twilightの中でつらつらと

色々あってやっと元気になってきました。でもまだ薄闇の中で頑張ってます。フィギュアスケート大好きです。

氷艶見てきました

2019-08-02 09:05:36 | フィギュアスケート
2019年版氷艶-月光かりの如くの公演から1週間が経ちました。
仕事は忙しい時期なので集中してますが、ふっとした合間にいきなり氷艶の色々な場面の音楽が頭の中に流れてきます。
歌詞を覚えてきたら良かったな、そしたら歌えるのにな・・・なんて今更ですが。
その場面とともに頭から離れない劇中曲を作ってくださった川合憲次さん。涙腺崩壊のメインテーマ曲を作って下さった松本孝弘さん。素晴らしい楽曲を有難うございました。

華やかな衣装や舞台と豪華な出演者たち、互いの分野を超えて歌い、喋り、滑る!驚きにみちた素晴らしい演目でした。
出演者の皆さん、得手不得手はあれど違和感を感じないほどのレベルまで稽古を積み上げてこられました。どれほど努力を重ねて来られたのでしょうか
不思議な舞台でした。アイスショーというより二幕物の舞台のようでした。
はっきりしたストーリーがあり、それをセリフや歌やスケートで物語っていきます。
そのせいか普通のアイスショーの拍手のタイミングがちょっと似合わない場面もありました。
スケートなら一曲終わりの演者への拍手。
でも、舞台では物語の途中、シリアスな場面で息をのんで見つめてる観客の集中がそこでほどけてしまうような。
そして華やか且つアクティブな展開なのに、それでも物語の底にずっと流れるのは、孤独感、人の心の行き違いの悲しさや無常観です。
前半にいくつか差しはさまる無邪気な喜びにあふれた場面が、見終わった後で悲しくなるほどでした。

終わってなお愛しさ募るばかりの出演者のことも少し。
平原綾香さんの少し息の混じったふわりと包み込むような声のナレーションと切々と歌う藤壺宮には涙しました。
福士誠治さんは光源氏に振り回されながらも誠実忠勤の信念の男らしい演技と運動神経にも驚いた頭中将。
柚希礼音さんの松浦は立ってるだけでもダイナミックでかっこいい。スターのオーラを放っていました。
ほの暗い情念が立ち昇るような演技が魅力的だった波岡一喜さんの長道。
荒川静香さんのスケールの大きな滑りでさらに引き立つ悪役の大物感満載の弘徽殿女御。
全てを持って生まれながら幸せに見放された美しいステファン・ランビエルさんの朱雀帝
野に咲く花のように無垢なユリヤ・リプニツカヤさんの紫の上
人間ならざる妖魔の如き動きを可能にする織田君の陰陽師。彼の新境地ですね。
情感にあふれ幻のように美しかった鈴木あっこさんの朧月夜。
生気溢れる海賊の少女。その忠誠心はやがて悲しき咲風の村上佳菜子ちゃん。
威厳のある重厚感で舞台に厚みを与える西岡徳馬さんの桐壷帝。
アンサンブルメンバーの皆さんの一人何役もこなす八面六臂ぶり。そして大きなリンクのあちこちでしっかり役柄の演技をされていましたね。
思い出しては氷艶の登場人物の皆様にまた会いたいと、ふとしたおりに空想の世界を彷徨っています。

あ!肝心な主人公大輔さんの光源氏。胸が痛くなるほどの孤独を抱えた若い光源氏像は氷艶オリジナルですが心の奥底に抱える傷や哀しさのようなものが大輔さんにぴったりでした。
大輔さんならではの光源氏を、と演出の宮本亜門さんが仰っていましたがよくぞここまで魅力的に仕上げて下さったとその手腕に感謝しきりです。
最初の本読みの映像みると本番での歌もセリフもあり得ないくらい進歩していて本当に頑張ったんですね!

悲しみと怒りにまかせた疾風のようなあの殺陣シーンの縦横無尽ぶりには毎回驚かされました。そして心が抉られるような独白シーンと最後の舞に見てる私も涙がにじみました。
最後の静かな境地に達したような藤壺綾香さんの慈愛に満ちたナレーションで幕を閉じてくださりこちらも救われた心地がしました。
キャスト、スタッフの皆さんも宮本亜門さんも本当にお疲れ様でした。
そして素晴らしい忘れえない舞台の魔法を見せていただき有難うございました。
どこか異界の地で幼い若宮と頭中将が幸せであらんことを願って

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