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あいおい損保の罠と嘘

あいおい損保の事故対応の実例と
司法制度のごまかしぶりを細かく見ていきます。

事件の過程と詳細(2)

2012-04-08 14:07:16 | Weblog
 いつまで経っても解決せず、どうもしっくり来ない日々が続いた。「いくら何でも時間がかかり過ぎる。電話に出ないならHの自宅に行くなりして、さっさと交渉してこんな問題は終わらせてくれ」と強く言うと、古坂は私に裁判をしたらどうかと勧めた。しかし、裁判をすると言っても、確実に勝てるという保証はない。当然、Hは嘘をついて自分に有利に主張するだろう。10:0であると証明できるのは、物的証拠があってこそである。物的証拠と言えば、車のキズしかない。双方の車のキズの写真があって、初めて向こうがぶつかって来た事故だと証明できる。だが保険会社が動いてくれないので、証拠が得られず、相手の嘘を暴くことができない。なのに、古坂はただ「大丈夫だ」と言うだけで、私を説得しようとする。事故係を動かしてきちんと証拠を押さえてくれるわけでなく、要は保険会社の協力なしに勝手に一人で訴訟を起こせと言ってるに過ぎない。証拠がなければうまく行く筈がない。何を根拠にしての大丈夫なのか分からず、随分と無責任なことを言うなと思い、「裁判での証拠を用意するためにも、現場検証をして欲しい」と訴えたが、相変わらず「Hに電話しても、相手は出ない」と言い続けるだけで、事故係さえ動かしてくれなかった。
 そんな状態がダラダラと続き、何週間も時間ばかりが過ぎて、何の進展も見られなかった。速やかに報告したのに事故係は動かず、相手が電話に出ないことを理由に何もしてくれない。どうしても、この事故は保険会社とは関係のない10:0の事故である、という形にしたがり、曖昧なままにして終わらせようとする。「事故の相手が反論できぬよう、きちんと事故係を動かして証拠を押さえてくれ」と頼んでも、「10:0の事故だから、こちらから積極的に電話して、修理代を取り立てるようなことはしない」というのが、保険会社側の基本的スタンスだった。その理屈からすると、古坂は本来やらなくてもいいことをやってあげてるということになるので、真剣に私の相手をしてくれる筈もなかった。そして、事故の相手が電話に出ないことが、この事故を10:0と見なし、それらの理屈を正当化する決定的根拠となっていた。しかし、このまま物的証拠を押さえずにいては、自分に過失がないことを証明する手立てがなくなる。それを考えると、私は怖くなった。
 古坂の態度に疑問を抱いた私は、あいおい損保の本社に電話して、事故の担当者を替えるように頼んだ。だが、本社には事故の報告さえなされていなかった。事故があったという扱いさえされてなかったのだ。電話に出た人は、「この件に関しては、代理店の責任者である、松戸第一支社の田中克橘課長に電話させます」と言った。代理店のことは全て田中が取り仕切っていて、田中の指示で動いているので、代理店の苦情は田中と話すのが一番手っ取り早いということだった。
 その後、すぐに古坂からあやまりの電話がかかって来た。「必ずHから修理代をとってあげますから、冷たいこと言わないで下さい。長い付き合いじゃないですか」と言って来た。私は古坂だけでもうまく使って自分で証拠を押さえようと考え、「何とかしてHと連絡をとり、現場検証をやってくれるように」と頼んだ。目的は、Hの車のキズを写真に撮り、Hの矛盾した説明を録音するためである。裁判の結果を確実なものにするためには、証拠としてどうしてもそれらを提出したかった。双方の車のキズの写真があれば、どちらが止まっていてどちらが動いていたかを証明できるし、Hの言ってることには嘘があるので、現場検証をすれば必ず話に矛盾が出るであろう確信があった。
 その夜、松戸第一支社の田中から電話がかかって来た。田中は、「この事故は相手がぶつかって来たものだから10:0であり、全面的に相手に過失があるので、保険会社のタッチする事故ではない」と言って来た。「しかし、10:0というのはこっちで勝手に言ってるだけで、事故係を動かして客観的にきちんと調べたわけではないし、相手と何の交渉もしないうちに手を引かれては困る」と訴えると、「うちはお客様の言った事故の説明を第一に信用することにしている。あなたの話では10:0ということになるので、この件に関してはうちは関与しない」と言い、「ましてや電話をしても相手が出ないのでは、相手は逃げているのであり、この問題はもう終わったこととみなしている」と言う。そこで私は、「勝手に終わったことにされては困る。じゃあ、このまま中途半端に終わらせて、私が車を持たなくなり、あいおい損保とも契約がなくなった頃、こんな問題なんか忘れた頃になって、事故の相手が金を払えと脅して来た時、何とかしてくれるのか?」と訊くと、「その時はあなた自身で何とかして下さい。うちは一切関係ありません」と言う。「事故係も動かさず、証拠も掴んでないのに、何で10:0と言えるのか?裁判になった時、裁判所に来てこの事故は10:0であると証明してくれるのか?」と訊くと、「そんなことはできない」と言う。「じゃあ事故係を動かして、きちんと裁判で証明できる証拠を押さえてくれ」と頼むと、「この事故は10:0なのでできない」と言う。「じゃあ、何を以ってあんたは10:0と断定してるのか?」と訊くと、「それはもう、お客様の話を信じるしかない」と言い、どこまでも逃げ続け、とことん何もしようとしない。田中という男は、正論なんてものは最初から踏み倒していた。「そんな酷い話があるか!」と言うと、「他の会社はもっと冷たいですよ」とヌケヌケと言う。

