ごとしんの日思月綴

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橋下徹氏と阪神タイガース

2015-10-15 20:36:07 | 日記
今年もプロ野球のペナントレースが終わりました。
セパ交流戦後には、セリーグの全球団が勝率5割を切るという前代未聞のどんぐりの背比べという事態に驚きましたが、最終的には上位2球団が5割を超え、優勝は14年ぶりのヤクルト、2位が巨人で3位が阪神でした。

さて、5割をわずかに切りながらもプレーオフに進出した阪神タイガース、かつては万年Bクラス(1987~2002年では1992年を除いて15年間Bクラス)と言われていましたが、これで3年連続のプレーオフ進出。
この10年でも7回Aクラスに入り、ずいぶん勝てるチームになってきましたね。

広島にはカープ、名古屋にはドラゴンズの熱狂的なファンが多いですが、大阪のタイガースファンは、熱狂的なだけでなく心の拠りどころになっているのではないかと思います。

1985年に21年ぶりの優勝、バース、掛布、岡田の三連砲には、この打順が回ってくるだけで異様に盛り上がりました。
その次に優勝した2003年、闘将・星野監督がベンチから飛び出してくるだけで盛り上がりました。
その2年後の2005年をあわせて3回しか過去50年間で優勝していませんが、代打の切り札・川藤や、低迷した90年代の華であった亀山や新庄、広島から移籍した金本などが人気を支えてきたように思います。

彼らの人気の根底にあるのは、ワクワク感ではないでしょうか。
出てくれば、何かをやってくれそう。
たとえアウトになっても、次を期待してしまうくらいのパフォーマンス。
川藤の通算打率は2割5分にも満たなかったのですが、通算代打サヨナラ安打の日本記録を持っているらしいです。
川藤の後は、八木や桧山が「代打の神様」としてファンを沸かせてきました。

阪神ファンは、ドラマが好きなのでしょう。
負けてもいい、打てなくてもいい、とにかく楽しませてくれ、時どき胸がすく思いができたらいい、その相手が巨人ならなおさらだ・・・

世知辛い世の中に期待するものはなく、刹那的な喜びをタイガースに見出す。
「強いタイガース」である必要はない、愛すべき「ダメ虎」であればそれでいい。
大阪のタイガースファンは、そう思っているのではないかと感じられるのです。

翻って、橋下徹氏も大阪の人たちから同じように思われているのではないかと感じられます。

橋下氏のパフォーマンスにはとにかくワクワクするし、はっきりした物言いにもスカッとする。
どれだけウソをつこうが、裏切られようが、そのとき楽しませてくれたらそれでいい。
大阪都構想の中身もどうでもいい、今と変われば当面退屈はしないだろうけど、それで生活がよくなることは期待していないし、悪くなったらそれはそれで仕方ない。

このように刹那的な大阪人から、橋下氏は「愛すべき存在」として認められることに成功したように思います。
だから大阪では(だけ?)絶大な人気を誇るのでしょう。

近年、阪神タイガースの人気に翳りが出てきているのは、観客動員数から見てとれます。
その理由としては、他のスポーツの隆盛にともなう相対的な野球人気の低迷や、上述した「伝統的」なファンの高齢化のほかに、プレーや采配がこぢんまりしてワクワク感がなくなってきたからではないかと考えられます。

橋下氏は、政権の中枢入りを目指しているようですが、ありきたりのことをやれば大阪人から飽きられますし、無茶をすれば政権は崩壊します。
「現実的」な大阪人からは、都構想の不備に気付かれています。

大阪市長の任期を終えた後の、プレーオフの結末やいかに。

パワー・ゲーム

2015-10-15 20:22:41 | 日記
大阪市長の橋下徹氏が、5月の住民投票後に「政治家を引退する」と宣言したことを撤回して以来、またぞろ存在感を増してきています。
「(大阪府知事選に)出馬は20000%ない!」を筆頭に、これまで重ねてきたウソの数々。
私はもはやこの人を信用できませんが、大阪ではまだまだ人気がある様子ですね。
その理由についての考察は改めて綴りますが、この人はウソをつく以上にすごい能力があることに気づきました。

それは自分の不始末を他人のせいにすることです。

これまで、橋下氏が任命・公認した特別職・議員の不祥事は枚挙にいとまがありません。
セクハラ区長、パワハラ校長、上西議員もしかり。
今回の維新分裂に関しても、ゴタゴタの発端は、自身が決断した石原新党との合流にあり、数を頼みに近づいた結果ではなかったのでしょうか。
結局、石原グループとは袂を分かち、代わりに?結いの党と合流し、そして分裂。

その人や組織を精査せずに安易に公認する一方、自分に歯向かおうとすると、直ちに非難する。
しかも、自分の非(任命・決定)を棚に上げて、他者の非を強調し、自分も市民とともに被害者然として他者を追い込む。
この弁舌テクニックは、さすが強者弁護士だなぁと思います。
普通の弁護士でもここまではできないでしょう。

しかし、元「結いの党」組と決別するのなら、自分が出て行くのではなく、さらに相手を非難して出て行かざるを得ないように画策すべきだったと思いますが。
スピードが橋下氏の魅力の一つかもしれませんが、近ごろは拙速ばかりが目立つように思います。
「本家?維新」と「偽?維新」の泥仕合はいつまで続くのでしょうか。

「維新」とは「すべてが改まって新しくなること」ですから、元「結いの党」組には確かにその気はないので、橋下組が本家であることは間違いありません。
ただ、「維新」の意味は「改革」より「革命」に近いので、「改革を進める」より「革命を起こす」と言った方が「維新」という言葉にこだわる理由として賛同できるのですが。

ともあれ、新しくできた「おおさか維新の会」ですが、首相官邸(安部総理)との距離の近さを売りに出しているようですが、それは野党ではありません。
安保問題で自公間に溝ができつつある今、公明党を追い出して自分たちが代わりに取り込まれたいとの思惑が感じられます。
自民党一強の現在、どうやって政権に入るかに頭をしぼっているように見えます。

一方、アンチ自民からすれば、対抗できる政権基盤をもつ野党ができてほしいのでしょうが、その夢を持たせて潰した民主党の罪は大きい。
戦後長く続いた自民党(を中心とする)政権を根底から覆した民主党政権でしたが、前に「日本の縮図」で綴りましたように、政権をとることが目的でしたから、それを達成した民主党には解党していただきたい。
そして政権をとったことで満足した人たちにはさっさと引退してもらい、政権時にやり残した、できなかった政策をやり通したいと真剣に考えている人たちで再建し、自民に対抗しうる真の野党として再出発してほしいと考えているアンチ自民は多いのではないでしょうか。

保守的な傾向が強い日本で、選挙によって民主党政権ができたことは、画期的な出来事であったと思います。
自民のまわりくどい権力争いを経なくても「トップになれるんだ」と思わせた効果は大きく、第二第三の政権狙い野党が次々に発生しました。
しかし、めいめいが自分たちこそ主流と主張するので、再編などできるはずがありません。

安倍政権に翳りが見え始めた現在、ポスト安倍のパワーゲームがまた一段とヒートアップすることでしょう。