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透明人間たちのひとりごと

ダ・ヴィンチの罠 眠り猫

 このページの画像は、故あって表示されませんが、

連続性を担保する意味合いからも、そのままで公開し、

別途、新しく作り直すことにしました。

 同じ内容ですが、画像はその限りではありません。

  新たなページは、

 『ダ・ヴィンチの罠 眠り猫(改)』です。

 (以下、本文)

 

 17世紀の巨人のひとりに画家
して画家と称されるバロックの泰斗
ルーベンス(1577-1640年)がいます。

 彼はバロック芸術を代表するのみならず
ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロたち
が大活躍を演じていた 一世紀以上も前の


     出典:blogs.yahoo.co.jp

 イタリア・ルネサンス精神
そのままに生きた人物でもあったのですが、

  イタリア・ルネサンスの三大巨匠

 レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、
ラファエロの作品が、ルーベンスに大きな
影響を与えていたことは事実でも、

 
    出典:www.el.tufs.ac.jp

 その精神性(魂)までを受け継いでいた
ことはあまり知られていません

 生涯に油絵やデッサン画、挿し絵に彫刻、
陶器など、十数万点に上る美術品を制作し、
最も成功した芸術家のひとりとしてその名を
馳せる20世紀の巨人ピカソに比肩される
大成功者にして外交官でもあったのですが、


 ピーテル・パウル・ルーベンスの肖像

 ルーベンスもまた多作の画家で、2000枚
から3000枚とされる大量の絵画や銅版画
を制作したと言われています。


  『キリスト降架』 ルーベンス(1612年)

 リュカス・フォルステルマン版刻(ルーベンス原画)
  『キリスト降架』1620年 銅版画

 その制作スタイルは、実に合理的で、


 『アポロンと大蛇ピュトン』ルーベンスの下絵

 下絵などをルーベンスが描き、弟子たち
が色付け作業をした最後にルーベンスが
筆を入れて完成させるといったマンガ家と
アシスタントのような作業方式や今で言う
コラボレーションやユニットあるいはコンビ
のように人物や背景をルーベンスが描き、
静物や動物などを別の画家が担当すると
いう専門分担方式、完全分業システムで
大量の絵画を制作していたわけです


 『アポロンと大蛇ピュトン』コルネリス・デ・フォス

 このような師匠(マンガ家)と弟子などの
工房作業員(アシスタント)による絵画など
の量産システムは、すでにラファエロ
採用していて、彼が37歳という若さで夭折
したにもかかわらず多くの作品が残されて
いるのはそうした理由によるのですが、

 ルーベンスの工房は「黄金の工房」
と呼ばれていて、殺到する注文品の山を
手際よく捌(さば)いていたわけなのです。


  『パンとシュリンクス』(1617-19年)
  ヤン・ブリューゲル&ルーベンス

 この「黄金の工房」での制作に携わった
主な弟子は、アンソニー・ヴァン・ダイクや
静物・動物画家のフランス・スネイデルス、
ヤーコブ・ヨルダーンスなどで、共同制作
の画家としてはヤン・ブリューゲル(父)や
弟子だったフランス・スネイデルスなどが
よく知られています。

 さて、
 
 聖書に一度しか登場をしない「猫」
ルーベンスは宗教画に登場させました。

  
  『受胎告知』 ルーベンス(1628年)

 それも眠った姿で ・・・



 ルーベンスは「猫」「眠り猫」
して『受胎告知』に登場させますが、
『聖告』の場面を活写した油彩画は


 『聖告(受胎告知)』 ルーベンス(1609年)

 実はもうひとつあったのです。


 『聖告(受胎告知)』 ルーベンス(1609年)

 こちらの作品が先で1609年の制作です。

 この作品の翌年に右半分だけを描いた
ままで、およそ20年近く放置していたのが
「眠り猫」が登場する『受胎告知』
(1628年版)なのだそうですが、


  『受胎告知』 ルーベンス(1628年)

