歯科技工管理学研究

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歯科技工士・岩澤 毅

鹿島俊雄君 [057/057] 26 - 参 - 社会労働委員会公聴会 - 1号

1957年03月25日 | 国会議事録
[057/057] 26 - 参 - 社会労働委員会公聴会 - 1号
昭和32年03月25日

○坂本昭君 四人の方にそれぞれ簡潔にお尋ねいたします。必要があればお返事は詳細でけっこうでございます。
 まず、鹿島さんに医療担当者の人権じゅうりんのこと、それから監査の強化のこと、特に監査の強化とその乱用の危険についてお述べになられましたが、鹿島さんの経験しておられる実例について、一つほんとうにそんな監査があるのだか、そしてまた、そういう乱用の危険があるのだか、何か御承知のことがありましたら一つお話し下さい。

○公述人(鹿島俊雄君) ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。
 現行の監査形態はいろいろございますが、まず実態監査につきまして実態調査を行い、これから監査が始まるわけなのであります。最近の傾向を見ますると、どうもこの対象が非常に過大である。ある例を見ますると、ある担当者に対して四十五、六件の実態監査をやっているわけなのであります。こうなりますと、非常に過重な負担のもとに事務的措置をしている担当者にとって、これでは私は納得できない。要するに、何と申しまするか、完全に重箱のすみをほじくるというようなことなども見えてくる。また、態度等におきましても、厚生当局におかれましては、決してそういう御指示はないと思います。しかしながら、末端に参りますると、非常にこの監査態度が、何と申しますか、医療担当者に対しまして容疑者的な態度をもってくる、はなはだしい場合には、事務官でありまするので、治療実態をなかなか把握しにくい、あるいは診療部位を誤まったり、また、監査に対しても何らか担当者が不正を働いているという前提のような形で監査を行い、実態調査を行われるというようなことがあるのであります。従って、現行においてすらこういう傾向があるこの状況下におきまして、今回の監査強化が行われますると、とにかく質問に答えなければ取り消すというようなこともでき得るわけであります。この間の限界というものは非常にむずかしくなってくる。とにかくわれわれといたしましては、医療担当者の人格というものの点からいきましても、はなはだ行き過ぎである。現行においても拡大解釈によりますると、相当高度に取締規制はできるはずであります。従いまして、これ以上強化するについては、絶対反対だ、こういうような考えをもっております。

○坂本昭君 ありがとうございました。現在では監査の態度が非常に不良で犯人扱いをして、重箱のすみをつつくというような事実、これはまたお尋ねすればいろいろあると思いますが、また、別の機会に私もお聞きしたいと思います。
 そこで、鹿島さんは歯科の担当をしておられますが、もしこの法案が施行のときには、行われるようになった場合には、鹿島さんとしては、教育上の面もいろいろと訴えもございましたが、どういうふうにお考えになられるか、どういうふうな御態度をとられるか、場合によっては、決意と申しますか、ちょっと伺っておきたいのです。

○公述人(鹿島俊雄君) 実は私はこのほかに、日本歯科医師会の専務理事も勤めております関係上、さような御質問があったと存ずるのであります。とにかくこの問題につきましては、全国大会を開き、全会員の総意として御陳情を申し上げておるような現況でありまするので、われわれといたしましては、これが通過いたしますることは、非常に重大な問題であります。従って、まあ歯科医師会等の立場から考えますれば、緊急開催をいたしまして、直ちに適正なる御意見による方途を講じなければならないことになるのじゃないか。しかし、これにつきましては、医療担当者といたしまして、まあ軽挙盲動、われわれの立場というものにさわるようなことのないように、ということを前提といたしまして、しなければならぬとは考えております。



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