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シロガネの草子

「我が身をたどる姫宮」 その11 


 姫宮様は、若宮殿下とは、お正月以来の対面となりますが、姫宮様が、『根無し葛』氏と一緒になるという事が、皇嗣職及び宮内庁から、正式に発表された時、多くの心ある国民は、その事に違和感を感じ、そして当然なのですが、素直に喜べない状態となったのは、当たり前の事でした・・・・。


アニメ・「鬼滅の刃」 第13話・・・・・我妻善逸の~迷言~


「いいご身分だな~~~~💢💢💢」


 ・・・・・・そんな世の中の、冷めた反応のなかでも、日本に帰国した『根なし葛』氏。


そして姫宮様は、『根なし葛』氏の帰国後、公然と、そしてあたかも世間の反応を挑発し、見せつけるが如くデートを重ねられました。


今までお互いに生身で接することができなかった分だけ、溜まりに溜まった思いを語らいを姫宮様は重ねられずには、いられなかったのでした。世間から好奇と侮蔑の『白い目』に見つめられながら・・・・・・


幾年かの後に『我が身をたどる姫宮様』


(あの時は・・・本当にね・・・・・) by一の姫宮様


(わたくしの『黒歴史』ね・・・・・)

そして、なおかつ婚前旅行までなさり、その旅先の宿でも、二人は朝に夕に浅ましき限りの語らいを重ねていたのでした。




この頃の姫宮様は、もう・・・・・以前の姫宮様では、ありませんでした。



何かの蓋が外れた状態で、『根なし葛』の君の上から下までの全てに、夢中になっていました。


 ようやく生身の『根なし葛』の君を、自分の思いのままに、接する事が出来るのが、夢の様で、嬉しくてたまらないという有り様となっていたのでした。

『根なし葛』の君との朝夕の語らいは、どうしてこんなに、愉しく、悦ばしいことなのだろう・・・・・


『根なし葛』の君との、語らいを過ごした旅の後は、何と、名残惜し事であろうか・・・・あの語らいの際の、『根なし草』の君の身体から放たれる香りの全てを、あの時の名残りに、自分の身体に染み込ませたいと、本気で、姫宮様は、思われるまでになっていたのでした・・・・・



そして、旅先から、ルンルン♥️♥️♥️気分で、皇嗣邸へ、お帰りになられた。



その様な・・・・・誠に浅ましき限りの有り様に、すっかり変わり果てられてしまわれた姫宮様に対して、


若宮殿下は、「どーゆう思考回路で、あんな『根無し葛』氏と一緒になるのか」と、今まで見たことがないほどの、凄い剣幕で、姫宮様に喰ってかかりました。


 そして、もう何度も、これでもかという程、「バーカ、バーカ、バーカー・・・・!!!」と姫宮様に言われたのでした。


(その6を参考にして下さい・・・・・m(_ _)m)


安田靫彦氏 「風神雷神図」



 その時の、姫宮様は、凄い剣幕で怒り💢を表す弟宮様の、態度を見まして、大変驚き、あっけに取られてしまいました。しかし今は、反抗期の時期だし、世間の噂は当然、耳に届いているだろうからと思い、又結婚に反対している母君に、色々吹き込まれたのではと・・・・・、15歳も年の離れた姉として、感情的になってはならないと、努めて冷静な態度で受け止められて、いらっしゃたのでした。


もっとも、姫宮様は「ゆうちゃん」に何を吹き込んだのかと、後で、母君には、文句を言いに行ったのでしたが。



そんな経緯もありまして、姫宮様と弟宮様の姉弟仲は、何となしに淡々とした仲となってしまったのでした。



 この度、ご実家の皇嗣邸にての出産の事を、母君の妃殿下に伝えられて、その後、父君の皇嗣殿下のお許しが出たとき、姫宮様が、気遣ったのは、弟宮様の若宮殿下でした。その事を聞かれて、若宮殿下は、どういう態度にでられたのか、とても気になっていました。


 妃殿下のお話では、姫宮様のここでの出産すると、母君より、聞かれた時、若宮殿下は


「別に~~おもう様がいいと言われたのだから、俺は、構わないよ」

と・・・・・・言っていたと、聞きましたが、本当の所では、どうであったのか、皇嗣邸にお里帰りされる姫宮様に、付き添う為、わざわざ東京から、姫宮様のお住まいまで、来てくれた涼風の侍女に、尋ねてみました。