 この2つの「受胎告知』については、

 『ダ・ヴィンチの罠 預言者』
に詳しいのでそちらを参考にしてください。 

 ところで、

 ルーベンスは何故20年近くも経ってから
「猫」を描いた『受胎告知』を唐突
に仕上げようとしたのでしょうか

 ひとつには、

 最初の妻イザベラ・ブラントの突然の死
(1626年)がペスト(黒死病)によるもので
あったことから 魔女狩りに付随する
「猫」への虐待迫害(火あぶり)
を戒める目的があったとも考えられます。

 しかし、

 それよりも、もうひとつの理由としての、



 ルーベンスが思い到る「猫」の寓意
が強い動機になっていたと思われます。

 つまりダ・ヴィンチの「罠」における
「猫」存在メタファです。

 ダ・ヴィンチの仕組んだ「罠」を知る
うえで最も重要なファクターとなるのが、

 symbol2 「猫科の一番小さな動物、
つまり猫は最高傑作である」


   (レオナルド・ダ・ヴィンチ)

 というダ・ヴィンチの言葉の真意です。

 この言葉の持つ本当の意味とは ・・・

 つまり、「猫は最高傑作である」
と結論付けをする前に、何故にわざわざ
「猫科の一番小さな動物」という
説明を付け加えているかという点です。



 ダ・ヴィンチが「罠」の集大成として
描いた『最後の晩餐』での構図
や人物の配置などを丹念に観察・研究
したルーベンスはある結論に達します。



 イエスこそが「猫」なのだと ・・・



 人類の最小単位は一個の人間です。

 その人間のなかで最高傑作と言えば、
カトリックにおいてもプロテスタントでも
イエス・キリスト以外はあり得ません。

 要は、A=B、B=C、故に、A=C で
あるという演繹的三段論法に従えば、

 「猫」「イエス」に帰結します。

 同時に人間の一番小さな姿、つまり、
幼児や赤子も「猫」寓意です。

 随分と、否や、あまりにも論理の飛躍が
甚だしいと思われるでしょうが、

 「猫」は聖書のなかに、ただ一度しか
登場しませんが、その登場のシーンから
推察すれば「猫」の寓意は明らかです。



 偶像のもとに現れる「猫」を聖書では
そこに「猫までやって来ます」
と揶揄しています。

 キリスト教会で忌み嫌われた「猫」
悪魔の使いであるとか魔女のペット
という扱いですが、

 ここ(聖書)では、

   

 「偽預言者」「偽救世主」
「反キリスト」メタファです。

 それでは、

 およそ20年越しに仕上げることにした
2枚目の『受胎告知』に眠っている
「猫」を描いたルーベンスの意図
いったい何だったのでしょう

 右の半分が描かれていたということは
その時点(約20年前)において、すでに
「眠り猫」存在していたということ
なのでしょうか

 それを証明する手立てはありませんが、
同じ年に描かれた『キリスト昇架』
にその傍証となるものが見つかるかも
しれません。


  『キリスト昇架』 ルーベンス(1610年)

 但し、

 こちらに登場するのは「犬」ですが ・・・


  出典:www.patrasche.net

 ルーベンスはあきらかに「愛犬家」で、


   『エマオの晩餐』Ⓐ ルーベンス  up_slow

 彼の作品には至るところに「犬」たちが
登場しています。


 up 『エマオの晩餐』 Ⓑ ルーベンス
 up
 ここにも「犬」がいますよねpeace


 『最後の晩餐』ルーベンス(1630-31年)

 さらに、up_slow

 ここにも骨にかぶりつく「犬」の姿が・・・ 

 そして、

 イエスの様子を心配そうに見上げている
赤丸印の「犬」のモデルは、

 
  出典:www.patrasche.net

 当時、ルーベンスが実際に飼っていた
パトラッシュと名付けられた「犬」
なんだそうですよpeace

 有名な『フランダースの犬』
との関連性については、

 『ダ・ヴィンチの罠 ピエタ』 
を参照してみてください。

 「犬」のいる『エマオの晩餐』
Ⓐ・Ⓑ と『最後の晩餐』における
ユダイエス「犬」の相関関係
が、『受胎告知』での「眠り猫」
の描かれた時期の特定に大きなヒントを
与えてくれるのかもしれません。

