ケガをした子達のその後

 

＜リオちゃん＞

以前ブログで紹介した片目がひどい状態の三毛ちゃん。

保護主さんが執念で頑張り、やっとやっとやっと・・・保護できました。

私達は、保護主さんに保護器をお貸しし「頑張って下さい！」と声掛けするだけですが

当の本人は、毎日保護器を仕掛け、毎日粘って粘って、失敗すれば落胆し

猫が遠巻きに見ていれば期待し、雨が降れば心配し、ご飯を食べなければ体を気遣い

本当に本当に大変だったと思います。

その時の保護主さんからのメールを今読み返しても、涙が出そうなぐらい努力されていました。

「保護器に入りました！！！」とメールをもらった時は、私達も飛び上がるほど喜びました！！

速攻　病院、手術、入院・・・

残念ながら右目は摘出になってしまいました。

まだ少し目のジクジクは残っていますがだんだん回復傾向です。

保護主さんがこのままリリースするのは忍びないと

ご自分の家で面倒を見られる事になりました。

そんな嬉しい事はありません！！

名前はオリンピックにちなんで「リオちゃん」

なかなかの美人さんでしょ～☆

保護主さんの受け入れが整うまでの間、メンバーＩの家で預かり中です。

メンバーＩ　から

↓

預かった最初の頃と比べると表情が緩んできました。

座り方が飼い猫らしくだらけてきました。

人間が見ている前で顔を洗ったり、平気で爆睡しています。

水の入ったペットボトルの上がお気に入りで、

少しひんやりするのか、よく寝そべっています。

食欲はあり、我慢できなくて今は人間が見ている前でも食べます。

ケージ越しに時々おやつを上げるので、

人間がケージに近付くと、威嚇しようか期待しようか迷うようになり、

顔に「葛藤」と書いてあります。

おやつを食べる時は、ケージの中に手を入れても、

噛みついたり手ではたき落とすようなことはせず、

行儀よく口を小さく開けて、上品に食べます。

おいしい匂いの残った指を嘗めたりしてくれます。

この3－4日、猫じゃらしのおもちゃで遊ぶようになりました。

おもちゃで頭や顔をゴシゴシしても、嫌がりません。

調子に乗っておやつをあげた手で頭を撫でようとすると、

「調子に乗るんじゃねえ！」と、電光石火の猫パンチが飛んできます。

 

こう見ていると、この間のリオちゃんの変化は結構大きいです。

ちょっとずつ薄皮を剥ぐように、

気負いのようなものが影をひそめてきているようです。

人間に対しては甘える経験が無いのですが

頭のいい子なので、甘える愉しさに開眼したら、

その後は速いかなと、期待しています。

今は人間の様子をじっと観察している時期で、

いつかきっと彼女なりに甘えてくれる日が来ると信じています。

 

こんな子ですが、こういう子の心を開いてゆきたいと、

そういうチャレンジャーを待っています。

時間はかかるけれど、きっとツンデレの美猫になるでしょう。

 

＜しっぽな君＞

もう１つ、嬉しい報告。

シッポ切断でエイズ陽性の「しっぽな君」

術後はリリースして、職場の外で面倒を見られる予定でしたが

やはり情が移り、可哀想に思われ、エイズという事もあり

ご家族との葛藤もあったようですが

ご自分の家で飼う決意をされました。

すっかりおうち猫の穏やかな顔になったね。

それにふっくらしたね。

助けてもらえて良かったね～～

今年の冬は寒い外ではなく、おうちの中で過ごせるんだよ。

今度こそ幸せになるんだよ！！

しっぽな君の時も、相談メールを頂き、保護器をお貸ししたあと

病院に連れていくまでと、退院後どうするか・・・

本当に色々と保護主さんの葛藤がありました。

文章にしてしまえば「ケガの子を見つけ病院に連れていき、退院後は飼う事にした」と

ほんの数行で完結ですが・・・その行間に隠れている保護主さんの想い、迷い、葛藤

彼女からもらったメールを読み返すと、痛いほど伝わってきます。

でも彼女は「飼う」決意をされました！

しっぽな君、君は世界１　幸せな猫だよ！

＜茶トラ君＞

この子も、相談メールをいただいた子です。

下記のメールは保護主さんからのメールの一部抜粋です。

許可を得て掲載させて頂きます。

7月中旬だったと思います。

一匹のがりがりに痩せた雄猫が

自宅近くの事務所の駐車場をウロウロしていました。

それまでは全く見たこともありませんでした。

 

数日後に見たときは、事務所の方が餌をあげていました。

餌は猫が来ると上げているようでした。

この様子を見て自分はすっかりこの方が

この猫を飼ってくれると飛び上がるくらい喜びました。

 

しかし、事務所に人は住んでおらず、皆さん朝に出勤してきて

夜遅くまで仕事をしてみえますが、扉が締め切ってあるので

猫が餌をもらいに来ても気づかない時も何度もありました。

また、週末がお休みでお休みの日はほったらかしです。

 

自宅から猫が待っている様子が丸見えなのです。

ほぼ毎日深夜1時ころには

誰もいない駐車場の真ん中に座っています。

 

 

 

