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田舎ぐらし(99)

ー  自分のことは自分で決める ー

   市販薬-大人3錠、子ども1錠

 「三国志」に華佗(かだ)という名医が登場する。
華佗は熱に浮かされた二人の患者の一人に下剤を、もう一人に発汗を促す薬を与えた。人が処方が違うのはおかしいというと、体質は人それぞれなのだから、治療法も違うのが当然だと説いた。次の日には二人そろって床を離れたという(「産経抄」 産経新聞 2022.10.16より(要旨))
  
 さて今日、病院に行くと先ず病名が告げられる。病名が決まると自動的に薬が決まる。メーカーが出している本があり、〇〇病には〇〇薬と決めてある。

 さして多くない経験からいうと、西洋医療では体重、食事の好み、飲酒やタバコの習慣、睡眠時間の長短など漢方医ほどには詳しく訊かない。中には患者の顔も見ず、パソコンの画面だけ見て薬を処方する医者もいる。市販薬に至っては未だに「大人3錠、子ども1錠」のレベルである。ここでは自分の体のことは他人が決める。

しかしながら最近、自分の体のことは自分で決めるべきだという気になってきた。

 理由はいくつかある。
数年前、足の骨を折った。医者は骨をボルトで止めた。もう骨はくっついたと思ったのでボルトを抜いたものかどうか尋ねた。そうしたら抜かないほうがいいと言う。数日後、他の病院へ行って抜いてもらった。今ウォーキングはもとより、軽いダッシュも問題なくできている。

 動物が持って生まれた能力と思うが、体は異物、つまり体のためにならないものが入ってきたら外に追い出そうとする。しかし、細菌やウィルスならいざ知らず、どんなにがんばっても骨にねじこまれたボルトを外に出せるわけはない。それでも体の中の何者かはボルトがそこにあるかぎり、 “ ご主人様 ” のために一生報われない努力をし続ける。そう思うとその顔も知らない何者かがひどく不憫に思えたのである。

 同じく数年前、家内が椅子から落ちて背骨を圧迫骨折した。しばらく入院して様子をみることになった。ところが2週間経っても医者は一度も様子を見にこない。体質どころの話ではない。業を煮やして詰所に行き、看護婦に「退院する!」といったところ、「担当の先生が正月休みに入っていて退院の許可がもらえません」という。
 患者をほったらかしにしておいて、何が正月休みだと思ったから、「今日退院する」と言い残して病室に向かった。背中に「再入院はできませんからねっ」という婦長の声が三角に突き刺さった。

華佗がいない以上、自分のことは自分で決めるしかない。

 
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