ディパーテッド（２００６年・アメリカ）

原題：THE DEPARTED
監督：マーティン・スコセッシ

出演
ビリー・コスティガン役：レオナルド・ディカプリオ　　
コリン・サリバン役：マッド・デイモン　　
フランス・コステロ役：ジャック・ニコルソン

マーティン・シーン　　マーク・ウォルバーグ　　ヴェラ・ファミーガ
レイ・ウィンストン　　アレック・ホールドウィン　　アンソニー・アンダーソン
ジェームス・バッジデイル　　クリスティン・ダルトン


先日から何度も書いてきたとおり、と言うか皆さんご存知の、
この映画は香港映画の「インファナル・アフェア」をリメイクした作品です。

見終わってすぐの感想は「ああ、やっぱりハリウッドものだな～～」と言う感じでした。


あらすじ
子供の頃、マフィアのボス・コステロと偶然知り合いになり、
気に入られ、何かと生活の面倒まで見てもらうようになったコリンは、
警察内部の情報をマフィアに流す内通者となるため、
コステロの指示で警察官になります。

一方ビリーは、犯罪者一族に生まれ育ち、そんな自分の生い立ちを断ち切るため、
警官になろうと決意し、警察学校に入り、優秀な成績で卒業します。
しかしそんな彼に課せられた任務は、マフィア組織への潜入捜査でした。

やがて警察では、自分たちの情報が、マフィア組織に洩れていると気付き、
またマフィア組織内にも警察の「ネズミ」がいると解り、
それぞれに正体がばれそうになり、２人は窮地に追い込まれていき・・・・


基本的なストーリー展開は同じですが、さすがハリウッド物と思ったのは、
配役にしても、色々な事柄の見せ方にしても、はっきり解り易い点ですね。

マフィアのボスに、ジャック・ニコルソンだなんて、
出てきただけで「悪いヤツ」オーラが全開ですし、
潜入捜査のためとは言え、マフィアの一員になったのが、マッド・デイモンではなく、
最近益々アクが強くなってきて「ワル」になってきた感じのレオナルド・ディカプリオ。
そして、まさかマフィアの一員だなんて見た目では思えなく、
何時正体がばれるか、ちょっと不安を抱えた感じが良く似合うマッド・デイモン。

香港版のほうは、アンディー・ラウも、トニー・レオンも、
マフィアのボスのエリック・ツァンでさえも、出てきただけで「ワル」と言う感じは無く、
（エリック・ツァンは何時もヤクザな役なので、すぐに解るんですが・・・・・・）
強いて言えば、警部のアンソニー・ウォンが一番強面かな？

ディパーテッドのほうは、黒は黒・白は白とはっきり解る演出で、
インファナル・アフェアの方は、見る側に黒や白を感じさせる演出と言う感じがしました。

見終わってすぐには、
「やっぱりハリウッド物だな～この迫力、
リメイク版って言うけれど、これはこれで面白い」と思いました。

ところが、原作と比べたくなって、もう一度インファナル～を見直したら、
やっぱり、原作の方が良いかなって思いました。

これは好みの問題だと思うのですが、
物事を何でも欧米式に白黒はっきり言われるのが良いか、
はっきり言われるより、自分で感じるのが良いかの違いでしょう。

たいていの場合、リメイク版はどうしても原作版のイメージが強くて
「どうかな？」と、ちょっとガッカリと言うのが多いですが、
この作品の場合、どっちが良いかは、やっぱり好みの問題かな？と思います。

「イルマーレ」も韓国版とハリウッド版を見て、
私は韓国版のほうが良いと思ったのですが、
これも、やっぱり白黒はっきり言われるか、感じ取らせてくれるかの違いの、
どちらを自分が好むかと言う事だったように思います。

機会があれば、原作版とリメイク版を見比べてみるのも良いですよ。


ちょっとネタバレになりますが、
最後ビリーとコリンが対峙するシーンで、
ハリウッド版はかなり殴り合い、血を流し・・・・、
香港版では、殴りあうなんて無く、
気がついたら相手が銃口を自分の額に突きつけ・・・・、
と、「動」と「静」と言というくらい表現方法が違います。

こんな違いを見つけてみるのも楽しいかも？
手のギブス、モールス信号、警察を見分ける方法などのエピソードは、
原作がその雰囲気で使われているかな？

そうそう、ディパーテッドとインファナル・アフェアのどちらの作品も、
最後は衝撃的なラストなんですが、
やっぱり終わり方も、インファナル～のほうが好きです。
ディパーテッドの「ネズミ」は、シャレなんでしょうが「どうかな？」と言う感じでした。

原題の「ＴＨＥ　ＤＥＰＡＲＴＥＤ」
<死者>とか<死に値するもの>と言う意味とか？
今考えたら、これも凄く直接的なタイトルですね。


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