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人生のエンジンを探してつらつらと....。

「夜明け前」を読みつつ

2011年10月16日 | デジタル&IT

iPhone 4Sがいよいよ発売になり、未だに3Gを使用している僕も、

そろそろ買い替え時かと様子をうかがっています。

 

何しろ3Gのスピード感では、インターネットを快適に利用するのはきつくて、

ほとんどipodとして音楽鑑賞するか、スタンドアローンのアプリを利用することが多いのですが、

アプリの中でもSkyBookは電車の中での読書に便利な事から、気に入っています。

 

SkyBookは著作権の切れた文学作品などを、無料でダウンロードできる電子図書館で、

夏目漱石や森鴎外といった文豪の作品を筆頭に、膨大な数の作品がずらりと並んでいます。

僕が最初にダウンロードしたのは、太宰治の「人間失格」だったりしますが、

通勤電車の中で読んでいると、なんだか暗い気持ちになってきて、

途中で挫折したままです。

 

その後しばらく利用してなかったんですが、

最近になり、

この暗澹とした空気の中、この先日本はどこへ行くんだろうと思ったとき、

もしかして、幕末~明治維新の時代をもう一度振り返ってみると

なにかヒントがあるかもしれないと思い立って、

島崎藤村の「夜明け前」を読み始めたのです。

 

この小説は第一部・上下巻、第二部・上下巻という大作で、

まだ第一部をやっと読み切ったところなんですが、とても面白いんです。

 

内容は、ペリー来航から幕末~明治維新の激動の時代を生きた人々を描いて、

読むほどに、今日の日本の状況に似ていて興味が尽きません。

 

黒船が現れてからしばらくして、江戸に大地震が起きて、

江戸の8割が焼けてしまったとか。

その前後には、静岡のあたりに津波も来たようですね。

人々は次に何が起るんだろうと、戦々恐々としながら生きていた事がわかります。


それまでの価値観や生活様式が30年ほどかけて、大きく変わっていきます。

長く栄華を極めた職業や権威も、それ自体が消滅してしまったり、

全く新しい経済活動が活況し始めたり・・・

 

しかし、その時代に生きているほとんどの人にとって、

次にどんな時代がやってくるのか、

実は知るすべも無いのです。

 

まさに今日とそっくりな気がします。


その時代を現代と重ねあわせるとすれば、ちょうどこんな感じでしょうか。

黒船はインターネット。

 幕府は政府。

藩は会社や官庁。

武士はサラリーマン、

そして「ちょんまげ」はネクタイ。

 

スティーブ・ジョブスをはじめIT業界の人たちが、以前からノーネクタイであった事を思えば、

この先ネクタイが仕事着から消える事も合点がいきます。

さらに今年の節電運動がその流れに拍車をかけたようにも思います。

 

そして、「サラリーマンは気楽な家業ときたもんだ」と植木等が歌ったその職業はどうでしょう。

終身雇用なんてほとんど期待できないし、年金制度もままならない。

だらだらと何も決まらない会議ばかりしている、

今の会社という組織が行き詰まっていると感じるのは僕だけでしょうか。

サラリーマンという職業もそう長く続くとは思えなくなってきます。

 

ちなみに僕が、会社の幹部会議の末席に出席する時は、

形式や建前だらけの議論に退屈しないために、

 出席者全員の頭に「ちょんまげ」を乗せた姿を想像することにしています。

そうすると、まるで江戸時代の武家屋敷の中に居るような気がしてきます。

そんな会社は多いんじゃないでしょうか。


そして、政府も政党も、旧来の枠組みではどーにも期待できない状況にあるように思います。

 

この激動の現代に生きる僕自身、なかなか未来が見渡せない不安と、

しかしまぁどーにかなるさ的な楽観にすがりながら生きているんですが、

きっと、これから先の時代をはっきりと見通している人もいるんでしょうね。

 

僕はとりあえず、「夜明け前」第二巻へと読み進み、

なにか生きるヒントを探すことにします。



 


 

 


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