 東京までの新幹線の中だと、どうしても、人目が気になりますし、姫宮様は、K氏や、「お母様」と一緒でなければ、いつもの自由席に、座られますので、東京駅に着かれた後、弟宮様の事を聞くため、昼食の時は、個室の方で、二人は食事をなさり、その時、涼風の侍女に、詳しく聞かれたのでした。



 涼風の侍女の話だと、姫宮様の皇嗣邸での出産について、知らされた後、しばらくしてから、若宮殿下は、少し、不安なお顔をされて、「家で産んで、本当に大丈夫なの」と、皇嗣両殿下に聞かれたという事でした。しかし、母君の妃殿下より、万一の事態の際は、病院へに行くようにと、「キチンと対応出来る様に備えてあるから、大丈夫よ」と、聞きかれまして、若宮殿下は、ホッと安心なさった、ご様子でいらしたと、いう事です。

 涼風の侍女から、その話を聞かれた姫宮様は、とても安心されました。自分のせいで、若宮殿下の性格が、捻れてしまっていたらどうしようかと、不安に感じておられたのです。その原因は、自分と『根無し葛』氏との結婚問題のせいであるのは、間違いありません。



 妹宮殿下とは、日頃からLINE等のやり取りをなさっていますので、弟宮様の様子も、良く分かっていらっしゃいますが、それでも、心配でいらしたのです。しかし、これから暫くは、こちらに滞在されるので、やはり、これからは、弟宮殿下とは、キチンと向き合わなければ、と思われる姫宮様のでした。


「ご機嫌よう、若宮殿下、お久しぶりで御座います」
 
 応接間に入られた姫宮様は、ソファーに寄りかかり、体育座りされて、テレビを付けたまま、スマホをから視線を外されないままで、いらっしゃる、若宮殿下にそう、声をかけました。しかし、若宮殿下は、帰られた姉宮様の方を見ようとなさらず、スマホから、視線を外さないままでした。母君の皇嗣妃殿下は、


「宮、大姉(おおねえ)様が、帰られましたよ」

 と、若宮殿下に声をかけられましたが、その時になり初めて、スマホから視線を外されて、姫宮様の方をご覧になられまして、


「・・・・・・ご機嫌よう」

 と、声をかけられた。しかし、又直ぐにスマホの方へと視線を、移されたのでした。それを見られて、妃殿下は、


「『ゆうちゃん』、スマホを長く見る時は、テレビは、消すようにと『たた』(おたた様・御所言葉の略語)は、言ってたと、思いますが、『もう』お忘れですか?」

 妃殿下は、そう、おっしゃりまして、そしてじっと、若宮殿下をご覧に、なられました。姫宮様も同じく、じっと、弟宮様をご覧になられて、若宮殿下が妃殿下の言う通りになさるのかと、黙って見ておりました。




 若宮殿下は、少しの間、無視をなさっていましたが、母君と姉宮の視線に耐えられなくなった様に、「はぁ😞💨」という感じで、さっとリモコンを手に取られると、直ぐに、テレビを消そうとなさったのですが、その時、姫宮様に、


「俺は、見ないけど、見るの?」

 と、聞かれました。姫宮様は、「私は見ませんから」と言われると、「そう」と、言われて、テレビを消されたのでした。それを見届けられた、妃殿下は、


「私は、暫く、書斎の方へと行きますけど、姫宮は、ここで少し、体を休んで、いらしたらどう?あなたの部屋は、二階なのだし」

 そう、言われて姫宮様を気遣かわれたのでした。姫宮様は、「はい、そういたします」と言われて、弟宮様の方をご覧になられたのでした。若宮殿下は、二人のやり取りを、聞かぬふりをされているようでしたが、ちゃんと聞いている様でした。妃殿下は、「じゃあ、あとでね」と言われると、


「涼風さんに、飲み物を持って来させましょうね。『ゆうちゃん』、大姉(おおねえ)様の、お相手をしてあげてね」

 そう言われると、軽やかな足取りで、ご自分の書斎へと、向かわれたのでした。その足取りからして、お嬉しそうな感情が伝わってくるようでした。


 姫宮様は、お腹が目立つ様になられていましたので、弟宮様が座られている長いソファーの方へと、座られました。弟宮様に、


「若宮様、申し訳ありませんけど、ここのソファーの方が、楽に座れますので、失礼を・・・・」

 そう言われて、若宮殿下と同じソファーに座られました。姫宮様は、お腹を、さすられて、弟宮様に、声をかけようとされたのですが、思いがけずに、若宮殿下の方へから、声をかけてきたのです。


