透明人間たちのひとりごと

ダ・ヴィンチの罠 聖と邪

 1504年、ダ・ヴィンチが52歳の時に、父、セル・ピエロが
亡くなります。

 この年にフィレンツェに趣き、1508年まで当地に留まった
ラファエロが、ダ・ヴィンチの工房で鋭意に制作中であった
『モナ・リザ』を模写(スケッチ)していたことはすでに
お話しましたが …

 その時に制作していた『モナ・リザ』は、完成後には
すみやかに依頼主へと引き渡されたと考えられます。

 それがめぐりめぐって ・・・

 現在では、もうひとつの『モナ・リザ』として知られる
ことになるリザ・デル・ジョコンド肖像画で、

 いわゆる『アイルワースのモナリザ』こそが、
そのときに模写された『モナ・リザ』だったのですpeace


          『アイルワースのモナリザ』

 それについては『ダ・ヴィンチの罠 バベル』
を参考にしてください。

 url http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/423.html 


 あくまでも、推測ですが、

 ラファエロがリザ・デル・ジョコンドの肖像画をスケッチした
その時に、自らの作品をジグソーパズルのピースに
見立てて 合成・合体・融合させるトリッキーな
仕掛けるアイデアが、ダ・ヴィンチの脳裏に閃いた
のかもしれません。







 意味不明な方は『ダ・ヴィンチの罠 パズル』
を参照してみてください。

 url http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/416.html

 そう思う論拠としては、



 ラファエロの素描(スケッチ)に左右のが描かれている
ことをダ・ヴィンチ自身がしっかりと確認できていたからで、



 の存在をとすれば、そのが黒いシミの影として
塗り潰された鍵穴としてのルーブルの『モナ・リザ』
秘密に、いずれはどこかの誰かが気がついてくれる
ことを期待していたわけですpeace

 

 『モナ・リザ』に残された不可解な左右の黒いシミの
ような半円形の影はの存在を窺わせるアリバイ工作で
あり、同時にパズル(合成・合体画)を組み合わせる際
符号(目印)の役割を兼ねたで、いつの日か
鍵穴を覗き込んでくれる人間の登場を今や遅しと待って
いたというわけです。



 つまり、黒いシミのような影はメイン・キーとなる
トリックアートを完成させるための目印として、意図的
に塗り潰されたものであると考えられるのです。


 ところで

      

 『モナ・リザ』の右の目は正面を、左の目はほんの
少しだけ右を見ていて焦点が微妙にずらされています。

         

 その微妙なアンバランスが上からも下からも右からでも
左からでも、どこから見てもこちらを見ているように目と目
が合う仕掛けとなっているわけで、左右非対称な微笑みと
左右非対称な眼差しをひとつの表情の中に組み合わせて
絶妙なバランスを保つこの作品の不思議な魅力が『罠』
に導く禁断の入口であり、『ダ・ヴィンチの罠』
クライマックスである『最後の晩餐』の迷宮の出口を
こじ開けるための重要なのひとつでもあるのですが、



 右目がこちらをじっと見つめているのは、ひょっとしたら、
瞳の奥に隠されている「LV」の文字に並々ならぬ思いが
込められているからで、左目が少しだけ外されているのは
「CE」の文字が意味する壁画の真実を知るには焦点を
少しずらして広角的にあるいは魚眼的に、またはパノラマ
写真や回転画のようにして俯瞰視することを暗に教授して
いるのかもしれません。

 「LV」「CE」の文字についての解説は、

 『ダ・ヴィンチの罠 瞳の奥』を見てください。

 url http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/422.html


 さて

 不安定でありながらなも微妙なバランスで魅了する顔の
表情は、左右ではまったく異質のものを表現しています。 

 右側は安心感のある穏やかな面持ちであり、左はやや
不審めいたキツイ印象を鑑賞者たちに与えています。

 試しに、右側を『アイルワースのモナリザ』
の顔にしてみると …

  

 際立っての違和感はないものの、左半分が何か魂胆の
ある魔女や悪巧みをする「九尾の狐」のような妖怪
めいた印象の表情が見えてきます。



 次に、よく聞く、ダ・ヴィンチ自身が『モナ・リザ』
あるという説に従って、右半分を加工してみると …
 
       

     っ ・・・ わっ !!

 もはや妖怪を通り越して「化け物」です

 これだけ見ると、ダ・ヴィンチがモデルであるとする説には
抵抗を感じますが、左半分の加工画像を検証してみない
ことには片手落ちの誹(そし)りを免れません。

    

 、こちらは意外とシックリ嵌まる気がします。

    

 ダ・ヴィンチの肖像画は『モナ・リザ』 とは顔の向き
が逆なので反転させていますが、嵌まるというよりも、顔の
造作に係る各パーツ(縮尺サイズ)の位置が寸分の狂いも
なく見事に合致しています。

 『モナ・リザ』が、ダ・ヴィンチの自画像であるという
説には与しないものの、モデルのひとりか、イメージのなか
で一体化していた可能性は否定できませんnose7nose8

  顔の総括としては
 
 右半分で優しく愛らしい女性の顔立ちを … 左半分では
しっかりしたアゴのラインと口角を引き上げて不敵な笑み
を浮べて挑発する男性的な力強さを表現していることから
特定のモデルを配した肖像画ではないことを感じさせます。
 
 端的に言えば、ダ・ヴィンチが死ぬまで手放さずにいた
3枚の絵が織り成す三位一体的な世界観や宇宙観です。





    聖アンナに代表される太陽的な母性と

       

