
ゴルディロックスと3匹のくま(動画)
不思議の国のアリス
ふしぎの国のアリス(動画)
雪の女王
雪の女王(動画)
『不思議の国のアリス』研究--日本語訳の比較
Pun翻訳の比較検討:「不思議の国のアリス」の場合
【PAGE 14】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/7a/4aea552cec8ff6244e14703d22cfb1e3.jpg)
(最終稿)
実を言うと、別の次元から来た
魔法の小鬼だけど、オイラがいれば、
どうにかこおにかなるのさ!
(別訳案)
魔法のインプさ。オイラがいれば、
何でもできる! これが本当の
ミッション・インプッシブル!
【PAGE 27】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/a7/0f5237156164c7782059b6b3a4ff75ce.jpg)
(最終稿)
ボクの足はダンス中……だけど拳は顔に命中!
(別訳案)
敵に囲まれ大ピンチ、拳を握ってパンチ!
(最終稿)
自由の翼で羽ばたけ、もうボクは首ったけ
(別訳案)
翼があれば自由の身、後は楽しく生きるのみ
翼の生えたインプ、彼の助けでジャンプ
悪党だらけのこのヤバさ、それを脱するこのツバサ
敵に包囲されたらば、さっさとオサラバ
敵に囲まれ超ヤバイ、翼を使ってバイバイ
背中の翼で空へフライ、欲しいものはミライ
自由を求めてフライ、飛び立つ先はミライ
翼を広げてフライ、飛び立つのさスカイ
ボクの翼を見ておくれ、でも少し時代遅れ
【PAGE 32】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/e2/26f9e7ab9ac40181ff85f6e359866228.jpg)
(最終稿)
というか、パクリデスよ
(別訳案)
というか、失楽園よ
楽園じゃなく、落園よ
【PAGE 45】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/d9/adcc6a53e7c911aacc06a40e8253c996.jpg)
(最終稿)
たとえ翼がなくとも、両手に持ったこの木刀、
群れをなす悪党ども、いざ勝負、このボクと
(別訳案)
ボクの背中に翼はない、両手に持ったこの木刀、
向かうところ敵はない、いざ勝負、このボクと
ボクには翼はない、だけど両手はフリー、
情けなんか必要ない、この心はハングリー
【PAGE 80】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/58/f11ec13077d0dd49c5ad610c012c4c03.jpg)
(最終稿)
人さらい/皿洗いもあるだろ
(別訳案)
誘拐罪/愉快罪もあるだろ
※「Kidnap」(誘拐する)と「Kid Nap」(子供が昼寝する)の言葉遊び。NapはNab(取り押さえる)が変化したもので、Dognap(犬さらい)やCatnap(猫さらい)という派生語もある。
【PAGE 91】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/a9/93f3e5a15654f9a72d369adb62704be9.jpg)
(最終稿)
汚れ品で。
(別訳案)
泥棒価格で。
訳あり品で。
傷あり品で。
ジャンク品で。
(最終稿)
おだまり/ヒマワリって言った?
(別訳案)
うるさい/ウルシって言った?
知るかバカ/白樺って言った?
笑えない/藁がないって言った?
【PAGE 114】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/f7/ddc9e03be6c13ce60c7be70c309be538.jpg)
※原書では、アルフレッドとフラミンゴの台詞が入れ替わっている(このままでも通じないことはないが、そう考えたほうが自然である)。日本語版では、吹き出しの形に合わせて少し改変してある。
左:自分は仕方なくここにいるけれど、どうして君は(翼があるのに)飛んで逃げないの?←アルフレッドの台詞?
右:そんなに簡単ならいいんだけど。←フラミンゴの台詞?
【PAGE 130】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/b9/da0c508940152824b88a3700dfdf3da9.jpg)
(最終稿)
女王様がオカンムリだぜ。
※「Crown」は「頭に冠を乗せる」「頭を殴る」という意味。言葉遊びであるにもかかわらず、原文と訳文のシンクロ率が比較的高い例。
【PAGE 131】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/94/a17dbf9f441f7bfc2e99911fd20eea75.jpg)
(最終稿)
もう…通れない/“とても勝てない”でしょ?
(別訳案)
もう…帰れない/“もう勝てない”でしょ?
もう…くぐれない/“ググレない”って言った?
普通の鏡ですね/“袋の鼠”って言ったの?
不幸の極みですね/“袋の鼠”って言ったの?
通過…できない/“つーか、勝てない”?
行き止まり…ですね/“息が止まる”って言ったの?
置き去りにされました/“大きい猿”って言った?
とおせんぼ…ですね/かくれんぼはここまでよ
これ以上は行けません/あたしはイケイケよ
ああ…手遅れです/お手上げって言ったの?
ああ、もう行けない/ほんま、いけずやわぁ
※この表現は小説からの引用ではなく、ディズニーアニメ版の冒頭に登場する扉の取っ手とアリスの会話であり、以下のように訳されている。アスコム版がもっとも忠実な翻訳なのだが、台詞としてはどうしても不自然になってしまう。いろいろ考えたのだが、ベターな訳文を思いつけなかった。悔いが残る箇所である。
字幕:体が大きすぎて無理だよ/意地悪
吹き替え:とても通れやせんよ/意地悪ね
ノベライズ:体が大きすぎてむりだよぉ~/意地悪!
