戦前よく読まれた少年少女小説・漫画の例-大佛次郎「鞍馬天狗」、南洋一郎「吼える密林」、山中峯太郎「敵中横断三百里」、高垣瞳「怪傑黒頭巾」、江戸川乱歩「怪人二十面相」、吉屋信子「花物語」、加藤武雄「君よ知るや南の国」、田河水泡「のらくろ」、島田啓三「冒険ダン吉」など。
「幼い頃、私は腺病質で、ちょっとしたことで熱を出したり、風邪をひいたりして、床に伏せっていることが多かった。現在は人一倍頑健であるが、小学校の三、四年生ぐらいまでは体も小さく、痩せっぽちで、非力であった。小学校に上がるまでは、どこかを患って寝てばかりいた。」
「現在では、私の郷里の村は、少し辺鄙ではあるが、伊豆の温泉郷として東京へも名前を知られているが、私の少年時代は、文字通りの天城山麓の山村で、馬車に二時間揺られて、Oという軽便鉄道の終点のに出、さらにその軽便鉄道に一時間半乗って、初めて東海道線の三島の町に出た。」
「代々木練兵場の縁を伝って、代々木八幡の方へ歩いたこともある。原宿から原を横切って富ヶ谷へ降りる道はその頃からあった。降り口に小学校の友達がいて、よくバッタを採りに行ったが、その道から先へ行ったことはなかった。」
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