身も蓋もなく

メディアに触れた記録。他のブログは読まずに身も蓋もない感想を。(注)感想なのでネタバレありまくり。

一冊でわかるミュージカルガイド100選

2006-08-17 | 実用
別館をご覧の方はお気づきのように、月末にブロードウェイに行くってんで大騒ぎしております。
とりあえず今回は「舞台三昧」「なんでも見てやろう」ということで(同行者教育も兼ね)、解説書を手に取ってみました。
掲載100選のうち、26は日本のオリジナル作品でしたorz

別に日本の作品が悪いと言っているのではないのですよ、でも、ちょっと期待はずれというかなんというか、ましてやその中にひとつも宝塚のオリジナル作品が含まれていないのは(ミュージカル劇団としてきちんと言及されているにもかかわらず)ちょっと妙だなーと思ったんですよ。
いや、素人の思うことですから、本質ではないのかもしれませんが、素人考えだとそれはヘンだと感じたわけです。

そして海外ものの解説ページでも、舞台写真は多くが日本語版(いろいろややこしいんでしょうが)、日本語版のポスター写真はほぼすべて網羅してるんじゃなかろうか、そして解説も日本での上演記録が非常に微に入り細にわたり。
要するにこの本は、日本におけるミュージカル作品ガイドなんである、と思いました。
なんとなくあらすじを把握するにはちょうどよい本ではありました。

著者: 瀬川昌久[監修]
発行者: 成美堂出版
ISBN: 4415016960

まるごと1冊ミュージカル

2006-08-16 | 実用
なんだかへんてこな本です。
いちおうミュージカル鑑賞案内、みたいな体裁は取っています。
内容は、というと、見るべきものはない。
どちらかというとロンドン贔屓なのかもしれない。
それで、ソンドハイム(どうでもいいが、この本では「ソンダイム」と表記されている。何種類ものカタカナ表記が入り乱れる海外演劇の記述だけど、「ソンダイム」は初めて見たかも)になにがしかの、コンプレックスのような感情を持っているんじゃないかとか思える。いや、確かにソンドハイムの曲って難しいけどさ。私『スゥイニー・トッド』くらいしかついてけないけどさ。
で、文体が妙。
主な著者であるところの石原隆司氏は、とある業界紙に勤務する(職種は書いてないけど)人のわりに文章がこなれてない。
たとえて言うなら、昔のFM雑誌とかに半分投稿みたいな形で寄稿している、セミプロ評論家みたいな文章(わかりにくい例えだ)。
お断りしておきますが、この本1998年初版ですよ。
もうこの頃ならインターネットでの情報収集もありだったんじゃないかと思うんだけど、一言も言及なし。
その他諸々、ヘンな本だなーと思って著者の名前をぐぐってみたら、こんなの見つけました。

Misoppa's Band Wagon
ある“ミュージカル本”成立の裏事情

ああ、なんか納得した。
双方の言い分を検証するすべがないので、どちらがどうとかは言えませんが、こういう意見が出る本ってのは幸せな生い立ちではないわね。

やっぱり一番の問題点は、日本語ではミュージカル(特に海外の)情報が得られにくいことなのかもしれませんねえ。

著者: 石原隆司/松崎巌
発行者: 音楽之友社
ISBN: 4276236614