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監督:ザック・スナイダー
脚本:ジェイムズ・ガン
出演:サラ・ポーリー、ヴィング・レイムス
ホラー映画の傑作、モダン・ゾンビ映画の先駆けとなったロメロの『ゾンビ』のリメイク作。あまりにも出来過ぎた名作のリメイクは、うまくいかないことが多いが本作は成功した数少ない例と言って過言ではない出来。オリジナルのショッピング・モールに立て籠もるという設定は引き継いでいるものの、その他は大胆に変更。何といっても全力で走って襲ってくるスピード感は、圧倒的な怖さを生んでいて、手に汗握るスリルという点ではオリジナルを超越している。また、登場人物が多い割に、キャラ設定もしっかりしていて、それぞれ埋没することなく生かされているのも、他の凡庸なホラー映画(特に出来の悪いゾンビ映画)とは一線を画している。
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残酷場面はそれなりにあるが、内臓を抉り出すような直接的な描写は残念ながら少ない。飛び出す血しぶき、リアルなゾンビの造形は良くできているが、嫌悪感を催すようなゴアな描写ではないのだ。それよりも、スピード感やアクション描写に重きを置いている感じがある(この辺、いかにも現代的。ゆっくり歩くゾンビはもはやクラシックな感じなんだろうか)。特に、ショッピング・モールから大量のゾンビの中をかき分けて、改造バスで脱出する場面は出色の出来。チェーンソーでゾンビを切りまくり、ガスボンベ爆弾の爆圧でゾンビを一気に吹き飛ばす!こんな風にゾンビを蹴散らせたら、さぞ快感だなあという妄想を現実に見せてくれたスタッフに感謝!なのだ。
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ただ、あえて批判的なことを言えば、エンタテイメントに走りすぎた結果、オリジナルにあった無常感や社会への痛烈な風刺、世紀末を予感させる不気味な空気はこちらには無い。劇中で、有名人に似たゾンビを探してライフルで撃ち殺すお遊びに興じるようなブラックで、軽い感じがこの映画には似合っている。だから、見終わっても、なんだかスッキリ爽快、リフレッシュできるゾンビ映画、そんな感じだ。
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