「お腹、大きいね。来月だったよね、産まれるの。女の子だって聞いたけども、もう、名前とか決めてあるの?」
 
 そう言われると、若宮殿下は姉宮様の、目立つお腹をまじまじと、見つめられたのでした。


「じっ・・・・・・・」


 正月にここへ来た時から、明らかに体が変化した、姉宮様に先ほどからかなり、気になっておられたようでした。


 その時、「失礼いたします」と、涼風の侍女が、飲み物を持って応接間に入ってきたのでした。

「涼風さん、ありがとうございます。遠出の日帰りで、疲れているでしょうに・・・・・」

 そう、姫宮様は言われると、涼風の侍女は、明るく、


「いえ、いえ、なんの。新幹線でしたし、楽、楽でございました。それに世間では、こちらは、『ご難場』と言われているそうですし、これくらい、当たり前の事でございますわ。妹宮殿下も、若宮殿下も、姫宮様がお里帰りなさるのを、本当にお心待ちにされて、いらっしゃたのでございますよ」

涼風の侍女の言葉を聞いて直ぐに若宮殿下は、


「小姉(ちいねえ)様は、マジで、一日千秋って感じだったけど、俺は別にそんなに、待っていた訳じゃないし。涼風さん、よけーな事言うなよ」

 涼風の侍女に、そう、言われると、直ぐに若宮殿下は、飲み物を飲まれたのでした。「うん、上手い」とおっしゃりながら。


 そんな若宮殿下の様子を姫宮様と涼風の侍女は、微笑ましい思いでご覧になられたのでした。



 姫宮様は、今の時期俗に言うと、ちょうど、中2病と高2病の狭間でいらっしゃる、若宮殿下の態度が、可笑しくてたまりませんでした。


 涼風の侍女が、笑いを堪えながら、お膳所の方へと下がりましたが、姫宮様は、ニコニコしながら、弟宮様をご覧になられていると、


「何、ニタニタしてるんだよ、気色悪いな。どーせ、大姉様が大好きで 堪らない愛しのK氏の事でも考えてるのだろ、全く、大姉様の頭の中には、K氏しか、入っていないのか・・・・・前にも言ったけど、ホント!!バッカじゃないの、全く💢。大姉様のせいで、こっちは、マジで、迷惑してるんだからな。俺らのことも少しは、考えてよ」

 そう言って顔を赤くして、怒る姿も、まだまだ子供のようで・・・・しかし、以前の調子に戻った感じで、姫宮様は、とても嬉しく思いました。


 K氏と「お母様」との暮らしに、疲れていた自分に活力が、戻ってきた思いでした。


「若宮殿下のお考えでは、そういう事に、なっていらっしゃるのでしょうけど、残念で御座います。若宮様が、随分と大人びた感じになられたのが、嬉しくて、微笑んでいたので御座いますわ」

 そう、姫宮様が言われると、「その顔でどこが微笑んでいるんだか、誰が見たって、ニタニタ顔だよ」と若宮殿下は、独り言の様にいわれました。


 しかし、若宮殿下のお言葉は当然、姫宮様のお耳に届いておりましたので、


「本当で、御座います。お正月より、お背が高く成られましたね。誠に畏れ多き事で、あらしゃいますが、お上の御背丈よりも、高くお成りでしょう。来年は、おもう様にと、届くほどになられていらっしゃるかと思いますよ」

その姉宮様の言葉を聞かれて、若宮殿下は、


「おもう様に、届くんじゃなくって、必ず身長を、抜いているんだ。来年は、皇族一の高身長に、なってる。絶対に。お上も、早くそれが、見たいと仰せられているし」

 そう、仰ると、立ち上がれまして、「必ず背を、超えるんだ」と言われました。



 姫宮様は、(別に、わざわざ立ち上がらなくとも・・・・)と思いましたが、自分の知らぬ間に、弟宮は、これからどんどん成長されるんだなと、嫁いだ自分が、今さらこう、思うのも勝手なのは、分かっているけど矢張、正直(寂しい)と思いました。しかし、もう、引き返す事は、出来ませんので、