早朝に牛乳屋さんが来て、その後に新聞配達の方が来ますが

全く微動だにせず堂々と座り続けています。

5時を過ぎたころ、散歩する犬たちが猫の数メートル傍を通っても

猫は全く動かずじっと座って待っています。

 

ある時、事務所の方と話す機会があったので

深夜からずっと休日も猫が待っていると伝えましたが

それ以上の行動はされませんでした。

 

8月も中旬が近づいており、お盆休みになったら

猫はどうなってしまうのだろうと、いてもたってもいられなくなり、

事務所の方に、お盆前に保護し、病院に連れて行って

去勢をするつもりですと話したところ、あんなボロボロの猫に

そこまでしなくてもいいのにとおっしゃいました。　

猫ちゃんの事を考えると悲しい気持ちでいっぱいになりました。

 

 

この保護主さんは「しっぽな君」の記事を読んで

この子を保護する勇気を貰ったそうです。

 

上のメールを読ませて頂くと、保護するまでの

彼女の葛藤が手に取る様に分かります。

しかし毎日毎日ご自分の家からエサを待つこの子の姿を目の当たりにすれば

やはりネコ好きな方ならほっておけないでしょう。

 

保護主さんは前の子をダブルキャリアで亡くされているので

今回もエイズ陽性と分かり、先住もいるので、この子は狭い１部屋で隔離。

ご家族の反対もあり、保護した後も「これで良かったのか」と

ずいぶん悩まれていました。

 

（保護当時の茶トラ君）　↓

 

 

それから１か月・・・

昨日保護主さんから久しぶりに報告メールが届きました。

 

保護して１か月経ち体力がアップすると同時に

ひどかった口内炎が治まり、ヨダレもかなり少なくなったとの事。

みずぼらしかった外見も、少しずつ綺麗になってきた事。

ゴロゴロスリスリ甘えん坊になった事。

 

そして、この子を預かって下さるお知り合いが見つかったとの事でした。

今はご両親の反対もあり、彼女の部屋で隔離しているので

それが可哀想に思われ、家の中を自由に行き来できる環境に

居させてあげたいという望みがあり、それを叶えられる

お知り合いが見つかった・・・という事でした。

 

（今の茶トラ君）　↓

 

 

 

片目ちゃんも、しっぽな君も、この茶トラ君も

私達は相談こそ受け、アドバイスや応援はしましたが

最終的に判断され動かれたのはすべてご自分です。

 

みなさん、頑張ってる！！

心優しい方ばかりだと本当に感心しています。

私達も見習う部分がとても多いです。

いつも保護主さん達に言うんです。

この先、形を変えて、猫ちゃんからの「ギフト」が必ず届きますよ！と。

 

 

＜グレーちゃん＞

上の３頭の子達が落ち着いたと思った矢先、メンバーＫの職場に現れたグレーちゃん。

片足がテープで巻かれポンポンに腫れた状態になっていました。

治療途中で脱走したのか？　捨てられたのか？分かりません。

触るととても痛がり、悪臭がして、明らかに足が腐り始めている兆候。

巻いたテープが傷を悪化させているのは一目瞭然。

このままでこの子も藤吉郎の様に切断になってしまう！！？

ほっておけず、すぐ病院へ・・・

レントゲンをかけると骨盤骨折もしていました。

そのまま入院・・・なんとか切断を免れたい！！

歩けるようにしてあげたい。

体液と同じ成分の精製水で患部を洗い特殊な加工がされているガーゼを

汁がたくさん出る部分に貼りラップを巻くという処置を１日２回。

「湿潤療法」従来の消毒→乾燥とは真逆の新しい治療法。

最近、私達「人間」にも、ケガや火傷時に盛んに使われる治療法です。

それから１週間・・・・

治療が功を成し、どんどん足の表面の皮膚が再生しキレイになってきました。

お蔭さまで切断は免れ、先日無事退院できました。

警察にも届け出を出しました。

３か月後、どこからも申し出がなければ、この子はメンバーＫの子になります。

よくよく見ると、超～イケメン！！

早く完治して、３か月後には「譲渡会デビュー」しようね。

そんなこんなで、次から次へと目まぐるしくいろんな事がありますが

その都度その都度、迷い、悩み、考え・・・保護主さんも、私達も同じです。

１人だけでは決してできないけれど、複数の力が合わされば大きな力になる！

いつの時も「不幸な猫を助けたい」という個々の熱い気持ちが根底にあり

「物資」「お金」「行動」「治療」「預かり」「アドバイス」などなど

・・・いろいろな形の支援が合わさって、助かる命がある。

これからも１頭でも多くの命を助けたい！救いたい！

心から想います。

ケガと言えば「藤吉郎」も忘れてはいけません・笑

とっても元気です！

３本足で頑張ってます。

まだまだ子猫の保護は続いています。

今週、保護した秋生まれの赤ちゃん猫です。

保護中の子猫は、去年とは比べものにならない数です。

夏が終わろうとしているのに、なかなか減りません。

これがいつまで続くのが、正直めげそうになりますが

それでも、子達を抱っこする里親さん達の笑顔と

すっかり「家猫」の風貌になったねこ達の幸せそうな写真を見ると

めげてなんかいられない！と思います。

譲渡会では保護猫達が「赤い糸」を握りしめて飼い主さんを待っています。

たくさんのご来場、お待ちしています。

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