事件の過程と詳細(3)

2012-04-08 14:07:01 | Weblog
 私は田中と話していて、全てこいつが黒幕だな、とすぐに感じた。古坂の態度に不信感を抱いていた私だったが、その上に立って古坂に指示している田中という人物は、もっとわけの分からないことを言う人間だった。所詮、古坂が言ってることは、田中が言ってることの受け売りでしかない。顧客を馬鹿にしてるとしか言いようのない田中の滅茶苦茶な屁理屈から、古坂は田中の指示で動いていたに過ぎないことを実感した。田中が何もしようとしないので、あるいは何もするなと指示してるので、古坂は私を諦めさせるか、煙に巻くしかなく、問題の解決を裁判所に押しつけることで、結果がどうなろうと責任は持たずに、この問題から手を引こうとしてるのがアリアリと分かるのだった。
 私は「現場検証をするということで、古坂と話がついている」と言うと、田中は「古坂にそんな義務はない」と言う。「こっちだって証拠も集めずにいきなり裁判をするわけには行かない。マイクロカセットでHの矛盾した説明を録音したり、Hの車のキズを写真に撮ったり、証拠集めは全部自分でやるから、その舞台だけでも設定してくれればいい。せめてそれくらいならいいじゃないか」と懇願した。何でこっちがこんなに気を使ってお願いしなければならないのか分からない。すると田中は、「裁判の結果がどうなっても、こちらには一切責任はありませんので」と、どこまでも自分が逃げることだけを考え、私に釘を刺した。
 自家用自動車総合保険普通保険約款には、第1章第4条に「被保険者が対人事故または対物事故に関わる損害賠償の請求を受けた場合には、当会社は、被保険者の負担する法律上の損害賠償責任の内容を確定するため、当会社が被保険者に対して支払責任を負う限度において、被保険者の行う折衝、示談または調停もしくは訴訟の手続について協力または援助を行います。」とあり、第7条に「被保険者が対物事故に関わる損害賠償の請求を受けた場合、(中略)、当会社は、当会社が被保険者に対して支払責任を負う限度において、当会社の費用により、被保険者の同意を得て、被保険者のために、折衝、示談または調停もしくは訴訟の手続(弁護士の選任を含みます。)を行います。」とある。
 事故証明をとる際にも、警察は言っていた。
 「事故証明とは飽くまで事故があったことを証明するためのもので、警察では事故の状況について一切何も言いません」
 「じゃあ、どうやってこの事故は相手の過失が原因で、自分が正しいことを裁判で証明すればいいのですか?」
 「そのための任意保険であり、任意保険の事故係が調査することで、裁判になった時にも事故の状況を証明できるようにするのではないか」と。
 保険会社が証拠を押さえることを怠っているせいで、自分に過失がないことを完全に証明することができない。証拠がない以上、裁判に負けることもありうる。裁判に負ければ保険を使ってお金を払うことになるので、保険会社も無関係ではない筈である。それでも保険会社から何の協力も得られず、何もして貰えず、たった一人で立ち向かうしかなかった。やったこともない裁判の準備を、手探りで進めなければならなかった。おかしな話である。
 1箇月が過ぎた頃、古坂は、Hと連絡がとれないので、取り敢えずHに見積書を送ったと言った。
 その後、Hから反応があり、古坂は一度電話で話をしたと言う。だが、「相手はまともな人間ではないので、交渉にならなかった」と言い、私に裁判での解決を勧めた。「あなたはプロではないか。どうして筋道を立てて相手と話そうとしなかったのか?」と言って細部について尋ねたが、古坂の話は具体性に乏しく、やたら裁判を勧めたがるだけで、どうも不審な点が多かった。私は「裁判をやっても証拠がなければ勝てる保証はないので、そのためにも現場検証をやるようにHに言ってくれ」と頼んだ。
 さらに1週間が経ち、古坂に任せていても何の進展もなく、自分で電話しろとまで言うので、いい加減に我慢のできなくなった私は、7月7日の午前中、自分でHの所に電話をかけてみた。すると、電話は留守番電話になっていた。いくら電話しても電話に出ないという古坂の話と食い違い、おかしいなとまず感じた。留守番電話にメッセージを入れると、早速その日の夕方にHから電話があった。交渉から逃げている様子も全く感じられず、益々古坂の話と食い違う。そしてHの話を聞くと、驚愕の真相が明らかになった。