「若宮殿下・・・・・。私と『根無し葛』氏の事で、大変ご迷惑をおかけして、申し訳なく思っております。しかし、わたくしは、『根無し葛』氏の事を心より愛しております。この気持ちは、これからも生きていく限り、決して変わる事は、御座いません・・・・・」

「例え、殿下より、『バカ』とのお言葉を幾度も頂戴しても、『根無し葛』氏を愛して『バカ』と、呼ばれるなら、わたくしは、一向に構いません。『根無し葛』氏と結婚するに辺り、わたくしも、それなりの覚悟を抱いて、『根無し葛』氏の元へ嫁ぎましたので」

 姫宮様は、今の本心は、どうであれ、ハッキリと若宮殿下にそう、言われました。しかし・・・・・


 その十余年後、生き恥を晒すがごとく、ご実家に戻られて、弟宮様に又、大迷惑をかけるのですが、この時は、まだ姫宮様も、若宮殿下も、その先の未来を十分予測等は、出来ていませんでした。


その時の姫宮様。「・・・・・申し訳ありません」


その時の若宮殿下(この時は、宮殿下)。「・・・・・・・💢💢」

 若宮殿下は、実の姉宮様の口から「愛」とか何とか聞いて、とても気恥ずかしくなり、どう対応すれば良いのか、よく分からず、戸惑いながらも「分かったよ」と言うのがやっとでした。


 しかし、当たり前ですが、何故、こうも姉宮が、そこまであんな、不誠実なK氏に対して、ああも言えるのか、正直とても理解出来ませんでした。


 自分達が、いや、「大姉様」が、『根無し葛』氏側のトラブルの事で、どれだけ世間からバッシングを受けて、本当に、どれだけ辛かったか。

 その時も、ただその張本人は、姉宮に連絡するだけで、1度も、帰国する事なかったし。本人は、アメリカで、ただ勉強を理由に、居座っていただけなのに・・・・・自分のせいで、辛い思いをさせた「大姉様」と別れる事なく、そのままにして・・・・・どうして何故?「大姉様」は、あんな辛い思いをさせた、無責任な『根無し葛』氏と、結婚までしてしまったのか・・・・・・。

 やはり、姫宮様の言葉を聞きましても、若宮殿下には、どうにも理解し難い事でした。


 『根無し葛』氏は「王子」と呼ばれているらしいが、「王子」は、「王女」様がピンチの時、必ず救いに来るというのに・・・・(まあ、うちの大姉様は、皇女だからな。それとそれは別物なのか?)そんな事などを、考えまして、姉宮様の言われた言葉を、何とか無理矢理に、自分の中で納得されようと、若宮殿下は、努力されていたのでした。


 姫宮様は、弟宮様のまるで、試験テストで、難問を解いている様な何とも言えないような、正直な困惑の表情を、じっとご覧になられていました。 


 もし、これが、実際の試験問題であったなら、これ程理解に苦しむ問題は、ないでしょうし、これ程答えを出すのに苦労する問題は、ないでしょう。 若宮殿下が、それに真面目に理解して、ご自分なりの答えを出そうと、努力されて、いらっしゃる姿を、ご覧になり姫宮様は、本当に申し訳なく思われてきました。


 この問題は、理解して答えを出すのは、若宮殿下には、それこそ無駄な事なのです。姫宮様は、弟宮様にこう、おっしゃいました。


「若宮様、わたくしと『根なし葛』氏との愛というのは、『もののあはれ』で御座いますわ」



 姫宮様から、予想もしない言葉を、聞きまして、若宮殿下は、「ハァ?(。・´_`・。)」という表情をなされて・・・・



「なにそれ?確か・・・・源氏物語を、ものの情緒とかで、そういうのを表すという風に習ったけど・・・・・大姉様は、え~~紫の何とかで・・・・・あっ!紫の上だっけ?・・・・・って事は、『根無し葛』氏は、光源氏?!あーでも、当たってるかもね(笑い)」

「『根無し葛』氏、女友達が多いし、その写真見たことあるよ。(軽蔑の苦笑い)大姉様の所まで、女の子達来たでしょ。大姉様、上手い事いうね」

 若宮殿下は、姉宮様から、それを聞かれて、府に落ちた様に納得されたようでした。『もののあはれ』それは、なかなか理解出来ないものなのですが、しかし、姫宮様は、本当にそれしか言うしか、ありませんでした。



その12へと続きます。



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