看護師の仕事では職場での報連相の徹底が求められます。これができないと看護・治療の両方の業務において深刻な支障をきたしてしまうことになりかねないからです。
さらにもうひとつ報連相の重要性としてはまだ経験が浅い看護師が学ぶ機会を得られる点も挙げられます。何かわからないこと、自分一人ではうまく対応できないことに遭遇した時には速やかに先輩や上司に報連相をし、アドバイスや指示を求める。そうすることで「このようなケースではこうした対応が相応しい」というノウハウの蓄積が行われていくことになります。そしてそうした経験を積んでいくことで、いずれは自分が後輩の看護師から報連相を受ける立場になっていきます。
ですから報連相がうまく機能していない職場では看護師のスキルやノウハウの継承もうまく機能していない恐れが出てきます。報連相がどれだけ機能しているかがその職場の看護業務の質にも関わってきます。
報連相を心がけるのはもちろんですが、適切な形で行うことが重要になってくるでしょう。看護師の報連相において重視するべきこととして挙げられるのが「5W1H」をしっかり踏まえた内容にすることです。「いつ」「誰が」「どこで」「どんな」問題を抱えて、「なぜ」それが問題になったのかをしっかり伝えられる形での報連相が求められます。さらに「どうすればいいのか」「何が問題なのか」を相談しましょう。これら5W1Hが含まれていないと報連相を受けた相手が内容をよく理解できません。例えば不測の事態が生じた時に報連相が必要になった場合、うまく伝えられないととっさの対応ができなくなってしまいます。
逆に言えば報連相をしっかり行うことで看護師一人ひとりのスキルが向上しつつ、全体の看護環境の質も高まっていくという好循環をもたらすことができます。これも報連相が重要な大きな理由として挙げられるでしょう。