 そして、「聖家族シリーズ」
登場する「犬」たちも ・・・

 『聖家族』 ピーテル・パウル・ルーベンス

 
 『聖家族と聖エリザベス、幼児聖ヨハネ』(1609年)

 ここには「犬」の登場はありません。

 
 『聖家族と聖エリザベス、幼児聖ヨハネ』(1614-15年)

 聖エリザベスの膝の上で動物の毛皮に
腰をあずける幼児の聖ヨハネがいますが、
イエスはちょっと生意気そうですね。

 
 『聖家族と聖エリザベス、幼児聖ヨハネ』(1615年)

 画面の左端で、幼児の聖ヨハネの腰に
前足をかけて、聖ヨセフからエサをもらう
「白い犬」の姿が見えますね。

 
  『籠と聖家族、幼児聖ヨハネ』(1616年)

 幼児聖ヨハネの毛皮の衣を脱がすよう
に引っ張る「白い犬」がいます。

 
 『聖家族と聖エリザベス、幼児聖ヨハネ』(1616年)

 ここでは幼児の聖ヨハネが持つ木槌が
重要な小道具になっているようです。

 
 『聖母子と聖エリザベス、幼児聖ヨハネ』(1618年)

 こちらは「犬」ではなくヒツジですね。

 以下の絵画には「犬」はいません。

 
  『聖家族と聖アンナ』(1626-30年

 
   『聖家族と聖アンナ』(1630年代)

 年代不明の絵では屋外の林檎の木に
たくさんの実がなっています。


 『聖家族と幼児聖ヨハネ』(年代不明)

 『林檎の木の下の聖家族』(年代不明)

 次回では、

 これらの作品から『受胎告知』


  『受胎告知』 ルーベンス(1628年)

 「眠り猫」が描き込まれたであろう
時期を推理・特定したいと考えています。



 キリスト教で忌避されていた「猫」
ルネサンス以降の宗教画に描かれるよう
になったキッカケとして考えられるのが、

 イエスの誕生時に厩(うまや)でメス猫が
子猫を産んだという逸話の存在ですが、

 「猫」を最高傑作とするダ・ヴィンチの
思考を手稿や素描から推理・考察すると、
 
 彼が思う最高傑作「猫」である
とするならば、


 猫、ライオン、ドラゴンの素描部分

 何故、ダ・ヴィンチは最高傑作
あるはずの「猫」姿デッサン
の中にしか残さなかったのでしょうか

 これは重要なポイントです


 『猫のいる聖母の素描』1478-1481年

 「猫」聖母子のスリーショットの
デッサンは6枚もあるのに絵画として
作品がないのはなぜでしょう
 
 あるいは、そこには

 『聖書』との関連性を抜きには
語れない何か特殊な理由(わけ)でも
あるのでしょうか

    

 「猫」「猫」として描くことに躊躇
せざるを得ないような特別な秘密が・・・

 そこで、

 推理を「風が吹けば桶屋が儲かる」式
の三段論法で演繹すると、

 先の演繹的な三段論法から得られた

 「猫」「イエス」帰結する。

 から、さらに、


 猫、ライオン、ドラゴンの素描部分

 「猫」right「ライオン」right「ドラゴン」
イエスメタファ内包されます。

 symbol2 「眠り猫」


 symbol2 「眠れる獅子」

   ルーベンスの描くライオン

 そして、

 symbol2 「ドラゴン」(龍蛇族)・・・

      出典:shanti-phuia.net

 なるほど、こりゃあ、

 「眠り猫ならぬ眠れる獅子だな」

  

 ドラゴン(龍蛇族)、不気味だけど ・・・

 「招き猫なら良かったのに」 

     
     (言わずもがなやで)



 そだねー!


 「ニャンだかニャ~ン !!

      


   オー・マイ・ガーッ!

