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歯科技工士・岩澤 毅

『日本歯技』2015年2月号巻頭言 組織の要諦

2015年02月02日 | 基本・参考


『日本歯技』2015年2月号巻頭言

組織の要諦

 昭和30年の歯科技工法制定と時を同じくして設立された日本歯科技工士会は60周年を迎えます。現在は、60周年地域交流記念大会の開催に向けて着々と準備を進めているところです。

 先般開催された総合政策審議会では有識者委員より、天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ開催された50周年記念大会での天皇陛下のおことばを、この節目の年に今一度かみしめて、組織のありようを考えてはどうかとの示唆をいただきました。

 おことばのひとつひとつに意味が込められているので、宮内庁や日技のホームページを辿って、ぜひ全文をじっくりと読んでいただきたいのですが、陛下は、日技が会員の持つ技術や知識を積極的に公開するとの考えの下に、生涯研修などの事業を進めて、歯科技術の進歩に大きく貢献してきた、これまでの取り組みを評価してくださいました。そして人々が健康に過ごすために歯の健康は極めて大切なので、ここに関わる優れた歯科技工士に対する期待がますます増大するから、今後も人々の健康増進に貢献するようにとのおことばでした。我々がこれからも変わらずに目指すべき道をお示しになられたと思います。

 先達は、歯科技工士として社会に貢献することと、社会的地位の向上のためには団結して活動することが必要と考え、この組織を作りました。地域組織や日技の委員会等で若い会員に接すると、前向きで熱く積極的であり、仲間を増やす活動をしている様子を知ることができます。しかし、その活動の中で、若い世代にとっては高額と感じる会費を払い、あまり必要性があると思えない歯科技工士会に何故入らないといけないのかとの問いに明快に応えるのは難しいと聞きます。

 こんな時は、奇をてらわずに、現状の若い世代の低い組織率では将来には組織が弱くなって、十分な活動が出来なくなることを説明してほしい。日技と地域組織と全国の会員がこの危機感を共有していただき、若い世代への支援と会への結集を呼びかけてください。

 組織にとって最も重要なものは“人”です。より新鮮なアイデアを生み出すことのできる多様な人材が集い、組織を運営する能力のある卓越した人材を将来にわたり育てていくことは、組織が大きな成果を出していくための要諦です。

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