事件の過程と詳細(4)

2012-04-08 14:06:49 | Weblog
 まず私は、「何であなたは私の保険屋と交渉してくれないのですか?」と尋ねた。それに対してHは、「1箇月以上もの間、そっちの保険会社からの連絡をずっと待っていた」と言う。事故当日に私と話をして以来、その後何の連絡もなく、私が「保険会社の者に連絡をさせます」と言ったので、言われた通りにこちらの保険会社からの連絡をずっと待っていたと言うのだ。
 私は最初、Hの言うことを疑い、「見積書が送られて来た時、あなたは一度古坂と話をしているではないか。なぜその時、きちんと過失の交渉をしなかったのか?」と尋ねた。すると、Hが電話をしたのは見積書に書いてある修理屋さん(伊原自動車販売)の電話番号であり、Hは「事故後の過失割合の交渉もしてないのに、黙ってこんなものを送りつけられても困る、と主張しただけだ」と言うのである。確かにHは古坂の連絡先を知らない筈であり、言ってることには筋が通っている。古坂保険は伊原自動車を窓口にして営業してる保険屋なので、真相は、Hが伊原自動車にかけた電話を、たまたま古坂が受けただけだったのである。さらにHは「第一、交渉から逃げるつもりなんか毛頭ないし、電話は留守電にもなってるんだから、連絡をくれればこっちからだって電話をかける」と言う。
 古坂は「いくらHに電話をしても、電話に出ないから無駄だ」と言って、私を諦めさせようとしていた。こっちが苦しんでいようが眼中になく、お前のことなんか構ってられないといった様子で、「保険会社の介入する事故でもないのに、これだけのことをしてあげてるんだ。それでも不満なら、自分で裁判を起こして何とかしてくれ」と言わんばかりだった。だが実際は、最初からHと交渉する気なんか毛頭なかったのである。明らかにHは修理代を請求する意思があったにも関わらず、Hに何の連絡もせず、事故係を動かして事実を確認することもせず、今までずっと私を騙して放ったらかしにしていたのだ。これほど顧客を馬鹿にした態度があるだろうか?事故の相手に対して古坂のとった行動は、最悪極まりないものだった。古坂が長けていたのは、事故の相手との交渉の仕方ではなく、いかにして保険の加入者を騙して交渉から逃げるかということだった。このままにしていたら、どうなっていたか分からない。自分で電話して本当に良かった。
 なぜ古坂は嘘をついたか。恐らく、事故の報告はきちんとしていたと思う。だが、責任者の田中が事故係を動かそうとしないので、私を騙すしかなかったのだろう。
 Hによると、留守番電話は以前から使っているということだった。古坂の話では、前日の夜にも電話をしたが、何回ベルを鳴らしてもHは電話に出なかったと言っていた。留守番電話になっているという話は全く出て来なかった。そこがどうも辻褄が合わない。
 私はそのことを問い質すため、古坂に電話した。古坂は平然と、「昨日電話した時は、留守番電話になんかなってなかった」と言う。古坂の言うことが本当なら、事故のあった5月31日から前日の7月6日の夜までの間、Hはずっと留守番電話など使っておらず、たまたま私が電話した7月7日の午前中になって初めて留守番電話を入れたということになる。そんな偶然などあるだろうか?それに、Hの言うこととも食い違う。とても信じるわけには行かない。この見え透いた言い訳に対し、古坂は「それはもう、ただ信じて貰うしかない」と言うだけで、その一点張りである。客観的に見て、どちらの言ってることが正しく聞こえるだろうか。私は、Hの言ってることの方がよっぽど筋が通ってるように聞こえる。その矛盾を追求すると、古坂は「そんなに言うなら、もう面倒は見切れない」と言って、話を突っ撥ねてしまった。
 私は古坂保険やあいおい損保の連絡先をHに教え、そっちと話し合ってくれと頼んだ。古坂の言うことなんか聞かずに、初めにこうしておけば、1箇月以上もの間、こんなに保険会社に振り回され、苦しめられずに済んだのだ。だが、それから何度もHから電話があり、「お前の所の保険屋に電話しても、どいつもこいつもとぼけて、全く話し合いに応じようとしない。こっちはずっとたらい回しにされてるんだぞ!」と文句を言って来た。保険会社を相手にしても埒が明かないので、Hは私に文句を言うしかなく、私は保険会社の苦情係のような立場にさせられた。保険会社の者はみんな責任を放棄して逃げてしまい、最終的にそのしわ寄せが全部自分の所に来るのだ。この精神的苦痛がどれほどのものか分かるだろうか。

事件の過程と詳細(5)