アスコム版:絶対に不可通だ/不可能ね
【PAGE 132-133】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/31/2e95dcd8acab08403676d27bbd44ae5f.jpg)
(最終稿)
あれまあ、これまあ!
(別訳案)
ありゃまた、こりゃまた
びっくり、どっきり
奇妙奇天烈、奇々怪々
不思議千万、奇々怪々
奇々怪々、摩訶不思議
驚天動地の摩訶不思議
面妖至極にございます
あっと驚くアルフレッド
バット驚くタメゴロー
※「Curiouser and curiouser!」というフレーズは、多くの翻訳者を悩ませてきた難問の一つ。「比較級である」「同じ単語を繰り返している」「文法的には間違っているが、発言者の意図はすぐにわかる」という条件を満たしつつ、正確に日本語に訳すのは至難の業である。過去の翻訳者もそれぞれに知恵を絞って、さまざまな訳文を考案している(以下を参照)。この表現が出てくるのは、私家本「地下の国のアリス」(1864年)と「不思議の国のアリス」(1865年)であり、幼児向けの「子供部屋のアリス」(1890年)では割愛されている。本書では、発言者はアリス(少女)ではなくアルフレッド(高齢の男性)なので、彼のキャラも考慮に入れた上で訳文を作っている。
1) いよいよ(ますます)奇妙な(新英和中辞典)
2) いよいよ出でていよいよ奇なり(リーダーズ英和中辞典)
3) ※おどけた決まり表現(スーパー・アンカー英和辞典)
4) もっと、もっと奇妙きてれつ!(ルビ訳)
5) 変ちきりん、変ちきりん。(芥川龍之介・菊池寛)
6) へんこてりんすぎ!(芦田川祐子)
7) へんちきりんだなあ。ますますへんちくりんだぞ。(飯島淳秀)
8) ヘンテコリンのコンテコリン!(石井睦美)
9) いよいよもって奇妙てけれつかま不思議(石川澄子)
10) へんてこ、へんてこ、へんてこてーん!(石崎洋司)
11) 愈々益々奇妙きてれつだわ!(岩崎民平)
12) ますます以て奇妙だわ!(井上秀子)
13) てんへこりん、てんへこりん!(大久保ゆう)
14) 変すぎ、すぎるわよ!(大西小生)
15) ますますだんだん不思議!(尾上政次)
16) へんてこりんがどんどこりん!(河合祥一郎)
17) どんどんおかしくなってるわ!(神林サリー)
18) てこへん、へんてこ!(北村太郎)
19) やあね、妙ちきりんりんだわ!(きったかゆみえ)
20) 全然へんやーー!(木下信一)
21) まあ、ふぎし!(楠悦郎)
22) きみょうね、きみょうね!(楠本君恵)
(↑風変わりな表現ではなく、風変わりなアクセントとして表現している。コロンブスの卵のような発想の転換である。)
23) へんちきりんだわ。へんちきりんだわ。(楠山正雄)
24) なんこれはなの、なんこれはなの!(久美里美)
25) 妙竹林、妙竹林(みょうちくりん)(酒寄進一)
26) へんな気がすると、へんなことが起こっちゃう!(さくまゆみこ)
27) ぜんぜんびっくり!(佐野真奈美)
28) へんてこ凛々、ったら、へんてこ凛々!(島本薫)
29) ますます変てこりんになってくわ!(生野幸吉)
30) うっひゃあ! 最超におどろいた!(杉田七重)
31) ますますへんてこりんのへんこてりんよ!(すぎもとえみ)
32) てこへんだわ。ほんとにてこりんへん。(芹生一)
33) だんだん、へんちきりんになっていくわ!(高杉一郎)
34) 変てこだわ!変てこだわ!(高橋宏/地下)
35) ますます、妙だわ、ちきりんよ!(高橋康也・迪)
36) あれえっれれれっ!(高山宏)
37) ふぎしったら、ふぎし!(高山宏/新注)
38) チョーヘン、チョーヘン!(高山宏/詳注)
39) いよいよもって奇妙きてれつだわ!(多田幸蔵)
40) まあ、へんてこれんな!(田中俊夫)
41) 奇妙きてれつ!(足沢良子)
42) まあ、まあ、まあまあまあ、まあ!(辻真先)
43) おろろいた。おろろいた。(長澤才助)
(↑個人的には、この訳が気に入っている。7歳の少女が驚きのあまり、舌っ足らずになる感じがよく表現されていると思う。)
44) おどろき、モモの木、サンショの木!(中村妙子)
45) ますます、へえーんだわ!(原昌)
46) ふしぎふしぎ……ふしぎふしぎ……(平塚武二)
(↑主人公の名前が「アリスちゃん」と表記されている。)
47) あらあら、へんちくりんだわ、へんちくりんだわ!(蕗沢忠枝)
48) 変てこりんなの、おかしいの!(福島正美)
49) あら、へえんなの?(藤原一生)
50) いよいよ、ふしぎ。(本多顕彰)
51) あらやだ、どんどん変てこになってくわ!(まだらめ三保)
52) 変なの、おかしいの!(松浦茂夫)
53) 奇妙々々(きめうきめう)!(丸山英観)
(↑主人公の名前が「アリス」ではなく、「愛ちゃん」に改変されている。)
