メンバーKが配達中に出会った
ボサボサでガリガリの猫さん。
思わず車を停めた。
その姿を見て胸が痛んだ。
あなたは野良に生まれたかったわけ
じゃないのに…
なんの用意も持っていなかったので
翌日ご飯とキャリーを持ち再びその場へ。
いた!!
近づくと逃げて行く。
「お前なんか信用しない」
そんな目をしている。
缶詰を置いてみた。
ガツガツ食べた。
とても空腹そうだ。
お皿にご飯を入れキャリーへ誘導。
美味しいご飯がある事はわかっている。
それでもこの子は一定の距離を保つ。
Kが離れるとご飯を食べに来た。
いきなりキャリーでの保護は厳しそうだ。
できれば保護器は使いたくない。
それからKはこの場所に毎日通う。
この子と少しでも距離を縮めたい。
配達の合間に行くので時間もバラバラ。
だけどこの子はいつ行っても
この場所にいた。
鉄工所や運送会社が立ち並ぶこの場所。トラックの通りも多い。
ある日そこの近くにある
運送会社社長を名乗る男性と
その場所で出くわした。
野良猫に迷惑をしている。
敷地内に糞尿をされ
見かけたら石を投げるのだと言う。
社員がこの猫にたまに餌をやって
いるのも気に食わないらしい。
ご飯にありつけず
ひもじい思いをしている子は
ご飯をくれた人から
離れない傾向がある。
だからこの子はここで
エサがもらえるのを
ずっと待っているんだ。
たまにしかもらえないにも関わらず…
切なくて涙が出る。
可哀想に思う人がいれば
迷惑に思う人もいる。
どちらが正しいとかではない。
1つ言える事は
この子はここでは
生きられないということ。
社長さんに保護を伝える。
決行日は会社の休みの日曜日。
保護器を仕掛ける事に決めた。
明日迎えに来るからね。
絶対ここにいるんだよ!
小さな声でこの子は鳴いた。
初めて鳴いた。
②へ続きます。
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