綺羅の部屋

メイプルストーリーの攻略を主とした、楓の幻灯の派遣ページです。

-1-退屈

2007-07-01 15:01:51 | 小説




デスノート-1.退屈-











死神リュークがノートを人間界に落としてから5日。

 死神リュークは、ようやく人間界に降り立った・・。



-この死神が落とした、一冊のノートから、
   二人の選ばれし者の壮絶な戦いが始まる本編とは全く無関係な物語が 今、始まる・・。














当時17歳だった夜神 月(ライト)は、突然現れたノートの存在に気付き、それを人目を気にしながら拾い上げた・・。


 (DEATH NOTE..直訳で死のノートか・・。)

少し中を見てみた月、しかし 余りのくだらなさに思わず笑ってしまう。

「『これは死神のノートです。』ぷっ..」

「HowToUse・・全部英語か面倒だな・・。」

     -このノートに名前を書かれた人間は死ぬ。

「ははは・・」

  バカげてる・・、そう思い 彼は鞄にノートをしまう。


 家に帰って もう一度中身を見る。


 -書く人物の顔が頭に入っていないと効果はない、故に同姓同名の人物に一遍に効果は得られない。
 -名前の後に、人間界単位で40秒以内に死因を書くと、その通りになる。
 -死因を書かなければ、全てが心臓麻痺となる。
 -死因を書くと更に6分40秒、詳しい死の状況を書く時間が与えられる。

(ふっ・・楽に死なせたり苦しませて死なせたりできるってわけか・・。)

  「悪戯もここまで手が込んでるとまぁまぁかな・・?」

   「-名前を書くと死ぬ・・か、くだらない。」










-五日後、リュークが降り立った日・・。


 「・・はい。」

   月は玄関先で母親に、模試の結果を手渡す。
 
     「まぁ、また全国共通模試全国で1位!」

 「まぁね。」

 「じゃ、勉強するから邪魔しないでね。」

     「あ、ライト、何かほしい物ない?」

 「ないよ母さん。」



     (-欲しい物は手に入った・・!)


 彼は自室の鍵を閉め、テレビ・パソコンの電源を入れた後、引き出しからノートを取り出す・・。


 「ふ、ふふ・・。」


         「気に入ってるようだな。」

 「う、うわっ」

 そこには、この世の者とは思えないような生き物。

    生きているかもわからないような者がいた。


         「何故そんなに驚く、そのノートの落とし主、死神のリュークだ。」

         「さっきの様子だともう、そのノートがただのノートじゃないってわかってるんだろう?」

 「し、死神・・!」

 「・・・」

 「死神か・・。」


   震える手に力を込め、ゆっくり立ち上がる月・・

 「驚いてないよリューク。」

 「いや・・」


 「待ってたよ、リューク。」

          「ほう・・」


 「死神まで来てくれるとは・・親切だ。」

 「僕は既に『死神のノート』を現実の物として疑っていなかったが、こうして色んな事を直視する事で、ますます確信を持って行動できる。」

 「それに・・聞きたい事もある。」


  月はノートを死神に見せた。

 そこには、ノート一面 びっしりと人間の名前が書き込まれていた・・。


        「くくっ・・これはすごい、逆にこっちが驚かされた・・。」

        「過去にデスノートが人間界に出回った話は何件か聞いた事があるが、たった5日でここまで殺ったのはお前が初めてだ・・。」

        「並じゃびびってここまで書けない。」


 「文字数とか時間の関係上面倒だから色々省いて単刀直入に聞くが、僕はどうなる?命を取られるのか?」

        「ん? 何だそれ? 人間が勝手に作った死神のイメージか?」

        「俺はお前に何もしない。」

        「それはお前の物だ・・。」


 「僕の物・・。」

  リュークはおもむろに ベランダの戸を開け、外に出る・・。


        「元俺のノートを使ったお前にしか俺は見えない、もちろん声も、お前にしか聞こえない。」

        「デスノートが、死神リュークとお前とを繋ぐ絆だ。」

 「絆・・。」

        「・・それにしてもお前、随分名前書いたな。」

 「最初は信じなかったさ・・でも・・。」

 「そのノートには、誰でも一度は試してみたくなる魔力がある・・。」

        「・・なるほどね。」


 「さすがに夜はうなされて眠れないし、この5日で4キロ痩せたよ。」

        「・・デスノートダイエット・・流行るかもな、ククッ・・。」


 「とりあえず早い話が・・、僕は凶悪犯の名前を書き続け、地球の掃除をする・・。」

 「そして世の中に知らしめるんだ、正義の裁きを下す者がいるって事を!」

        「そんな事したら、性格悪いのお前だけになるぞ。」

 「何言ってるんだよリューク、僕は日本一と言っても足りないくらい真面目な優等生だよ。」

        「ほう・・」

 「そして僕は・・」

 「新世界の神になるんだ!」

        (・・やっぱり、人間って面白!)











-毎日犯罪者の名前を書き続ける月。

  しかしその裏では、もう一人の男が動き出す・・!




                「・・そうか、ICPOもようやく重い腰を上げたか・・。」


                「この事件、いくら私でも 警察の手を借りないわけにはいくまい。」


       -L、名前も居場所も顔すらも、誰にも知られる事なく どんな事件でも必ず解決してしまう、世界屈指の名探偵である。

         -Lは既に、事件の捜査を始めている・・。





 それから数日後、あるニュースが流される。

                   「番組の途中ですが、ICPOからの全世界特別同時中継を行います。私は全世界の警察を動かせる唯一の人間、リンド=L=テイラー。」
                   「通称Lです。」

 「な・・なんだこいつ・・?」

                   「相次ぐ犯罪者を狙った連続殺人、これは絶対に許してはならない史上最大の凶悪犯罪です。」

                   「よって私はこの犯罪の首謀者、世に言うキラを必ず捕まえます。」

 「バカめ、捕まるわけがない。デスノートなんだよ、このノートを抑えない限り 証拠なんて何も残らないんだ。」

                   「キラ、お前が何を考えてこんな事をしているか大体見当は付く、だが・・」

                   「お前のしている事は、悪だ!」


   間抜けすぎるぜL・・。


 「はは、Lももう少し賢ければ、面白くなっていたかもしれないのに・・。」

 「僕がお前に手を下す必要はない。いずれキラ崇拝者に嬲り殺されるがいい!」

               


                                           


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