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田舎ぐらし(132)

 ー 自給率38パーセントー

 

 「雑草との闘いだね!」
去年の今頃、裏のおばあちゃんが言った。
今、どこの畑でもトラクターが出てきて物憂そうに土をかき回している。居眠りをして溝に落っこちはしないかと心配するほどの速度。あひるの方が余程早い。

 梅雨の晴れ間、刈払い機と耕耘機を持ち出して菜園の草取りを敢行。
2時間ほどしか動いていないのに、したたかに疲れた。終わって頂きもののチョコレートを1個食べたら元気になった。

 最近、刈払い機の先に丸い刃ではなく、コードをつけるやり方を覚えた。20センチほどのナイロンコードを2本つけ、これをブンブン回して草を刈る。

 さて、野菜を作っているのには訳がある。年金が心細いことも理由のひとつであるが、もうひとつは性分である。つまり心配性である。なにしろ、食料自給率38パーセント(令和3年度 カロリーベース)の国。輸入がストップすれば、わが家の台所などたちまち干上がる。

 台所が干上がるということは、ある日、スーパーに行ったらいつもは棚にぎっしり並んでいる野菜や肉がポツン、ポツンとまばらになり、おまけに値段は倍になっているということである。

 先日、新聞に「食料安保 緊急時 農家に増産指示」という記事が載った(2023.5.29 産經)。これから増産を検討するということらしい。
 今頃何をのんきな。米は田植えをして口に入るまで半年かかるが、人間は10日も食わないと死んでしまう。

 農家は減る一方、耕作放棄地は増えるばり。
皆、儲からないからやらないのである。会社員の方が稼げるのに、会社を辞めて今から農家をやろうと思う人間がどこにいるのだろうか。危機意識に乏しく、その上詰めが甘いのはこの国の役所や“ 先生方 ” の特徴である。

 こうなると、自分でなんとかするしかない。方法は三つある。① 田舎の実家を頼る。 ② 米、野菜を分けてくれる農家をさがす。 ③ 自分で作る。

 実家を頼ることができれば問題はない。しかし、何のつてもない人もたくさんいる。そういう人は会ったこともない農家を訪ねて食料を分けて欲しいと交渉することになる。

 ここでまた、昔、田舎の新聞に載った投書を思い出した。
畑仕事をしていたら、近くを通りかかった子連れの母親がこちらを見ながら言ったという。「ボク、勉強しなかったらあんなになりますよ」。凡庸な親から子が学ぶことは多くはない。
 

 
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