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歯科技工士・岩澤 毅

投稿/寄稿 歯学部留年と国試浪人の解消法 匿名 歯科技工士

2018年07月15日 | 歯科川柳・日本歯科新聞


日本歯科新聞 2018(平成30)年7月10日付け(2027号)

投稿/寄稿

歯学部留年と国試浪人の解消法

匿名 歯科技工士

4年制技工学校への編入の検討を



河合塾の19年大学入試の難易度ランキングが発表されました。大学入試の難易度(偏差値)は、上場企業の株価の様に社会からの期待と評価の指標と思います。そして、各校の教職員と学生、卒業生の実績の現れと思います。

歯科技工士関係では、広島大学歯学部の口腔工学専攻、東京医科歯科大学歯学部の口腔工学科ともに、前年の位置を維持しています。大阪歯科大学の口腔工は、昨年同様に、ある歯学部の特待生と同じランクです。

この様な4年制大学での歯科技工士教育の積極的な面も広く知っていただきたいのですが、大学間で比較可能なことから、大阪歯大・口腔工よりも難易度の低い私立歯科大学歯学部歯学科が複数あるので、歯科業界で話題にするのは、躊躇するところです。

歯科大学受験人気の低迷、歯科技工士学校・養成所の入学者不足の背景には、歯科医師需給問題(歯科医師の養成定員過剰、歯科大定員過剰)が確実にあるかと思います。それに伴う、歯科医師国家試験の困難化は、各年次での留年生発生問題。歯科医師国家試験の浪人問題を生み、歯科の世界から消えていく人もいます。緊急に、対策必要です。

そのためには「試論・暴論」として、法改正の必要ない現行の法制度の枠内での歯科医師・歯科技工士双方に利益のある解消方法を考えても良いかと思います。

歯科技工士法
(受験資格)
第一四条 試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
三 歯科医師国家試験又は歯科医師国家試験予備試験を受けることができる者

①現在の歯科医師国試浪人の方たちには、既に受験資格のある歯科技工士国家試験への転身の道があることを積極的に告知し誘導する。
②各歯科大の留年生、特に5、6年次生になり、大学に残れる期間に既に限りのある方には、取得単位を利用し、(大学設置基準等の枠内で)大阪歯科大の口腔保健(歯科衛生士、歯科技工士)の3年次への編入学に積極的に誘導する。
③日本歯科大学は日本歯科大学東京短期大学を4年制学部に再編して、上記の編入学を行う。
④日本大学は付属歯科衛生学校、付属歯科技工学校を4年制学部に再編して、上記の編入学に誘導する。
三大学にとっては、現在ある大学資産の活用とも言えます。募集対象となる他校を含む留年生の姿も、視野に入れやすい構造です。需要は確実に存在するわけで、学校経営のプラスにもなりますから、取り組んで欲しいものです。

 歯科技工士国家試験合格者状況(学校別合格者状況)によれば、平成29年度の歯科医師国家試験受験資格による受験・合格者が6名(前年2名、前前年1名)あったとのことです。模索は、既に最も厳しい境遇に置かれた当事者自身によって始まっています。しかし、まだ当事者とその家庭に知られていない現実があります。

一度は歯科に縁があり、志を持った留年生・国試浪人生が、歯科医師と同等の教育を受けながら時節柄もあり、それは叶わなくとも、当たりしい時代を切り開く歯科技工士・歯科衛生士となり、デジタル技工や超高齢社会の介護と訪問診療を支える人材となる等々も社会的には意義があるのではないかと思います。


http://www.dentalnews.co.jp/

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