お兄ちゃん日記

2017年9月14日、今日からこのブログでやってみることにします。

年の瀬

2022-12-28 04:32:22 | 日記

年の瀬

 

一般的には、12月の中旬から31日までのことを「年の瀬」と呼ぶ。

しかし、特に決まりはなく、12月に入ってから使っても問題はないようだ。

但し「年の瀬が押し迫り」や「年の瀬が近づき」など表現によって使う時期が異なったりもする。

なぜこの時期を「年の瀬」と呼ぶのだろ?

「年の瀬」の「瀬」は、「川の中の歩いて渡れる程度に浅い所」のことで「川の中の急な流れ」の意味もある

ようだ。

浅くて流れが急な場所は、渡るのにもドタバタと苦労する。

川の瀬は、船では難しく歩いても流れが激しいのでかなり危険で、ドタバタ命がけで渡らなければならない。

この「瀬」の前に「年」が付いたのが「年の瀬」で、1年の中でも一番忙しくバタバタする時期のことを意味

するようになったそうだ。

しかし、なぜ「年の瀬」は忙しくて慌ただしいのだろうか?

江戸時代の商いの習慣からきたそうだ。

江戸時代の庶民は、商品を「ツケ」で買い、代金の清算は、盆と暮れにしていた。

特に暮れは、正月の準備があり何かとお金が必要な時期で、借金を返済すれば正月の準備ができなくなる人も

少ない。

精神的にも苦労がかさむ時期で、ツケを払ったら正月の餅も買えない。

まさに、川の瀬に立った、危機的な状況と言えたのだろう。

「年が越せた」というように無事に借金を返し正月を迎えられることが、庶民の細やかな喜びだったようだ。

一方、「年の瀬」は商人にとってはツケを回収する稼ぎ時だった。

除夜の鐘が鳴るまでにツケを回収しようと走り回り、お金が集まったら徹夜で帳簿を付けていたそうだ。

このように「年の瀬」は、江戸時代の商人や庶民にとって、正月を無事に迎えられるかの差し迫った時期だっ

た。

つまり、ドタバタした様子が、川の瀬を渡るイメージにつながり、「年の瀬」の語源になったようだ。

その江戸時代からの感覚が、現在も日本には残っている。

借金の返済ではないが、正月に向けて慌ただしく働く姿は今も昔も変わらない。

江戸時代から続く日本独特の雰囲気が「年の瀬」という言葉には含まれていることを忘れたくないものだ。

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