GORE LOVERS

血しぶきホラー映画無法地帯

デモンズ

2014-10-27 23:56:30 | ゾンビ
DEMONI
製作:ダリオ・アルジェント
監督:ランベルト・バーバ
特殊メイク:セルジオ・スティバレッティ
出演・ナターシャ・ホーベイ、ウルバノ・バルベリーニ




女子大生のシェリルはベルリンの地下鉄の駅で不気味な仮面をつけた男から映画の試写状を手渡される。映画館はメトロポールという聞いたことのない名前だったが、友人のキャシーを誘って観に行くことに。映画は、ノストラダムスの墓が暴かれて、その呪いで人々が殺されていくというストーリー。ところが、その上映中に、ロビーに置いてあった仮面を被って顔に傷を負った観客が怪物化、他の観客に襲いかかる。



館内はパニック状態になり、観客らは逃げ出そうとするが、出口のドアを開けるとそこにはコンクリートの壁が出来ていて外に出ることができない。さらに映写室に行って映画を止めようとするが、そこには誰もおらず無人だった。この映画を流していたのは誰なのか!?犠牲者が増えていく中、突然ヘリコプターが落下してきて、キャシーらは空いた天井から脱出する。しかし、外の世界もすでに無法地帯となっていた・・・。



ダリオ・アルジェント製作、マリオ・バーバの息子ランベルト・バーバが監督したサバイバル・ゾンビホラー。映画では、ゾンビという名前は使われていないが、噛まれると仲間になってしまう現象はゾンビと同じ。ただ、デモンズというタイトルからも、悪魔が使徒を増やしているようにも見えなくもない。ちなみに、アルジェントは同時期に共同製作を構想していたロメロの『死霊のえじき』が暗礁に乗り上げたため、こちらの『デモンズ』をスタートさせたよう。『ゾンビ』のアルジェント監修版がゴブリンの音楽を前面に打ち出した軽快なサバイバル・ホラーだったように、この『デモンズ』も派手目だが、ドラマの内容は薄いアクションホラーに仕上がっている。対して、ロメロの『死霊のえじき』が重厚でヒューマニズム溢れる地味な作品になっているのとは実に対照的。




イタリアン・ホラー界の重鎮だったマリオ・バーバと比べると、息子ランベルト・バーバの演出は比べるのも可哀想なものだが、当時最大級の製作費をかけて仕上げた特殊メイクによる派手なスプラッターシーンと、ヘビメタを多用した音楽で、とにかく目と耳に訴えかけるものはかなりのもがある(この辺、フーパーの『スペース・バンパイア』にも通じるものがある)。内容をゆっくり吟味する暇もなく、最後までパワフルに駆け抜けていくこの『デモンズ』は観た後には特に何も残らないが、ある種の爽快感味わえるのには間違いない。




続く『デモンズ2』では再びランベルトが監督、今度は高層マンションが舞台になり、デモンズが暴れまくるが、基本的には同じ路線。その後、似たような邦題でシリーズが作られているが、直接的な繋がりは無い便乗作品が多い。

死霊のえじき

2014-10-27 22:28:17 | ゾンビ

DAY OF THE DEAD(1985)
監督・脚本:ジョージ・A・ロメロ
特殊メイク:トム・サヴィーニ
出演:ロリー・カーディル、テリー・アレクサンダー、ジョセフ・ピラトー






生者と死者の数が逆転してしまった世界。地上には膨大なゾンビたちがあふれ、街はゴーストタウンと化している。僅かに生き残ったグループが軍の地下倉庫に立て籠もって生活しているが、そこでは科学者と軍人との衝突が絶えず、重苦しい空気が続いている。ある日、研究に打ち込むローガン博士が軍人の死体をゾンビに食わせているのを知ったローズ大尉は博士を射殺、サラたち科学者グループもゾンビの群れに放り込み抹殺しようとする。しかし、なだれ込んできたゾンビの群れにローズたちもえじきとなり全滅、サラと生き残ったヘリパイロットらはからくも脱出する。




ロメロのゾンビ・サーガ『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』『ゾンビ』に続く3作目。夜~夜明けときて、ゾンビたちは太陽が照らす日中をもついに占拠、圧倒的な数で人類との立場を逆転した絶望的な世界が舞台になっている。当初、ロメロはゾンビと軍隊が激突する大規模なアクションものを想定していたが、共同出資を計画していたアルジェント側の資金調達が困難になり、規模を大幅縮小、脚本もかなり変更し、終始暗い地下施設で物語が展開する内容になってしまった経緯がある。





本来ならば立場を越えて協力して生き残る道を模索しなければいけないのにいがみあう人々。ローガン博士は研究のためなら多少の犠牲はやむなしと考え孤立、前任者が死んで軍のリーダーになったローズは科学者の研究が進まないことに常に苛立っている。その結果、さらに犠牲者が増えていく。理解しあえない人々の対立の歴史は、当時の米ソ冷戦時代を思い起こさせるが、21世紀の今現在だって、西洋諸国とイスラム諸国の対立なんかがあって、何も状況は変わっていないのかもしれない。




ストーリー的には非常に暗く重いドラマ展開だが、時折挟み込まれているゴア描写は強烈。内臓ハミ出し、脳髄剥き出しゾンビは当たり前、クライマックスのゾンビが食い殺しまくる阿鼻叫喚地獄まで、トム・サヴィーニが作り出したビジュアルはそのリアルさにおいて最高峰まで上り詰めたのではないだろうか。ローガン博士が飼いならそうとするゾンビ“バブ”というキャラクターが若干微笑ましい時間を与えてくれるが、暗いストーリーと血まみれゴアシーンのおかげで、前作『ゾンビ』ほどメジャーな作品にはなれなかったのは残念。当時、派手な内容で同時期に公開された『デモンズ』に興業的に惨敗したのも致し方ないかもしれない。





DVDのときに出ていた「最終版」は残酷描写が大幅カットされた“最低版”だったが、その後「完全版」がリリース。現在ではBlu-ray版も出ている。








ブログ、スタート。

2014-07-28 12:44:44 | 日記
ちゃんと、投稿されるかな?