「例えばピーチの場合、手荷物を当日、空港カウンターで預け入れると1個につき2100円かかります。大手なら無料ですから、知らずにいると『福岡までの片道運賃が3590円なのに、2個の荷物代だけで4200円…』と後悔することになりかねません」
他に座席指定も有料で1席につき数百円、機内でのドリンクも1缶150円程度かかってくる。また、小さな子供連れの旅行も要注意だ。
「大手なら満3才からが有料で大人運賃の約50%で利用できますが、LCCは満2才から大人と同じ料金です。しかもエアアジアはヒザに乗せた乳幼児にも1500円の料金がかかります。座席も狭いので乳幼児がいると大変かも」(村田さん)
飛行機に搭乗する時刻にも気をつけたい。LCCの発着は、空港使用料が安い朝と夜の時間帯が多いのだ。航空・旅行ジャーナリストの緒方信一郎さんはこう話す。
「ジェットスターの成田発-大阪便は、午前6時5分に出発します。空港まで都心から電車で1時間以上かかることを考えると、アクセスできる人は少数です」
一方で機内に乗り込むときは、少しでも遅れると置いていかれる可能性がある。
「コストカットのため、飛行機はピストン輸送をしています。空港に滞在する時間が短いので、搭乗時間にはシビア。大手は15分前搭乗ですが、LCCは30分前搭乗が原則。しかも容赦なく締め切ります。多忙なビジネスマンには不向きかもしれません」(村田さん)
低価格の一方で、LCCは遅延や欠航の多さも指摘される。実際、ジェットスターは7月3日の就航初日に札幌―東京の最終便が欠航。乗客は近くのホテルに宿泊して翌朝便で帰京した。
「LCCは経費削減のため機材を必要最小限のカツカツにして飛ぶ。予備の機材などを積んでいないため、トラブルがあってもすぐに対応できず、遅延・欠航してしまうんです。後続フライトも“ドミノ倒し”のように影響します」 (緒方さん)
※女性セブン2012年7月26日号
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