アートとエンタメの境界ゾーン

人間の持つ限りない欲望に対してエンタメは肥大化させる方向に進化しますが、肥大化するのではなく定点に留まり喜びを与え続ける領域がこの世には存在します。作品が作者の純粋な創作意欲による産物で、その創作意欲の精神に普遍的な美が存在する時、その作品は時空を超えて存在し続けるアートのレベルに到達しますが、そこまでのレベルではないものの普遍性を持った何かが生まれる作品群が存在する場合、それらは本質的に何を私達にもたらすのでしょうか。

例えば、日本の名作アニメはアートのレベルにはないものの単なるエンタメではありません。このことは、アートのメッカであるヨーロッパにおいて、アメリカンエンターテイメント(映画はエンタメムービー≠アートレベルのシネマ)は流行らなくとも日本の名作アニメは一定程度流行っていることに表れています。日本のアニメがアートである、と主張する人は少なくないと思われますが、アニメほ本来、子供向けであり、成熟した大人が本気で涙するような広く深く高い精神性を込めた作品は未だ誕生してい無いし、これからも誕生することも無いと思われ、あるのはその境界ゾーンです。