     


   もう、お分かりですね

     

 「裏切者はユダではありません」



   


 出典:www.lets-bible.com 出典:shanti-phuia.net

 … to be continue !!






「解剖して分かったことだが、
   人間は死ぬように出来ているのだ」

・・・ って、おいおい、

コメント一覧

江戸川ドイル
そんな意味で言ったんじゃないけど。

刑事の習性って、ヤバイな!
刑事プリオ
誤解を招くと困るが、疑るのが習性ゆえにひとこと言うと、ドイル氏はメッセンジャーと同じような意味合いで“拍手”が使われていることを、暗に示唆しているようにも聞こえてしまうのだが。
江戸川ドイル
誰が拍手したかは不明だけど、それに誘われて覗いてみると、オレって、結構やるじゃんと思ったわけ・・・

そういえば、このページをかつては注目していたことを思い出して、コメント欄を見て、ハッとしたわけよ。

今(2020年4月)の時点での展開を予言してるみたいで、

そこで、考えてみたんだけど、自分で推理した内容や言説を忘れさせてしまうのが、2号さんの常套手段で、それが長いスパンを利用した更新サイクルなのかもって、

やぶにらみさんの言うように、Dreaming Cat が『眠り猫』なら、「D」のページだし、眠り猫だけに、すっかり眠らされた気分だよ!
やぶにらみ
日光東照宮の「眠り猫」が想い起されますな!

名人、左甚五郎による木彫りの像で、最初は目を開けていたが、夜な夜な抜け出しては悪さをするので「眠り猫」にされたとの逸話が残っている。

この猫は夢の中で、どんな悪さをはたらくのか?

Dreaming Cat なら、「D」の仲間か!
おじゃま虫
『不文律』の方で言うべきことかもしれないのだけれども
「パリ(ルーブル)にプールされた〇〇」の「〇〇」に
ドラゴンレーダーが関係するのかも・・・
江戸川ドイル
そう言えば、罠の探知機ドラゴンレーダーも「D」だよな。
『聖アンナと聖母子』『モナリザ』『洗礼者ヨハネ』の絵画
を合体融合させたものだから、「Ⅾ」の秘密のひとつかも。

しかも、ドラゴン探知機ならば、Dragon Detector だから
ダブルで「D」だし・・・
江戸川ドイル
もしかして、兄貴の言ってた[D]の秘密って、猫と関係があるかもと思って、過去に遡って来ました。

ダヴィンチの言う「猫は最高傑作である」の趣旨は、デッサン画(猫、ライオン、ドラゴンの素描)を見るとわかるようにドラゴンも同じ扱いです。

つまり、[D]はドラゴンのことで、猫はイタリア語では、Gatto(ガット)だけど、音だけだったら、GOD(神)にも聞こえます。

まあ、これはジョークですが、[D]の秘密はダヴィンチではなく、2号さんが仕組んだ謎ですから、猫はCATでもいいはずです。

これならアルファベットで、[C]の次(つづき)は[D]で、その[D]が隠れていないわけですから、D=ドラゴンを見つけなければ謎は解けないし、話も続かないわけです。

そう考えると『眠り猫』というタイトルも意味深だよな。

もちろん、[D]の秘密はドラゴンだけではなく、デビルやデーモンや、それこそダースベイダー的な超常的パワーなど複合的なものだとは思いますが・・・
江戸川ドイル
なるほど、
「猫科の一番小さな動物、つまり猫は最高傑作である」

猫(A)は最高傑作(B)である。

(人間の)最高傑作(B)はイエスキリスト(C)である。

故に、猫(A)はイエス(C)である。

さらに、
猫(A)は猫科の一番小さな動物である。

猫科の大きな動物にはトラやライオン(A´)がいる。

彼ら(A´)は最強の動物に属する。

最強の動物には伝説上のドラゴン(A´´)がいる。

故に、ドラゴン(A´´)はイエス(C)である。

って、連想ゲームにしてもメチャクチャでしょ!?

でも、そのメチャクチャが真実の欠片(ワンピース)だったりもする。

なんちゃって・・・
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