54) これは おかしな きもちだわ。(三島由紀夫)
55) てんてこりんだわ、てんてこりん!(宗方 あゆむ)
56) おや、なんだか みょうな きもちが するわ。(村岡花子)
57) 何これ、どんどんヘンテコりょん!(村山由佳)
58) へんてこんて、へんてこんてえ!(矢川澄子)
59) なんだか、へんだわ。へんな気もち!(矢崎節夫)
60) へんこてりん! へんこてりん!(安井泉/地下&対訳・注解)
61) 奇妙れてきつ、奇妙れてきつ!(柳瀬尚紀)
62) チョーへん!(山形浩生)
63) 変てらりんだよお!(山崎直美)
64) おや まあ へんてこだわ!(横谷輝)
65) おかしいみたいなようで、たまらないわ(吉田健一)
66) まあ、へんてこてんだわ!(脇明子)
67) ますます変だわ(ディズニーアニメ/字幕)
68) ますます不思議だわ(ディズニーアニメ/吹き替え)
69) こんなのはじめてだわ(ディズニーアニメ [パブリックドメイン版]/字幕)
70) ヘンテコリンのヘンテコリン(ディズニーアニメ [パブリックドメイン版]/吹き替え)
71) ましまし変だわ!(ディズニーアニメ [アスコムDVD版])
72) ヘンテコな事ばかりが続く(「アリス 不思議の国の大冒険」 1972年)
73) ヘンよ。何なの。(「不思議の国のアリス」 1985年版/字幕)
74) ヘンだわ。何よこれ。(「不思議の国のアリス」 1985年版/吹き替え)
75) ますます変なの(「不思議の国のアリス」 1999年版/字幕)
76) へえ、何かしら、おもしろいわ(「不思議の国のアリス」 1999年版/吹き替え)
77) ヘンテコな所ね(アリス・イン・ワンダーランド/字幕)
78) ヘンテコリンのポンポコリン(アリス・イン・ワンダーランド/吹き替え)
79) ますますへんてこだわ。(アリス・イン・ワンダーランド小説版/渋谷正子)
80) どんだんおかしくなっていくわ(アリス・イン・ワンダーランド小説版/入間眞)
(↑“どんどん”と“だんだん”を混ぜた表現。この翻訳も上手い。)
81) 変てこてこりん!(「不思議の国のアリス」 ドラマCD)
(↑男性の声優がアリスを演じているという不思議な作品。)
82) ずいぶん変ったところにいるのね(ジェフリー・アーチャー『ロスノフスキ家の娘』第23章/永井淳)
83) いよいよ出でていよいよ奇なり、だな(ジェフリー・アーチャー『剣より強し』第36章/戸田裕之)
84) どんどん好奇心が湧いてくる。(ナンシー・アサートン『ディミティおばさま現わる』第2章/鎌田三平)
85) いよいよ出でて、いよいよ奇なり、だわ(ミネット・ウォルターズ『女彫刻家』第9章/成川裕子)
86) やっぱり何かがおかしかった。(ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q -Pからのメッセージ-』第13章/吉田薫・福原美穂子)
87) ますますびっくり、びっくりだ(クライブ・カッスラー『気象兵器の嵐を打ち払え』第21章/土屋晃)
88) ますます妙だ。(アリサ・クレイグ『潮の騒ぐ家』第18章/浅羽莢子)
89) これはいよいよ奇妙だな(クレオ・コイル『名探偵のコーヒーのいれ方』第22章/小川敏子)
90) 興味は深まる一方よ(サンドラ・ブラウン『殺意の試写状』第21章/林啓恵)
91) いよいよ出でていよいよ奇なりというわけかな。(ロバート・マキャモン『少年時代』第3部第3章/二宮磬)
92) いよいよもってけったいな。(ピーター・ロビンスン『渇いた季節』第10章/野の水生)
93) 村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』第4章に、「どう考えてもプロのホテルマンの声だ。」という文章が出てくる。アルフレッド・バーンバウムによる英訳版では、この直後に「Curiouser and curiouser.」という文章が続く。原文にはないのだが、語り手の心情をわかりやすく表現するために追加されたのだろう。
94) 好奇心旺盛で好奇心旺盛(Google)
95) 好奇心旺盛(DeepL)
付記1:Henri Buéによるフランス語版(1865年)では「De plus très-curieux en plus très-curieux!」と訳されている。この文章をGoogle翻訳で英語に変換すると「More very curious and more very curious」となり、日本語に変換すると「より非常に好奇心が強く、より非常に好奇心が強い」となる。
付記2:「Curiouser and curiouser.」というフレーズが出てくる映像作品リスト
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