             聖ヨハネの彷徨う惑星的な父性です。

               



 そうした、「男と女」「善と悪」「光と闇」
いった二元論的な対極なるものの融合混沌たる
エントロピー増大への挑戦 ・・・

 それが『最後の晩餐』封印を解くのひとつ
として『モナ・リザ』微笑みに隠された真実です。


 「形あるものは崩れる」

 これが熱力学第二法則(エントロピー増大の法則)です。

 たとえば、

 コーヒーにミルクを入れて、ミルクコーヒーを作るとします。

 コーヒーにミルクを垂らした直後のミルクは白い固まりで、
その境界線はくっきりと分かれていますが、時間が経つに
つれて混ざり合い、やがて白黒つけない(区別のつかない)
カフェオーレの状態になります。

 この場合に、分離している状態を(カフェオーレに比べて)
エントロピーの値が小さいといい、時間の経過と共に完全に
混合(一体化)した状態をエントロピーが大きいといいます。

 エントロピーの増大とは、どれだけ拡散したか、あるいは
劣化したかの指標で、無秩序の状態や乱雑さの尺度です。

 絵画に限らず、すべてのものは完成した瞬間から劣化の
一途をたどるわけですが、そこにも科学者にして稀有なる
芸術家であるダ・ヴィンチの挑戦があるのです。

 その詳細なる解説は別の機会にするとして、

 微笑みや目の表情の以外にも『モナ・リザ』のなか
封印されている秘密は沢山あります。


 一般的には大きなとされてきたモデル正体
人々の耳目が集まっていたわけで、主な説を列挙すると、
 
    フランチェスコ・デ・ジョコンドの妻説
    ジュリアーノ・デ・メディチの愛人説
    コスタンツァ・ダヴァロス説
    自画像説
    イザベラ・デスタ説
    理想化された超人的な人物説

 などが、姦(かしま)しく取り沙汰されていました。

 しかし

 それは、冒頭に記したようにフランチェスコ・デ・ジョコンド
の妻、リザ・デル・ジョコンド(別称 リザ・ゲラルディーニ)で
あると思われます。

 但し、それは『アイルワースのモナリザ』
モデルとしての彼女ですが …

 
 それでは



 肝心のこの人物は何者かと言うと …


 「聖」と「邪」「天使」と「悪魔」内包し、
直線的に進化発展を続ける人類仮託された
サムシング・グレートなるものです。


 ここに奇妙な記録があります。

 1517年に、フランソワ1世のもとを訪問したアラゴン家の
ルイジ・ダラゴーナ枢機卿が帰途にクルーの館を訪れた際
に、秘書のアントニオ・デ・ベアーティスが「3枚の絵を見た」
という証言を残しているのです。

 彼の記録では、聖母マリアと幼児イエスが「聖アンナの膝
の中にいる」と記されていて、油彩画の構図とは異なること
から、別の下絵か、最初のデッサンではないかとする見方
もありますが、見間違いや勘違いの可能性もあります。

 しかしながら、そこにまったく別の油彩画があったという
可能性も否定することはできないわけです。

 1519年5月2日、ダ・ヴィンチはクルーの館で死去します。

 彼の死を看取った弟子のメルツィが手稿その他の画類を
遺産として引き継ぎますが、何故か『モナ・リザ』
弟子のサライにより、一旦、イタリアに持ち込まれ、その後、
フランソワ1世が4000エキュを出してフランスに買い戻した
とされていますが、その経緯は不明です。

 『聖アンナと聖母子』もメルツィによってイタリア
に持ち出され、1629年にリシュリュー枢機卿が カザーレで
購入後、1639年にルイ13世に献上、1801年に他のフランス
王室コレクションとともにルーブルに移管されたようですが、

 アントニオ・デ・ベアーティスが見たという3枚の絵の中に

  「聖母マリアと幼児イエスが
      聖アンナの膝の中にいる」


 絵があったとは、いったいどういうことなのでしょうか

 登場する人物からしても『聖アンナと聖母子』
描いたものと思われるますが、現存する油彩画とは大きく
構図が異なります。





 しかし、もしも、それが事実であったとしたならば …


   太陽系(太陽と惑星)を連想させる合成・合体画


 次回に予定している『モナ・リザ』背景
とも密接に関連するカラクリがそこにあるのだと確信する
ことができるようになりますpeace

 そして、さらに「仮説」信憑性が高まることにも
なるのですが ・・・


  「彷徨える惑星ヨハネの正体とは」

      

        「ヤツのことか !!

           



 … to be continue !!

コメント一覧

きくらげ
ここで言ってるジグソーパズルのアイデアが、巡りめぐって、立体パズルにまで昇華したのだろうか!?
小吉
なんだかアントニオの証言はただ絵を「見た」と報告しているだけ、というよりは、
 何かを「示唆」しているように聞こえます。

 含み、というか、ヒントというか。

 真実は定かではありませんが、なかなか興味深いものです。
江戸川ドイル
先に次の「冥王星」の記事を読んでいたので余計にそう思うの
だけど、要するにユダの福音書の内容とダ・ヴィンチの考え
が近いうえに、プラトニズムの影響を受けていた、とすれば
ジャコモ(サライ)のこともうなずけるわけです。
デッキブラシ
エントロピーですか! エネルギー保存の法則ですな。
ダビンチがモナリザにどんなエネルギーを注入したかは、
不明なれど、これだけ話題になるのだから並のエナジー
でないことだけは疑いようもないか!
むらさき納言
なんだか物凄いことになってきていますが ・・・
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