2012-04-08 14:06:35 | Weblog
 私は「この事故はあなたがぶつかって来たので10:0です」ということを自分で説明しなければならなかった。当然、Hはそれで納得するような人間ではない。何しろ、自分からぶつかっておきながら、相手を脅迫するような人間なのだから。保険会社の者は誰も取り合わず、何もしてくれない。こっちは堪ったものではない。示談交渉付きの総合保険でありながら、なぜ自分で交渉しなければならないのか。なぜ保険に入っているのに、自分でこんなことを説明し、自分の知恵で対処しなければなければならないのか。自分自身の力でHから身を守ることを考え、さらに保険会社の嘘も見抜かなければならず、苦痛は2倍である。保険会社の者はみんな逃げてしまい、保険会社の嫌がる人間を自分が相手にしなければならないことを思うと、悔しくて腹立たしくて堪らなかった。保険会社のしたことと言えば、たらい回しにすることで却ってHを刺激し、怒らせただけだった。
 私は早速あいおい損保の本社に苦情を言った。すると後日、代理店の責任者である田中から電話があった。田中は私から事故の状況を聞き、「Hに電話して、はっきりとあなたからお金はとれないことを説明しますから」と約束した。これまで古坂は相手が電話に出ないことを理由に何もせず、田中は10:0であることを理由に何もしなかった。やっと重い腰を上げてくれると思い、ほっとした。
 今までずっと電話してもHは出ないと言い続けていたくせに、本社に注意された時、田中はその日のうちにHと連絡をとっている。これでも1箇月以上もの間、Hが電話に出なかったと言えるのだろうか?その気になればその日のうちにHと連絡をつけることが可能だったことは、この時の一件が実証している。
 だがこれは、今までとは比較にならない、本当の地獄の始まりだった。
 翌日、Hから電話があり、父が電話をとった。私は一切合財を保険会社に任せているので、Hと直接話をするつもりはなく、「居ないと言ってくれ」と父に頼んだ。その直後、今度は田中から電話があり、再び父が電話をとった。私は「田中からだ」と聞いて電話に出ようとしたが、父は「出ない方がいい」と言った。理由を訊くと、「Hと繋がってるような感じがする」と言う。確かに、Hから電話があった直後に田中から電話がかかって来るというのは、偶然にしてはあまりに不自然だった。父が言うには、「田中という奴は、Hに言われ、お前が居るのかどうかを確かめるために電話をかけて来た雰囲気がある」と言うのだ。確かにHは時々、人にそういうことをさせる。私が保険会社の苦情係にされた時にも、Hからの電話に出ようとしない古坂に、電話をかけさせられた経験があった。
 その後、毎日Hから電話がかかって来るようになった。居ないと言ってもひつこくかけて来る。「ほんとに居ないのか!」と暴言を吐くこともあった。Hから電話があった直後に田中から電話がかかって来ることも度々あった。田中も信用できないので無視した。
