札幌で世界の最新アート作品に出合える特別なアートイベント「札幌国際芸術祭」。6年半振りとなる「札幌国際芸術祭2024(SIAF2024)」は札幌市内6ヵ所を主要会場に2024年1月20日〜2月25日の会期で『LAST SNOW』というテーマの下で開催されます。「北海道立近代美術館」ではその一会場として1924年から現在までのアートに焦点を当てた特別展「1924‐2024 FRAGIE【こわれもの注意】」が開催中です。
本日は北海道立近代美術館で開催中の札幌国際芸術祭2024(SIAF2024) LAST SNOW 「1924‐2024 FRAGIE【こわれもの注意】」の鑑賞です。SIAF2024の主要会場6か所で開催中の企画の一つで「明和電機 ナンセンスマシーン展 in 札幌」@札幌芸術の森美術館に続いて2か所目の鑑賞です。
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北海道立近代美術館東側ゲート。
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展示会場入口。スマホの「札幌国際芸術祭2024」デジタルチケット(市民・道民パスポート)をピッと読み取らせて入場です。 会場内は写真撮影OKです。
【ひろがる】
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会場内は1924年から2024年までの100年間の北海道立近代美術館収蔵作品と現存作家たちの新作が『ひろがる』『ゆだねる』『シンプルに』『つながる』の4つのキーワードに整理され展示されています。写真は『ひろがる』のコーナー。
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最初に展示されているのは北海道における重要な産業である北洋漁業を撮影した平野禎邦の写真集《北洋》(1968-82年)ほかの写真の数々。北海道が国際関係における空間で拡張と縮小に直面した最先端が北洋漁業だということからのようです。
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択捉島沖での漁。最後は択捉島北部。
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本田明二《北洋の男》1969年。ハチマキとマスク姿の漁夫。![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/6f/901ed60b3c33c6477e3f4823e76590a4.jpg)
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砂田友治治《北海の男たち》1965年。
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過去100年の起点となる1924年の作品2点。俣野第四郎《ハルピン風景》1924年(上)と上野山清貢《とかげを弄び夢見る島の乙女》1924年(下)。
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当時の日本の中国東北部(当時の満州)や南洋への国家進出(『ひろがる』)を背景とする作品。
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『ひろがる』を締めくくる行武治美(制作協力:森崎かおる)《凍景》2024年。ガラスによる光と音のインスタレーションで人間の空間体験を拡げる新しい作風に注目したそうです。
【シンプルに】
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『シンプルに』のコーナーでは20世紀において受け継がれていった抽象表現やデザインの作品を展示。
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リチャード・アヌスキウィッツ《ライト・カドミウム・レッド・スクウェア》1979年。
【ゆだねる】
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難波田龍起《軌跡》1956年。『ゆだねる』のコーナーではシュルレアリスムの誕生を出発点に前衛的な作家の作品が並びます。
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宮田彩加《MRI SM20110908》2016年。『ゆだねる』のテーマに沿う現存作家の作品とか。家庭用コンピューターミシンの刺繍データをプログラミングし、そこにバグを生じさせ「ゆだねる」ことで支持体のない刺繍作品を制作している作家だそうです。
【つながる】
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『つながる』コーナーの中村木実《エジプトの月》ほか。同コーナーでは自然と対峙する人間同士のつながりや人間と自然のつながりについての作品を展示。
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北海道立北方民族博物館蔵《イヌイットのまあるい世界》作者不詳。
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石井享《東京景_074426892_駅前》2022年。フィルムカメラによって撮影した東京の風景をデジタル加工することで制作した「現代の浮世絵」だそうです。
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レオナール・フジタ(藤田嗣治)《平和の聖母ステンドグラス:聖チェチリア》1966年(藤田と共同制作を行っていた工房による2008年再制作)。
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展覧会のラストでは絵本作家・あべ弘士氏の絵本原画やスケッチ、インスタレーション等を多数展示しています。![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/48/d52fc4f5ca835a2ad5938f562ee90ff4.jpg)
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あべ弘士《ライオンの風をみたいちにち》2018年。自然と人間との生き生きとしたつながりを現した作品で展示は締めくくられます。
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会場内に置かれているアート作品梱包用の木組み。今回の特別展 「1924‐2024 FRAGIE【こわれもの注意】」を象徴するものということでしょう。
すなわち・・“アートは物理的にフラジャイルなばかりでなく、そこに込められた諸価値もまたもろく、それでも取扱方があるものなのではないでしょうか。こわれやすさは、その対極にある強さや頑丈さに比べマイナスの要素と見なされがちです。しかし、今日の様々な危機の底に強さへの盲信があるとするならば、それに向き合うための手がかりが、アートのフラジャイルな価値のなかには潜在しているはずです。本展がそれらへの気付きを増すきっかけとなれば幸いです(開催概要より)。”(引用終わり)・・・なるほど。今日の危機への対応はフラジャイルたれ!・・というメッセージのようでした。
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併せて100年の時間軸に中で4つのテーマごと所蔵品が展示され北海道立近代美術館の多様で豊富なアーカイヴを感じる展覧会ともなっていました。ありがとうございます。
「札幌国際芸術祭2024 / SIAF2024」
会期:2024年1月20日(土)~2月25日(日)[37日間]
※札幌芸術の森美術館会期は下記のとおり
※さっぽろ雪まつり大通2丁目会場会期は2024年2月4日(日)~2月11日(日・祝)
会場:未来劇場(東1丁目劇場施設)、北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館、札幌文化芸術交流センター SCARTS、モエレ沼公園、さっぽろ雪まつり大通2丁目会場 ほか
https://2024.siaf.jp/
会期:2024年1月20日(土)~2月25日(日)[37日間]
※札幌芸術の森美術館会期は下記のとおり
※さっぽろ雪まつり大通2丁目会場会期は2024年2月4日(日)~2月11日(日・祝)
会場:未来劇場(東1丁目劇場施設)、北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館、札幌文化芸術交流センター SCARTS、モエレ沼公園、さっぽろ雪まつり大通2丁目会場 ほか
https://2024.siaf.jp/
「1924‐2024 FRAGIE【こわれもの注意】」
会期:2024.01.20(土) - 2024.02.25(日)
開館時間:9:30 - 17:00(入場は16:30まで)
会場:北海道立近代美術館(札幌市中央区北1条西17丁目)
電話番号:011-644-6881
休館日:月曜日(月曜日が祝日または振替休日のときは開館、翌火曜日は休館)/年末年始(12月29日~1月3日)/展示替期間等
休館日:月曜日(月曜日が祝日または振替休日のときは開館、翌火曜日は休館)/年末年始(12月29日~1月3日)/展示替期間等
主催:札幌国際芸術祭実行委員会、札幌市、北海道立近代美術館
(2024.1.27)