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Hiroshi Mukaide(向出博)Time Traveler

エイリアンとしての人類

人類は、文明を開花させ、文化を創造した、地球上で最も進化した高等生物。しかし、人類も、エイリアンから見れば、同じ種同士で、1対1ばかりでなく、集団で殺し合う、野蛮で凶暴な生物に見えるだろう。自ら発達させた科学の成果を、殺し合いの道具の開発に使う生物。人類が生きていくために、何の役にも立たない、殺し合いの道具を、いつまでも手放せない。

見方を変えれば、殺し合いに勝つために、科学を発達させてきた生物とも言える。なにせ、昔は「戦争が科学を発達させる」などと言い放った人もいたくらいだから。

人類は、せっかく、言葉や文字というコミュニケーション・ツールを持ちながら、それによって争いを解決できないと、殺し合いを始める、厄介で手の付けられない生物。エイリアンが、そのような生物が、70億以上も生息するこの地球に来て、そんな生物とまともに付き合おうなどとは考えないだろう。エイリアンにとって、人類は、危険生物に過ぎない。おそらく、エイリアン自身が地球を訪れる前に、人類を駆除してしまうのではないか。

大航海時代、新大陸を見つけたヨーロッパ人は、新大陸の人間を根絶やしにはしていない。それは、ヨーロッパ人も新大陸の人間も、すくなくとも、人類という同一種だったからだろう。仮に、新大陸にいたのが、人類とは種の異なる高等生物だったとしたら、どうだろう。しかも、その高等生物が、殺し合いばかりをしていたとしたら。おそらく、根絶やしにしたのではないか。

生物が、脳を発達させ、高い知性を獲得するためには、たくさんのエネルギーを、効率的に生み出さなければならない。そのため、高い知能を持つエイリアンがいるとしたら、それは、肉食系生物だと言われている。肉食の方が、より効率的にエネルギーを獲得できるからだ。草食系のエイリアンでは、一日中、草を食べ続けなければ、活発な脳の活動に必要なエネルギーが得られない。草食では、エネルギー効率という点から、脳の発達に、自ずと限界が生じるので、知的生命体にまで至ることはできないようだ。

それに比べ、肉食系ならば、食物連鎖の頂点に立つ生物となる蓋然性は高く、知性ばかりでなく、捕食に有利なように、体型も大型化し、運動能力も発達する。地球を訪れるエイリアンがいたとしたら、それは、高い知能を持つ、俊敏な、大型エイリアンということになる。人類にとっては、仮に素手で戦うとしても、手強い相手だ。

また、一説によれば、文明を開花させ、文化を創造した上で、高度な科学を発達させていくには、民主的な体制よりも、独裁的な体制の方が、効率がよいらしい。独裁的な体制で、数千、数万年の進化を経て、地球まで訪れることができる科学レベルを構築したエイリアンということならば、「合理的で血も涙もない大型の肉食系エイリアン」という可能性が高いということになる。そんなエイリアンだけには、遭遇したくないものだ。

しかし、よく考えれば、私たち人類だって、「合理的で血も涙もない大型の肉食系エイリアン」と言う点では、合格ラインに達しているかもしれない。科学のレベルは、まだまだだが。

 

 

 

 

 


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