身も蓋もなく

メディアに触れた記録。他のブログは読まずに身も蓋もない感想を。(注)感想なのでネタバレありまくり。

不味い!

2005-08-31 | 随筆
例のアレ、ひょっとしたらこの本に何か書かれていないかと
思ったのだが、見あたらず。
やはり「すでに食品ではないもの」のことを食べ物の本に書くことはないのか。
地道に探すことにする。

で、タイトル通り「不味い」ものに関する本である。
これこれの食材が不味い、というよりは、料理のしかたや管理や食事のシチュエーションによって不味くなるのだと言えるだろう。食材に罪はない。
シュールストレンミングやホンオフェは小泉先生にとっても不味かったのかと思うとなにやらほほえましい。

私にとっての「不味い!」筆頭はスキー場での食事、いわゆるゲレ食である。なめとんか、と思うものが平気で出る。
めちゃくちゃお腹が減っているのに不味いってありえない。

著者: 小泉武夫
発行者: 新潮社
ISBN: 4104548022

戦国自衛隊1549

2005-08-30 | 小説
挿絵がいっぱいで、とくに絵に文章がかかってるページが読みにくかった……。変に凝った装丁にしなくていいのに。
半村良の『戦国自衛隊』とはだいぶ違う感じみたい。
今度はこちらを読んでみたくなりました。

一連の福井作品を読んでいることで、類型化した何かを感じながら読み進めることになった。つまらないって言うんじゃないけど、何かが。
ある意味安心して読めるんだけど、違った味も欲しくなるわけで。

著者: 福井晴敏
発行者: 角川書店
ISBN: 4048736140

殴り殺される覚悟で書いた親日宣言

2005-08-29 | 随筆
この本を書いたおかげで、チョ・ヨンナム氏はレギュラー番組降ろされるわネットで叩かれるわ、お国ではさんざんな目に遭っているそうだ。
タイトルがリアルになりそうな勢いだという。
NHKのインタビュー申し込みを断る手紙が紹介されていたが、その怯えっぷりたるや、とても大スターのものとは思えなかった。

どんなに過激な本なのだろう? と思って手に取ったのだけども。
ん? あれ? そんなに「イルボンマンセー」かい?
どちらかといえば皮肉たっぷりな日本評と読めるんである。
ほんとうに韓国「ネチズン」はこの本読んでるんかいな。
タイトルの「親日」だけに脊髄反射してるんじゃないか。
どうもそうなんじゃないか、と疑っていたんだが、このインタビュー(朝鮮日報)を読んだらやっぱり。
「まだ本が出版される前、インターネットでは早くも熱い論争が繰り広げられていた」って……。
批判は読んでからにしる。

著者: チョ・ヨンナム
発行者: ランダムハウス講談社
ISBN: 4270000651

モノクル 2004年春号

2005-08-29 | 雑誌
雑誌はすぐに捨てる質なのだが、なんで置いてあったんだろう。

『モノクル』は『日経エンタテインメント!』の増刊として2冊だけ出たという雑誌である(つまり売れなくて消えたんである)。
「日本一のんきなモノ情報マガジン」と銘打っているが、ほとんどテレビの雑誌といっていい。ハードもソフトもアリ。
家にあったのは創刊号。
たしか薄型テレビの情報が欲しくて買ったと思う。

しかし、面白く読んだのはどちらかというとテレビ番組の紹介だった。
"ご当地限定「秘宝番組」"というローカル番組特集があったのだ。
この雑誌を買ったとき、私は『水曜どうでしょう』を見たことがなかった。
今、遅ればせながら『どうでしょう』にはまってみて、改めて大泉さんのインタビューを読むとまた違う味わいがある。
ここで紹介されているローカル番組では他に『ぐっさん家』も見ているが、どちらも放送しているサンテレビはネ申。
(もっとも『ぐっさん家』はBSフジで見ているのだが)
『1×8いこうよ!』もほぼレギュラー化しているし……。
恐るべし、サンテレビ。

こういう「すぐぽしゃった雑誌」、結構買ってしまうんだなあ。
自分でも「あー、これはすぐ消えるわ」と思いながら読んでいるんである。

↓いちおう、まだサイトあったみたい。
日経BP MONOCLE モノクル

ふらんす物語

2005-08-25 | 小説
たまには文学史に出てくるような作品を読んでみる。
永井荷風といえば「耽美派」である(最高知識)。
この作品は、荷風のフランスへの憧れが強く描かれている。
フランス語を褒めまくり、英語をけちょんけちょんに貶すのはまあ、個人の好みだからとやかく言うまい。

で、当然彼の地の女性とのロォマンス、ということになるが、登場する日本人男性はみんなモテモテなんである。
この明治後期、西洋女性に日本男性がモテモテ、ってそんなことはあったのだろうか。少し信じがたい。

「醜業婦」なんて言葉がたくさん出てくる。
さんざんお世話になっておきながら(と思う)せめて娼婦とくらい書いたれや、と思ってしまう。
というか、相手の多くは「醜業婦」とか「女芸人」とかで、結局そういう人たちとしかつきあってないんじゃ? つきあえないんでしょう? とさえ思えてしまう。
なんとなーく、なんだけど、2ちゃんねるとかでよく見かける、女を神格化したあげく、逆に貶すことしかできなくなった「童貞ニート君」の書き込みに似ているような気がするのだ。
妄想乙、で片づけてしまうのは違うような気がするが。

少なくとも、このころ荷風は脳内フランス人だったんだろうなあ。
先日問い合わせをしたときに感じが悪かったエールフランスのお姉ちゃんと何となく通じるものがある。
うーん、フランスにかぶれると感じ悪い、とかそういうんではないんですけどね。
フランス自体はイメージ悪くないし、行ってみたいし。

私の読み方が浅いと言われればそこまでなんだけども、
『ぼく東綺譚』(漢字出ない…)が表層的には女性差別的に見えてしまう、ということもあり、やっぱり根底に何か女性に対するコンプレックスのようなものがあるんだろうな、と想像してしまう。

著者: 永井荷風
発行者: 岩波書店
ISBN: 4003104293