台風の通り過ぎた朝。
陽光の筋が普段よりも陰影に富み、朝焼けでもないのに、茜色を含んでいる。
白いレースのカーテンに庭の隅の桜の葉影が揺れる。
声が変わりましたねと言われて、声質の変化が言動を迷わせているとは応えられずに、
以前の声のキャラクターに沿った、おちゃらけを言おうとして違和感が残る。
伝えたいことはどうして伝えられないのだろう。
そもそも自分に伝えたいことなんてあるのだろうか?
情動のひとつひとつの塊りを解きほぐすように呼吸を整える。
泣いたり笑ったりの根源がひどく小さな球体で固着しているみたいな印象。
吸って膨らませて、吐いて丸めて。
イメージだけでも空気を循環させる。
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