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本当は怖いあかりの誘惑

一連の大騒動をおさめた葉っぱぎ人たち。

しかし藤田主水は月番から非番になって暇そうだった。
「もう、非番だからってゴロゴロしてないでよ」
「あかりぃ、ちょっと出かけてくる」
主水は志保の瓦版屋へ。しかし版元の新吉が志保のネタをあてにしてやったきたのだ。
「どうにもならないから、あなたにお願いしているわけで」
「ちょっと何とかしてよ。こっちも寺社方ににらまれたらいくら命があっても足りないわよ」
そこへ主水が入ったからさぁ大変。
「これは町方の。いかなる御用で」
「志保、この男と何話していた」
「さぁ。八丁堀もちょっと立ち聞きしてたんでしょ」
図星だった。
「で、その寺社方ににらまれている事っていうのは何だ」

実は法学寺を破門になった破戒坊主が寺社奉行所の池田と神崎と歩いているのを、志保が目撃したと言うのだ。
「それがどうした」
主水の言う通り、これだけでは犯罪も何も成立しない。しかし破戒坊主はレイプを働き、さらに池田と神崎は周囲の人間数人を惨殺したという。
「そのちょっと前にあたしが見たもんだから・・・八丁堀、助けてくれよ」

さっそく主水は志保と葵を藤田家に入れてミーティング。
「池田と神崎の無差別惨殺は確かにむごい。しかしそれを裁けないのが幕府の現実なんだ」
「・・・こうなったら私たちの手でなんとか片を付けましょう」
志保と葵は乗り気だった。しかしあかりは消極的である。
「あたしもこれに参加するの?」
「もちろんだよ」
「あたし主水さんと一緒にいつまでもいたいの。先に逝きたくないの」
だが、あかりの涙の訴えも主水は聞き入れなかった。あかりはとうとう家出してしまう。

時を同じくして、酉の会にも池田と神崎を始末してほしい人たちが直訴していた。
「これを元締に」
それを見た千尋だったが、その中に志保がいるのが気になってしょうがなかった。
池田と神崎、そして破戒坊主の竜念を呪う句が詠まれ、千尋はこの仕事を引き受けることになった。

「やる相手はわかっているわね」
「・・・もしかして」
「そう、寺社奉行所与力の池田、吟味役神崎、そして破戒坊主の竜念」
千尋と瑞希があかりに小判を渡した。そしてあかりは千尋、瑞希とともに竜念のレイプ癖を逆手に取る作戦に出た。

竜念は池田の役宅の地下室でのうのうと俗世ぐらしをしていた。
「おい、酒はないのか。そんだったら女を」
しかし池田も家人も返答しない。そして竜念は外へ出て行った。
あかりは竜念が来るのを待った。千尋と瑞希は待ち伏せて竜念を討つ構えだった。
竜念が女に気づく。それはあかりだった。竜念はすかさず巨体を揺らしてあかりをかっさらい、屋根の上で着物を脱がそうとする。
ところが、それを最初に出た新吉が見てしまったからさぁ大変だ。
「やっぱりお前だったのか、竜念」
「お前がしゃべらなきゃ俺はのうのうと陽気に生きられる」
「妹を犯した悪い坊主が!」
その隙にあかりは竜念の身体をすり抜けることに成功。しかし新吉は駆けつけた神崎に斬られた。

神崎に新吉が斬られたことを知った志保、そして主水。あかりたちのあまりにリスキーな陽動作戦が、寺社奉行所を揺るがす大仕事になった。

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