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歯科技工士・岩澤 毅

第2回「歯科技工士の養成の在り方等に関する検討会」議事要旨

2000年01月26日 | 基本・参考
第2回「歯科技工士の養成の在り方等
に関する検討会」議事要旨

1 日 時 平成12年1月26日(水) 10時~
2 場 所 通産省別館9階 902号室
3 出席者 藍委員、五十嵐委員、石綿委員、梅田委員、大池委員、佐藤委員、杉井委員、瀬尾委員、玉置委員(座長)、中西委員、藤井委員、松田委員、三井委員、渡辺委員
(厚生省)瀧口歯科保健課長


4 議 題


1 歯科技工士の養成について
2 その他
5 議事概要


・配付資料について、事務局並びに渡辺委員から説明が行われ、続いてフリートーキングが行われた。


6 主な発言


○ ある県においては、最近における歯科技工士学校の学生募集の際、他県での就職を条件としているところもあると聞く。歯科技工士の需給についての研究においては、地域によってかなり差があることについても考慮することが必要ではない。

○ 歯科技工士として従事している経験年数が浅いとのことで、技術力が低下するという事例について、歯科技工士においても関連することがあると考えても良いのではないか。

○ 技工所の勤務者は非常に短期間で辞めるのが実状となっており、その原因としては、経済基盤が非常に脆弱であることが言えるのではないか。

○ 短期間の就業形態となることには、就業者数に占める女性の歯科技工士の比率が高まってきていることも影響しているのではないか。女性の場合は、男性に比べて稼働率が低くなる傾向が認められる。

○ 今後の歯科技工士を取り巻く状況について、高齢化に伴い歯科技工の需要が増加するとともに歯科技工の高度化、専門化が進むと考えている者が多いのではないか。

○ 歯科技工士需給に関する要因の将来展望について、現状の受療状況が変化しないものとすると歯科疾患量の動向から修復物や補綴物の歯科技工需要は横ばい又はやや減少していくものと考えられる。

○ 外注技工の比率の増加が今後も増加していくことが予想され、そのため歯科診療所に勤務する歯科技工士の需要は、一時的に減少するものと考えられるが、高度な知識・技術を有する歯科技工士の需要は増加することになるのではないか。

○ 関係者の意識調査については、性、年齢について全国平均との比較ができるようにすべきではないか。また、研究でまとめられている表についても相関係数の取り扱いをはじめ、より視点がわかりやすいものとするほうがよいのではないか。

○ 歯科技工士の需給バランスについて考えていく上では、本来、歯科技工物の需要の推移を考えた上でエビデンスに基づき議論をすべきではないか。
 また、需給モデルをどのように考えていくのかについての議論も必要ではないか。

○ 歯科技工士の需給バランスを考えていく上では、歯科技工士の質の問題について整理しておくことが必要ではないか。また、地域差の問題に対して全国的に統一して需給問題の対応を行うのは困難ではないか。

○ 需給バランスの指標として、我が国における医療保険での歯科診療の位置づけが今後、どのように推移していくかについても条件の1つとして加わるのではないか。

○ 指標を考えていく視点として、現在の保険制度が変化することなく、点数も変わらないという限定条件下のもとで予測を行うのが妥当ではないか。ただし、顕在化されてこなかった需要の視点として、介護保険に関連して、補綴物に対する要求が増えてくることが推測されるのではないか。

○ 歯科技工士の将来需給についての研究では、主として人口要因が指標となっているが、それ以外の要因として人口の高齢化、歯科治療の普及向上や歯科医療に対する技術革新などいくつかの要因を加味して、推計できるよう質の高い項目をパラメータに加えるようにすれば、精度の高い推計を行うことが可能になるのではないか。

○ 厚生科学研究で触れられている報告書の中で歯科技工技術の動向として「 CAD/CAMのようなものがでてきても、歯科技工士の需要にはあまり影響しないだろう」との結論になっているが、むしろ影響してくるとの指摘もあり歯科技工に関する教育並びに研究に反映されることになるのではないか。

○ いろいろな角度の視点を踏まえることで多くの疑問がでてくるのは当然のことであるが、厚生科学研究で行われている調査研究は、「現状を踏まえた状態」がベースで、地域差を踏まえ全国的な状態として平均値をとっているので、このようなデータとなっているが、今後、歯科技工士の状態をどのようにするかの視点を重視しながら、教育の問題を含め一つのものを積み上げていくことが必要ではないか。

○ 我が国における歯科医療サービスはアメリカのような自由経済の中で進めることは難しく、統制経済の中での対応を図って行くことになると思われるが、自由競争を阻害しない状態を踏まえつつ、今後、少子高齢化社会を迎え、同時に子供のむし歯が少なくなっているなかで、将来、今の子供たちが成人した時の補綴の数は減少してくる視点を重視していくことも必要ではないか。

○ 歯科技工士の需給を考えていく上では、必要とされる歯科技工物数の他にう蝕の減少等歯科疾患の推移により歯科技工物の需要が変化することについても考慮してはどうか。

○ アンケート調査で、高齢化の進展に伴い義歯等の歯科技工需要が増加すること並びに今後の潮流として歯科技工について内容の高度化、専門分 業化が進んでいくことについて多くの者が回答していることも重視すべきではないか。

○ 歯科技工士に求められる資質の問題についても考慮すべきであり、従来の養成カリキュラムでは、求められる資質を確保できるのかが課題であり、教育内容の改善を図ることが必要ではないか。

○ 「医療関係職種の教育課程等の改善に関する検討会の意見書」において、医療の一つの在り方として、チーム医療としての取り組みが不可欠であるとされており、歯科技工士の教育課程の中で確立されていく視点が重要となるのではないか。

○ 国家試験において実技試験を行うのは、必要なことであり、歯科医師の場合には、実技試験を行うことで、間接的に今までのクラウンやブリッジの頻度が減少することになるのではないか。

○ 我が国で行われている歯科技工士の教育は国際的にみて世界一ではないかと確信しているが、諸外国の比較が可能かは別として、国際的に見て歯科技工士の教育がどうなっているのかが明らかな資料がある場合は、提出をしていただきたい。

○ 歯科技工物の質に関連するエビデンスを立証するような資料があれば、次回準備をしていただきたい。

○ エビデンスに接近する試みができないと、非常に大事な議論の結論部分をまとめることが非常に難航するのではないか。歯科技工士が著しく過剰となった場合に歯科技工物の質が低下したり歯科技工士の質が低下し優秀な人材が集まらないというの、一般経済社会ではちょっと考えられないような回答になっているのではないか。

○ 統制経済という言葉が使われているが、それは今や決して正確な表現ではないのではないか。北欧やイギリスにおいてもインナーマーケットという概念規定となっており、過剰な価格競争なりあるいは過剰な人員というのを判断する際には、何が過剰で何が適正かというの課題が整理されないかぎり結論を導き出すことは困難ではないか。

○ 次回は3月1日(水)午前10時から開催することとする。



問い合わせ先
健康政策局歯科保健課 担当 上條
電話03-3595-2205

http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s0001/s0126-3_10.html

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