☆ 2006年6月14日・・・お別れ ☆
入院2日目の6月14日、仕事帰りに直行でサンタの面会に行きました。
その時、担当医は不在だったので、詳しいことは聞けなかったのだけど
サンタは前日連れて行った時よりも、はるかにしんどそうで・・・
サンタの力のない悲しげな目を見て、胸が張り裂けそうになりました。
すぐにでも連れて帰りたかったけど、当時私はまだペーパーで原付しか乗れず
いつも通院に使っていたわんこバッグも持って行ってなかったので
そのまま帰ることしかできませんでした。
辛く重い気持ちに、押しつぶされそうになり・・・
「本当に、これでいいのか・・・これでいいのか・・・」と自分を責めながら。
帰宅後、担当医から電話があり 「今夜は私が付きっきりで診ていますから」 と。
それは・・・今夜が山ということ?
それから、おとーさんが帰ってくるまでの数時間・・・
私は夕飯を作ることも忘れて、それでもまだサンタを助けるすべはないものかと
パソコンに張り付いて悶々とした時間を過ごしていたのです。
そして10時過ぎ、おとーさんが帰ってきて、面会の様子と先生からの電話の事を話したら
おとーさんは 「すぐに迎えに行こう」 と言ってくれました。
その言葉で私も我に返り、そして、覚悟ができたのだったと思います。
サンタは超おかーさん子でした。
おとーさんの事は、私を巡りライバルだと思っていた子です。
そのサンタが・・・夕方面会に行った時はぐったり横たわっていただけのサンタが・・・
おとーさんを見た瞬間、必死で起き上がろうとしたのです。
おとーさんが迎えに行こうと言ったことに、応えるように。。。
お家に帰りたかったんやね。。。ごめんね。。。もうずっとずっと一緒にいるよ。。。
サンタをこの手に抱きしめて、その時、初めて泣きました。
車の窓から、お外を見るのが大好きだったサンタ。
もうそんな力はないはずなのに、途中で起き上がろうとして
外を見たそうにしていました。
家に着き、一人お留守番をしていたチビタが出迎えてくれました。
たった1日の入院なのに、サンタの体は随分汚れてしまったので、優しく拭いてあげました。
そして・・・
いつも、お家警備をしていた窓際に寝かせてあげて間もなく・・・
サンタは旅立っていきました。
家に着いてから20分ほどの事でした。
2006年6月14日23時50分。
サンタは、病院でもなく・・・
私が仕事に行っている間でもなく・・・
おとーさんの留守中でもなく・・・
その時と決めて、旅立って行ったのだと思います。
おとーさんにも、私にも、チビタにも、誰一人として心残りを残させないように
サンタは 「奇跡の時間」 を作ってくれたのです。
本当にいい子・・・優しい子。
翌日15日、サンタは雨のお山からお空に帰っていきました。
そして、その2日後の17日、おとーさんは研修に出発しました。
チビタと二人きりの1週間。。。
ぽっかり空いた心の穴を、サンタはちゃんとチビタに埋めるように託していたようです。
そして1か月後に生まれる楓太との出逢いの道も、こっそり残していてくれたのです。
私たちがサンタに贈った愛よりも、もっともっと大きな愛をサンタは最後に残してくれて
もう、サンタには返すことができない分、それをチビタと楓太に・・・と。
私たちが笑顔で生きていけるように、サンタはそんな形で私たちの歩く道を繋いでくれたのです。
ありがとう、サンタ。。。