旅 ・ 懐かしいもの探しetc

 旅行はあまり有名ではないところをメインに身勝手な感覚で記述し、武漢ウイルス以降はグチばかり・・・

世界の安全な都市ランキング1位から東京陥落

2021年12月26日 | グチばかり


 英誌エコノミストが2021年9月に発表した世界の安全な都市ランキングで1位に輝いたのは、デンマークのコペンハーゲンだった。
同市長は報告書で、安全な要因として犯罪率の低さ、そして社会的まとまりの強固さや比較的小さな貧富の差が特徴として挙げている。

ちなみに、2019年に首位だったはずの東京は5位だった。
 この違いは、日本の社会や人に何か変化が起きていることのあらわれなのだろうか。
 ※住みやすい都市のランクでも・・・

俳人で著作家の日野百草氏が、ごく普通の人が突然「ヤバい人」に変貌する昨今の日常について考えた。

 * * * 「お前の顔、憶えたからな」
  都内近郊の住宅街、路地で男二人が取っ組み合いになっていた。ひとしきりもみ合った後、筆者の姿を見るや一方の男性が先の言葉を相手の男性に吐いて足早に立ち去る。残された男性はひどく頭髪が乱れていた。

彼に「大丈夫ですか」と声をかけると「うるせえよ」と小声で相手と別方向に立ち去る。何があったか知らないが、両方ともスーツ姿のごく普通の中年男性、筆者と同い年、いや少し上くらいだろうか。

  こっそり見ていたのだろう、小さな戸口からマスク姿の高齢女性が顔を出す。 「怖いね、なんなんだろうね」  こんな閑静な住宅街、自分の家の目の前で背広のおっさん二人が取っ組み合いを始めたらそりゃ怖いだろう。

 「最近ぶっそうですね、外に出たくなくなりますね」  女性は部屋着のまま出てきて顔をしかめる。どんなふうに物騒かと尋ねるが、とにかくぶっそう、とのこと。

確かに日本の治安に対する不安、という意味で彼女は間違っていない。少し古いが内閣府の2017年調査「治安に関する世論調査」によれば治安が「悪くなったと思う」又は「どちらかといえば悪くなったと思う」は60.8%で、警察白書もそれを受け2018年度版で2012年調査と比較して「依然として相当の割合を占めている」としている。

 「昔は安全だったのにね」
  この感想は年齢を考えれば無理もないが誤りで、実際のところ日本の刑法犯認知件数は減少している。むしろ日本の治安はひたすら改善傾向を示している、ということになっている。
しかし国民の意識は警視庁も認める通り6割以上が「治安が悪くなった」である。

こんなところで会社のストラップを下げたまま喧嘩をおっ始めるなんてまさしく「ヤバい人」だ。

都会も地方も関係無く「ヤバい人」が出現する
「痛いっ!」  いったん池袋駅に戻る。声に振り返ると女性が腕を抑えている。また「ぶつかり」だろうか。ぶつかった相手もわからないままに女性は険しい顔で歩いて行った

それにしても池袋駅は多すぎる。実際、12月2日にはこの池袋駅地下通路ですれ違いざまに女性の顔を殴ったとして23歳の公認会計士の男が逮捕された。
この男は11月にも池袋駅付近で別の女性にひざ蹴りをしたとして再逮捕されている。顔面パンチにひざ蹴り、もはや「ぶつかり」どころではない。普通の人が何かのきっかけで故意にぶつかるモンスター「ヤバい人」になる。

  先の内閣府の調査と警察白書、筆者も各地を歩く限りの感想としては「治安が悪くなった」と思わざるを得ない。減ったのはあくまで刑法犯認知件数ということで、表沙汰にならない小さないざこざや目に見えない犯罪は増えたとするのが自然だろう。

大きな犯罪は減ったが、個々人に降りかかるわけのわからない犯罪、犯罪に満たない危険が増えたということか。

老若男女問わず、日本中で普通の顔をした「ヤバい人」が跋扈している。実際、今月前半だけでもわけのわからない「ヤバい人」の事件が目白押しだ。

 「コロナでジムが休みだからイライラした」
  12月3日、奈良県橿原市の百貨店屋上から35歳の無職男がコンクリートブロックとレンガを投げ落とした。コンクリートブロックは約3キロ、レンガはおよそ1キロで、直撃すれば間違いなく大怪我、下手すると死ぬ。男は犯行を認め「当たると死ぬとわかっていた」と供述したとのことで、まさしく「ヤバい人」である。
 そもそもスポーツジムが休みのこととブロックやレンガを落とすことに何の関係があるのかわからない。
 11月には女子中学生が大阪市住之江区の大型ディスカウント店の屋上から同じようにカートを落とした殺人未遂容疑で逮捕されている。   
 今年始めにも東京都板橋区のショッピングセンターで故意にカートを落としたとして都立高校に通う少年2人が逮捕された。
 
「悪口を言われた」
  12月6日、東京都北区で56歳の無職男が放置自転車の管理施設で70代の男性職員に「何見ているんだ」と怒鳴って顔面を踏みつけたあげくに携帯電話を奪って逮捕された。
 何もしていないのに悪口を言われたので殴ったと供述しているが、それと暴行は別問題だろう。

 同日には札幌市西区のショッピングモールのお茶屋さんで全身黒ずくめの59歳男が大暴れ、幸いけが人はなかったが店を破壊しなくてもいいのに。

「万引きを疑いやがって」
  12月11日の名古屋市南区、これまた大型ディスカウント店で自称会社員の37歳の男が棒(のぼり旗)を振り回し、店舗入り口で大暴れの末、駆けつけた大勢の警察官に取り押さえられた。万引きを疑われたか本当かどうかはともかく、こちらも大暴れで店を破壊する必要はない。