 Hは私の説明である程度、裁判になった時に自分が不利な立場であることは分かっていた。保険会社の者ではなく、私と直接話をすることで、少しでも有利に話を持って行こうとしている意図は明らかだった。私の言葉尻を捕まえることで、少しでも有利な点を探そうとしていた。だから電話に出るわけには行かず、無視し続けた。電話が鳴る度に、家族の者は震え上がった。恐怖の毎日だった。とても仕事なんか手につかない。あいおい損保の本社にいくら苦情を言っても、田中から電話をさせるだけで、何にもならなかった。田中はHの味方なので、却って逆効果だった。恐らくHを弁護する説明を聞かされるだけであり、それは後々のことを考えると自分にとって不利になる可能性があるので、電話に出るわけには行かなかった。なぜなら田中という男は、電話で話した印象からすると恐ろしく狡猾な人間であり、後々訴えられた時にも言い訳できるように考えながら行動してるような節が感じられるからだった(事故があった際に、然るべき対処をせず、1箇月以上放っておいた事実も、普通保険約款にある「被保険者が対物事故に関わる損害賠償を受けた場合」という条件を逆手にとって、「相手が何も言って来ないから」という理由で言い逃れができるように、考えた上でしたことだと思われる。当面は相手が電話に出ないという理由で逃げておいて、1箇月でも2箇月でも、とにかく時間さえ経ってしまえば、後は事故係を動かさなくても、「10:0の事故だから、本人同士の問題でしょう」と言ってとぼけ、関わらずに済ますことができると田中は考えたのだろう)。
 1週間経った頃、遂に精神的苦痛に堪り兼ねた私は、Hからの電話に出た。電話に出るなり、Hの最初の一声は次の通りである。
 「保険屋の田中から聞いてるだろ!」
 「何のことですか?」
 「あいつから説明が行ってるだろ!」
 「知りません」
 Hは「おかしいな」と言うなり、田中とどういう話をしたのか説明した。
 彼によると、田中から事故状況を聞いたが、実際と違うと言うのである。どこが違うのかと訊くと、私は「Hの車はウィンカーを出してなかった」と田中に説明した筈なのに、田中は「Hの車が右のウィンカーを出していた」とHに説明したらしく、確かに私が説明した事故状況とまるで話が食い違っていることが分かった。私は「田中にそんな説明はしてない」と主張した。だが、Hは「確かに田中はこう言った」と主張した。田中は私の話など全くまともに聞いてなく、Hにでたらめな事故状況を説明したのだ。さらに、「それで不満があるなら、後は本人同士で交渉して下さい」とまで田中は言ったと言う。「何の交渉を?」と訊くと、「過失の交渉だ」とHは答えた。一体田中はHに何を言ったのだ?相手によってコロコロと言うことを変え、徹底的に責任逃れしようとする。やっと交渉をしてくれたと思ったら、前よりも一層状況を厄介なものにしてくれた。田中はHを説得したのではない。体良く私に押しつけたのだ。これなら何もしてくれない方がよっぽど良かった。Hは田中の言葉に力を得て、すっかり強気になっていた。父の直感は正しかった。やはり田中とHは繋がっていたのだ。

