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田舎ぐらし(169)

 ー 3,900円 ー
 
 
 
      法務局のパンフレット
    
 先日、確定申告をすませた帰りに法務局に寄った。
何年か前に相続法が改定されて、遺言書を法務局が預かってくれるようになった。それは承知していたがひとつ不安な点があり、そこをすっきりさせたかった。

 そもそも遺言書なんか縁起でもない、書きたくないと思うのが人情である。実際、遺言書がなくてもあとに残った “ 山の神 ” はなんとかコトを収めている。しかし、遺産の取り合いで大騒動になったり、果ては裁判所の法定相続分などという情味のかけらもないお裁きを甘受することにもなりかねない。なによりも生涯かけて作り上げた財産である。自分の思い通りに処分したいという思いがある。
 
 そこであれこれ思いを尽くして遺言書を書いたとする。自筆である。次に書いたものをどこにしまっておくかを考える。机の中か、信頼する友人に預けるか。公証人役場という所に行って証書にするか。

 それぞれ一長一短がある。
自筆の方は金がかからない。ただ遺族の身になってみると、そもそも遺言書を書いてくれているかどうかががわからない。書いた方としては見つけてくれるかどうか不安である。見つけてくれたとしても、家庭裁判所に持っていって検認という手続きを受けないと効力がない。

 公証人役場の方は遺言書を役場で保管してくれるから、生前、遺族のだれか、あるいはみんなにその旨言っておけばいい。しかし、証人を二人頼まなければならないし、多少費用もかかる。

 こんな縁起や心配事やわずらわしさも手伝って日本では欧米ほど遺言書は普及しなかった。ところがここへきて、法務局が預かってあげますよ、と言い出した。内容についてとやかく言われることはないし、日付を書き忘れるなど、形式的なところに不備がなければ3900円の手数料で預かってくれる。預けたあと気が変われば書き直したものを再度預かってくれる。しかもあなたが亡くなったら相続人に通知してあげることもできますよという。

 ここまで予備知識を入れた上で法務局へ行き、「遺言書のことでお伺いしたいんですが」と呼ばわると、中年の男の職員がすぐに立ってきて親切に応対してくれた。

 帰途、車を走らせながらいろいろ思いを巡らした。不安を感じていたのは上記の通知の点だったがこれについて優・良・可で言えば良に止まった。それでも大まかに法務局預りの方がほかよりはマシだという印象を持った。
 結局、自筆、公証人役場、法務局のそれぞれ長短を書き出してみて、自分がどれを一番重視するかで決めた方がよいのではないかと思った。


 
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