 「立ち読みが許せなかった」
  同じく11日には宮城県仙台市のショッピングモールで39歳の清掃員の女が立ち読みをしていた客を刃物で切りつけた。勤務態度に問題はなかったとのことだが、真面目に仕事をこなしていたはずの女がある日突然、立ち読みが邪魔だからと刃物で切りつける「ヤバい人」に変貌する。長時間の立ち読みは迷惑かもしれないが刺傷することもない。

ターミナル駅、大型ディスカウントショップ、ショッピングモールといった不特定多数の集まる場所で事件が起きているが、そこに都会だ地方だは関係ない。
「ヤバい人」はどこにでも現れる。ある日突然、あなたが日常で乗る電車や立ち寄るビルに火をつける人間がいるかもしれない。これが現実だ。

12月前半の表立ったものだけでもこれだけのわけがわからない事件が起こっている。

加えて12月15日には鳥取県倉吉市の駐車場で42歳の会社員の男が55歳の男性に馬乗りになって暴行を加え逮捕された。まったく面識はなかったが交通トラブルとのことで、都会だから危ないとか、こういう姿格好だから危ない、なんて偏見がまったく意味のないほどに見かけ上「普通の人」が「ヤバい人」に変貌する。

 「でも相手が子どもだったら注意しちゃうかも、それでも怖い子かもしれないものね、気をつけないと」
  未成年者も会社員も老人も一転「ヤバい人」になる。理不尽な大暴れや落下物による殺人未遂、突然の放火はともかく相手に注意、もしくは不用意に関わってしまったことが遠因の事件も多い。

2020年の緊急事態宣言下では神戸市で25歳の男に「マスクしろ」と注意した65歳の男性が半身不随にされてしまうという痛ましい事件があった。

2021年10月にも資材置き場から出てきた71歳の男に「泥棒じゃないか」と声をかけた60代の女性がコンクリート片で殴打され重傷を負う事件があった。

  近年はこうした面識のない他人に対する注意や声かけで事件に発展するケースが目立つが、相手がいつ「ヤバい人」になるかわからないし、その人が「ヤバい人」かすらわからない。
 実際、筆者はこの日も電車内でノートパソコンを開いていたスーツ姿の若い男が突然、となりの中年男性の胸ぐらをつかむといった光景を目撃している。ノートパソコンで肘を拡げている若い男に中年男性が注意したのが原因らしいが、いつキレるか、「ヤバい人」に豹変するかはわからない。彼はどこにでもいる普通の会社員風の男だった。 

 たとえリアルな目の前の人であっても赤の他人ならその人のことなど何も知らないわけで、例として挙げたここ半月の表沙汰になった事件(これでもごく一部なのだが)ご覧の通り「ヤバい人」かどうかなんて見分けがつかない見かけや職業、地域による「ラベリング」などあてになんかならない。

 重ねるが筆者も同感で、普通の人と思いきや「ヤバい人」に転じる事例は本当に多い。正義感あふれる人からは叱責されるかもしれないが、自分の身を守るためにもまったくの赤の他人とは関わらない、個人的な危険は立ち向かわずに逃げるというのが身を守る術だ(空から降ってくるコンクリやショッピングカートは防ぎようもないが……)。
 警察は頼りになるが、個々人の突発的な「ヤバい人」に即対処できるわけではない。  それを決して冷たいとか、人情味がないとか思わない。むしろこうした自警行為こそ、同調圧力と他者への不躾な介在こそが「ヤバい人」に変えてしまうのではないか。どんな理由があろうとも暴力は許されないが、そうした理屈の通用しない人がいるのも事実。

時と場合にもよるが、それこそ大原則としてまったくの赤の他人とは「話さない、関わらない、近づかない」を徹底することもまたアフターコロナ、令和の自己防衛術のように思う。
  なんだか一昔前の海外旅行のレクチャーみたいだが、それほどに至らないまでも、現代日本の治安は、安全神話は小さなところで綻びかけている。
 
 ※この連中は人でなしの極悪人ばかりですが普通の人にも見えなくもありません。でも人殺しなんて気にしない奴ら。

【プロフィール】 日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。著書『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社・共著)、『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛された魂の俳人』(コールサック社)他。

 チャイナウイルス禍によって、人との繋がりや社会生活の変化が激しいために
見かけ上「普通の人」が「ヤバい人」に突然変貌するようになったのかもしれません
 これもコロナウイルスの被害に含まれる気がします。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 超富裕層? ビックリしまし... | トップ | クリスマスにお正月、どうし... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
正直言って・・・ (maru36)
2021-12-27 10:38:47
正直言って 私もいつヤバい人になってしまうかわかりません。
気持ちに余裕がないというか ほんのチョットした事 普段なら何もない事で
カチンと来てしまうみたいな事 多々有るんでしょうね。
やはり 何か全体的に 閉塞感というか 重圧というか
そっして はけ口がない そんな感じでしょうか??
寛容性の無い世の中になってしまっていますよね。
お互いに気を付けましょう (ブログ管理人)
2021-12-27 13:17:54
武漢ウイルス拡散後に
「何か全体的に 閉塞感というか 重圧というか そっして はけ口がない」
的確な表現ですね、前から不寛容社会とは云われていましたが2020年1月から世界が変わってしまった気がします。

某国が原因究明を拒んだり、真相を頑なに公表しない態度からみると故意や大きな過失から発したウイルスのような気がしてなりません。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

グチばかり」カテゴリの最新記事