事件の過程と詳細(6)

2012-04-08 14:06:20 | Weblog
 保険会社の協力がなければ、Hは私に直接電話をかけることはできなかった。私が保険会社に全てを任せると言った以上、保険会社の承認なしに私の所へ電話をかけては、Hは脅迫罪をとられる可能性があった。Hはそれを恐れ、1箇月以上もの間、直接私に電話することを遠慮していたのだ。ところが、保険会社の人間が本人同士で交渉しろと言ったので、待ってましたとばかりにそれに力を得たのである。つまり、Hは田中が味方しなければ、田中の許可がなければ、私に電話することさえできなかった。田中がHに協力しなければ、私は法律の力で、Hの脅迫行為から守られていたのである。
 直接本人と示談交渉する許可を与えたり、過失がないことを証明する証拠を押さえるのを渋ったり、やることなすこと全て事故の相手に味方し、こちらの不利になるように立ち回ってるとしか思えない。本来、向こうに全面的過失があった筈の事故が、どんどん変な方向へ引っ張られ、解決が困難になって行く。一体どっちの保険会社なのか分からない。
 古坂のように何もしてくれないだけなら、保険会社を替えれば済むことである。だが、事故の相手と結託し、脅迫行為に加担するとは言語道断であり、こんな酷い保険会社は今までに聞いたことがない。私が契約している保険会社でありながら、私の弁護をせず、むしろHを弁護している。私は二つの敵を相手にしなければならず、任意保険に入っていたことを心底後悔した。Hはただのチンピラなので、こちらを脅迫して金をとることしか考えてない。法的知識はないので、出る所に出れば何もできないのは目に見えている。しかし、それに対して保険会社はプロであり、こういう問題を扱うのには慣れており、法的知識や法の抜け道にも長けている。特に、田中がHにどんな入れ知恵をしてるかと思うと、恐ろしくて堪らなかった。
 交渉に不満があると言うのなら、向こうにも保険会社を立てさせるべきである。そして、双方の保険会社同士で交渉できるように話を持って行くのが筋ではないか。そうすれば、完全に第三者の立場で事実を調査するのだから、当事者の主観的な判断など入らず、正確で客観的な判断によって、純粋に物的証拠から過失の割合が決まる。普通、事故後の交渉は、そのようにして過失の割合を決めて行くものではないか。それを本人同士で交渉しろとは、一体どういうことか?仕事を増やしたくないためか、田中はどうしても事故係を動かしたくないらしい。これでは事故の相手に味方してるとしか言いようがない。やましい部分のある相手にとって、有利なように物事を導いているとしか思えない。
 私は「そんなことを保険会社の人間が言う筈ない!」と言って電話を切った。だが、電話は切っても切っても何度でもかかって来る。一度目をつけたら放さない、チンピラ特有の執拗な嫌がらせが始まった。電話は延々とベルが鳴り続ける。