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老いればさまざまな面で、肉体的および機能的な劣化

2024-04-29 10:28:40 | ニュース
老いればさまざまな面で、肉体的および機能的な劣化が進みます。

目が見えにくくなり、耳が遠くなり、もの忘れがひどくなり、人の名前が出てこなくなり、指示代名詞ばかり口にするようになり、動きがノロくなって、鈍くさくなり、力がなくなり、ヨタヨタするようになります。

世の中にはそれを肯定する言説や情報があふれていますが、果たしてそのような絵空事で安心していてよいのでしょうか。

医師として多くの高齢者に接してきた著者が、上手に楽に老いている人、下手に苦しく老いている人を見てきた経験から、初体験の「老い」を失敗しない方法について語ります。

*本記事は、久坂部羊『人はどう老いるのか』(講談社現代新書)を抜粋、編集したものです。
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医療は死に対しては無力です。それどころか、よけいな医療は死にゆく患者さんを苦しめるばかりです。よけいな医療というのは、死を遠ざけようとする処置です。
こういうイヤだけれどほんとうのことを、医療者がなかなか口にしないのは、患者さんや家族から「見捨てるのか」「あきらめろと言うのか」と非難されかねないからです。
「まだ治療の余地があります」とか、「なんとか別の方法を試してみましょう」などと言う医者も、内心では何もしないほうがいいんだけれどと思っているというのが、ほんとうのところです。
一方、死にゆくがん患者さんに必要な医療もあります。それは痛みをコントロールするために医療用麻薬の使用です。モルヒネが主ですが、ほかにも人工麻薬のフェンタニルやオキシコドンなどもあります。飲み薬や持続注射、座薬や貼り薬もありますから、患者さんの状態に応じて使用できます。
麻薬というと、中毒や副作用を恐れる人もいますが、死にゆく人に中毒の心配をするのはナンセンスですし、使用量をまちがわなければ副作用で命を縮めることはありません。
いや、親戚のだれそれは麻薬を使ったらすぐ亡くなったというようなことを言う人もいますが、それは麻薬の副作用で亡くなったのではなく、麻薬を忌避するあまり、亡くなるギリギリまで使わずにいたから、使ったらすぐに亡くなったように見えるだけです。

麻薬は怖いなどという思い込みで、がんの末期で痛みに苦しんでいる患者さんを我慢させるほど、愚かで残酷なことはありません。

私ががんになって最期を迎えることになれば、早々に医療用麻薬を開始してもらって、麻薬の安楽なもうろう状態で、この世とお別れしたいと思います。



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